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さてDuriでレバラン対応の線路捌きをウォッチグした後はそのままBanteng線普通列車(EkonomiLocal)でParungPanjangの先、電化最東端の地Majaを目指しました。先日、ParungPanjangまでのレポートは上げてますので、その先の複線化工事の進捗状況と、おそらく電化区間では最も小さいと思われるCikoya駅を紹介します。

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通勤改造車でC寝台。

TanahAbangを出てもさほど混まずに、特に私が乗っている後方の車両はホームがかからない駅がほとんどであるため、スッカスか。これでもラマダンシーズンかよと、拍子抜けな状態でSerpong線へ入って行きます。ちなみに昨年初め、列車同士の衝突事故が度重なったことから、1号車と最後尾車両乗車禁止(通称、アリンアリン)が運輸省から通告され、荷物車に乗る以外しばらく後方展望がお預けになっていましたが、ほとぼりが冷めてきたのか、徐々にそれが解除されており、たでさえ混雑するBanteng線ですから、当然アリンアリンは消えています(笑)。それが発令された当時は、やけくそのようにまだ使えるK3客車の座席を撤去して、アリンアリンに供出(さすがにK1やK2では座席撤去はしていません)していましたが、とうてい乗客に受け入れられるはずもなく、当然窓は破壊され、悪戯書きも多く、またその破壊した窓から一部乗客が侵入し、荒廃したした外装と南京錠の掛かったドアもあいまって囚人輸送列車を彷彿させていました・・・。しかしさすがにまずいとKAI側も思ったのかそれら客車の荷物車化改造(K※※からB※※化)を急ピッチで進めていた(窓部分をを鉄板で塞いだ緑色の客車がそれです。)というのに、ここにきてまさかのアリンアリン解除;;この国の言うことはホントころっころ変わりますな。

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閑話休題。さあいよいよ本日のお目当てであるParungPanjang以遠へ。断食期間中はさすがにキツイですからね、この区間。緑がいっぱいなくせして、Bogor線沿線より暑いですから。さっそく特等席である最後部のデッキへ。やはり複線はParungPanjangで終わっていましたが、その先もかねてより確保してあった複線化用地を絶賛造成中といったところ。

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バラストも敷かれているところも多く、一部区間ではすでに枕木も用意され、Majaまでの複線化もカウントダウン開始といった様相です。しかしながら周知のとおり、Majaまで数年前には電化が完成し、電気も流れているものの、電車運転開始の目処は立っていません。現在のように車両調達がままならない状況では果たしてMajaまで電車が走るのかという疑問も大いに抱かざるを得ません。複線化だけしておいて、気動車なり客車なりを増備して増発したほうがよほど理にかなっていると思うのは私だけでしょうか。或いはどうせ電化するならRangkasBitungまでやるべきでしょう。Jakarta~Majaの流動なんて微々たるもで、電化開業後はたして客車列車をどのように扱うのかも全く読めません。どうもこの辺、日本的感覚を押し付けているような気もしないでもないですよね(Serpong線改良までが円借款による改良です、確か)。

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ローカルな駅舎に架線柱がドーンと。

かつてJABOTABEK一のローカル駅として知られていたCiyayur駅が見事に解体され、近代的なつまらない駅になってしまったのは記憶に新しいですが、この区間でも姿を消しそうな駅がいくつかありそうです。

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そして、ここDaru駅。その装いからもかつてのCiyayurを彷彿させ、おそらく開業当時からの歴史ある駅舎でしょう。しかしながら完全に複線路盤にかかっており、解体も時間の問題といったところ。すぐ近くまで高床ホームの建設工事が迫っています・・・。電車との競演は果たせないまま終わりそうですね。

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その先、Tigaraksaは2面4線+留置線スペースくらいありそうな大型駅に改装中。もしかして、客車列車はここで折り返して、Jakartaへ直通させないとか、まさかそんなことしないですよね!?日本のような合理化に走る系統分離だけは勘弁してもらいたいものです(しかもそれまで12両編成だった客レを6両又は8両のロングシート車に詰め込むとか、まさに;;)。路線柄、行商が多いのもBanteng線(Serpong線)、そのような人たちをCommuter line利用者と混同しては駄目でしょう。まあKAI曰く、ここは電留線として使用するようです。電車区の拡張は待ったなしですから、案外複線化が終わり次第、朝夕の入出庫時だけ、電車運転が開始されたりするかもしれませんね。

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いよいよお目当てのCikoya駅です。これで駅に止まってるとだれが思うでしょう(笑)当然反対側にホームが隠れているわけではありません。

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が、しかし!こんな小さな駅なのに、TanahAbangにも、Serpongにもなかったレバラン用時刻表が!!しっかりAngke行きとDuri行きの表記があります。そして臨時Rangkas Jayaまで!!そして改札ロケットにもAngke行きのラミネート。きっとさぞかし几帳面でしっかりした駅長さんがいる(たとえ列車が来ない駅でも基本的にKAIの正社員があぐらをかいてます;;)のだろうと覗いてみると、これは珍しい委託駅員さん。普段は駅前商店で店番をしており、列車が来るときだけここで切符を販売したり、ホームに立つそう。委託駅の方がしっかりしているとか、この辺は日本と同じですね(?)。

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可愛らしいLoketにAngkeの文字



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ホームは無く小さな駅本屋があるだけのCikoya駅。

列車は当分来ませんから、休憩のついでにそのIbu駅長のお店にお邪魔しましょうか。ここで1時間待ちぼうけしてもよかったのですが、ここでそんなに待ってもと駅長がご親切にOjekを手配してくれました。おかげさまで相当な時間短縮でMajaを目指します。Jakartaから1時間強でこんな風景に出会えるのがSerpong線の魅力ですね。当分の間は複線路盤にかかっているわけでもないので、残りそうなこの駅舎ですが、いずれ電車が増発されたあかつきには、ここもCiyayurと同じ運命を辿ることになるでしょう。電車増発で便利になるのもいいですが、そう考えるとやっぱりなんだか寂しいですね・・・。

