INKAにて製造中のスマトラ向けDL(貨物専用機)
当地、じゃかるた新聞にあがってましたので紹介します。
KAIの社長がインタビューに応じたとありますので、そこそこ信憑性はあるのでしょうが、あまり期待しないほうが良いでしょう。以下箇条書きで。
①北スマトラ州クアラナム空港連絡線の建設。
②スカルノハッタ空港連絡線の建設(Tangerang線の延長)。
③南スマトラにおける石炭輸送量の増強。
④JABODETABEK圏の輸送力増強。輸送力1日50万人から125万人へ引き上げ。
とまぁ、ざっとこんな感じになっております。まず①ですが、要するに先日Jakartaに顔を出したKRDE Holecはここに持っていかれるというわけです。5連2本で空港連絡とはなんとも心もとないものです。ちなみにこちらの工事は既に75%が完成しているとのこと。
そして②。皆様が最も関心があるのはここでしょう。私も当然これが一番の関心ごとです。空港連絡鉄道の建設は日本がジャボタベック鉄道プロジェクトに関わりだしてから、ずっと言われ続けている案件で、インドネシア側が「うん」と言えばいつでも建設出来るようなところまでいっていたように記憶していますが、結局云十年たっても完成することなく、ついに円借款の案件から外れてしまいましたね・・・。しかしここにきての建設開始というわけです。某国が首を突っ込んできて、金に目がくらんで動き出したのではないかというのが勝手な私の憶測ですが・・・・。とは言っても、スカルノハッタの拡張計画も動き出したことだし、建設開始はまあ自然な流れかなと。それは置いといて、特筆すべき点はTangerang線の延長ということ。JAICAの資料でもTangerang線を活用するか完全新線でやるかは大いに議論されていたと思いますが、私としては、あ~あやっちゃったかという感じですね。インドネシアの玄関口とも言える空港連絡線をKAIにやらせてはいかんでしょう。完全新線にして、MRTのように完全独立組織で運営しない限り、それこそ数年で運行停止とか、ありえないとも言い切れません。確かにTangerang線も現在急ピッチで改良が進んでおり、以前のようにひっきりなしに石が飛んでくるなんてこともなくなりました。しかし、ネックはDuriから先をどうするのって話ですね。KCJはもう急行運転も直通運転もやらないよと昨年言ったばかりですが、Duri折り返しなんかにしたら誰が乗りましょう。ですから空港連絡線が開業した暁には、ここだけは急行や直通を走らさざるを得ないのでしょうが、仮にそうしたとしても、せいぜい始発駅はKotaになるのが関の山。結局喜ぶのは鉄道マニアだけでおおよその一般利用者にとって旧市街のど真ん中のKota駅なんて縁もゆかりもありません。だからといってJAICAが出していた完全新線案でもJakarta側を中央線のSawahBesarだかJuandaに無理やり接続させる(用地の都合でしょうが)というぶっ飛んだものもあったりして、一概に比較は出来ないのですけど;;いい加減、目先の節約だけにとらわれた既存鉄道の有効活用はやめにしませんか?無駄話が長くなってしまいましたが、記事内に一つ気になる点が。この空港連絡線、建設区間がTangerang線のタナ・ティンギ~スカルノハッタ空港間となっているのです。えぇ?そんな駅Tangerang線にありましたっけ?もしかしたら、別件(KAIの独自資金で?)でTangerangからこのタナ・ティンギというところまでの延長工事というのが進んでいるのかもしれません。
③については現在INKAにて貨物専用の新型DLが製造中でまもなく発送されるでしょう。また今後も同型機を増備するのではと予想します。
で、最後に④。2018年までに、つまりあと6年で輸送力を今の倍以上にって。どういう根拠をもってこの数をはじき出しているのかと聞きたいですね。とりあえずは、2012年で中古車両の譲渡停止とかいうのは単なるどっかの鉄道マニアの妄想、あるいはガセだったのではないでしょうか。もっとも車両が増えても、ManggraiとGambirのボトルネックをなんとかしない限り、この数値は到底達成することが出来ませんし、あと6年であそこがなんとかなるとも思えません・・・。
いけませんね、こうものを見るとつい日本人に戻ってしまいます。気長に待ちましょうってことです。
コメント
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まぁ、何事もグニャッとゴムのように、良く言えば柔軟、別の角度からみればとりとめもないのがインドネシアらしい……と思いますので、今回もその延長でとらえられるのではないかと……(笑)。
私としても最も関心をそそられるのはタンゲラン線ですが、確かタナ・ティンギというのはタンゲランの手前の休止中の駅ではないかと記憶しております。でもここから分岐する空港接続線を作っている気配は見当たりませんでしたので、タナ・ティンギ〜タンゲラン間の路盤改良も含めての、タンゲランからの延伸計画なのだろうかと勘繰っています (あるいはこれから分岐線を作るのかも知れませんが)。
タンゲラン線を空港線として使う場合の最大の問題は、おっしゃる通りジャカルタ中心部側の貧弱さだというのは私も完全に同感です (滝汗)。どう考えてもドゥリ駅の大改造、あるいはドゥリ駅を経由せずに直接タナ・アバンに入る短絡線 (これがないと南ジャカルタからの客を取り込めないでしょう……) は必要でしょうし、バタヴィアの面影のまま商業地としては衰えたコタを起点とするのも全く得策ではないと思います。
そこでウルトラCとして、以前どこかで報じられたジャヤカルタ〜北コタ連絡線 (中央線から環状線北部にダイレクト・イン) を本気で建設すれば、ジュアンダ〜ゴンダンディア界隈からもダイレクトで空港線に入