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駅が立派になって、街も発展しようともこの笑顔は忘れないで下さいね。

さてOjekのお迎えがまいりました。てっきりMejaまで複線用路盤を爆走していくのかと思いきや、意外にもローカル道路へ。駅から外れれば少しは何かあるのかと思いましたが、これぞジャワというような赤土と田んぼの緑のコントラストが続くだけでした。まあそれがいいんですけど、果たして本当に電車が必要なのかな。5分も走らずにMaja駅前へ。駅前には、商店が連なっており、かつてのParungPanjang駅前のように臭くもなかったですが、規模的には似たりよったりな感じでした。

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駅前に通りにはコンビニもあり、背後には軍隊(といってもフレンドリーでした)の施設がありました

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Serpong側より構内を望む

なお架線は線路が単線に合流した少し先で途切れています。そこが電化最東端です。一通りウォッチングを済ませ、野菜たっぷりのMieAyamで腹ごしらえをし、上り列車を待ちましょう。

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(快速)RangkasJayaはMaja通過です・・・。

ほどなくしてお帰り列車もやってきました。そして再び下りEkonomi Localと交換。非電化ながら本数は結構多いんですよ。これはどうも沿線自治体が補助金を出しているとかで、ほぼ1時間毎でしかも12両編成という手厚い運行形態が維持されているという話です。逆にRangkasBitung以遠の過疎ダイヤっぷり(しかもせいぜい6,7両で客車はKRD改造のボロ・・・)のRangkasBitung~Merak間は乗客が多い少ない云々よりも、要するところ沿線自治体の財政状況(orやる気?)に影響されているようで・・・。

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続けてやってきた下りEkonomiLocal

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上り列車は最後尾が荷物車になってしまいますが、もちろんそちらへGo!レバラン期間中とあって、行商さん等の荷物は少なめでした。

Serpong線 時刻表とかで検索されているかたがそこそこいるみたいですので、時刻表は近々アップします。今しばしお待ちください。

コメント

コメント一覧

    • おっとっと
    • 2012年08月27日 15:22
    • こんにちは、いつも熱いレポートを楽しみに拝見しております!
      そろそろレバラン輸送も終了して、いつものジャカルタ鉄道シーンと
      いう感じなのでしょうか。KRDEの10連急行も、フリッカー画像を
      見ていたところ、結局レバラン期間中だけのようですし……。
      (いやそもそもKRDE、ジャカルタ近郊であれば、それこそ、いつ見ても
      混んでいる快速ランカス・ジャヤの増発や、工業団地の拡大整備に伴う
      ブカシ〜カラワン間の輸送力増強に使った方が良いような)
      それはさておき、パルンパンジャンから先の電化区間は、昨年の訪問時
      地獄のメラク鈍行の車内から眺めましたので、今回お送り頂いた
      レポートからは、その後もぼちぼち複線電化工事が進んでいるらしい、
      ということがよく分かり、非常に参考になりました〜。
      マジャというところは駅の周辺を除いて森ばかりの田舎で、何故こんな
      ところで中途半端に電化区間が切れるのか、個人的には未だにナゾだったり
      するのですが、手前のティガラクサは結構乗り降りが多い大きな街です
      ので、ここで現在2面4線化を推進しているというのは当然の判断かな、
      と思う次第です。ここティガラクサは、スルポン〜ランカスビトゥンの
      だいたい中間ちょい過ぎでもありますので、電車の延長運転をするにも
      ちょうど良いかも知れません。チレジット駅東側の大カーブを日本中古
      電車が走る日を楽しみにしていたり……(笑)。
      その一方で、バンテン州に向かう古き良き田舎鉄路から、昔ながらの
      駅舎が消えて行くのは惜しいですね……。チコヤ駅の風情はまさに
      ジャワの古き良きド田舎駅そのもので、ある意味でスカブミ線よりも濃厚な
      雰囲気が感じられますので、この駅を保存するためにも日本中古電車は
      ティガラクサ止まりであって欲しいと願っております (私だけ? ^^;;;)。
      ジャカルタ環状線内〜ランカスビトゥン間を通しで乗る客はかなり
      多いため、全列車で重い荷物を持ってティガラクサ乗換なんてことに
      したら大暴動になりそうな悪寒が……(爆)。
    • パクアン急行
    • 2012年08月28日 01:43
    • おっとっと様
      いつもご覧頂きありがとうございます。コメント頂きまして、改めて自分の記事を眺めていたところ、凡ミスがありまして、枕木画像の下のパラグラフ内で正しくは“或いはどうせ電化するならRangkasBitungまでやるべきでしょう。”でした。お詫びして訂正いたします・・・。(記事は修正済み)
      さて、カリガンサEXPがレバランシーズンだけだっとは!?情報ありがとうございます。運転終了後の処遇も気になりますね。しかしわざわざ貫通型にして10連組めるようにしたということは、引き続きJakartaに顔を出す可能性も大なわけで注意深く見守って行きたいと思います。まあおっととさまも仰るとおり、Jakarta~TegalにKRDを入れるとは全く理解しがたく、臨時で十分だったかなと思う次第です。やはり、どうせなら3扉と機動性を生かして非電化区間直通用のLocal運用に徹してもらいたいですね。
      またSerpong線の電化・複線化工事ですが、私も同感でして、何故Majaまで電化したのか大いなる疑問であります。また本文に書きましたとおり、電化後の客レの処遇も、いずれ問題になってくるのではと思います。“客車列車のJakarta直通継続を!”
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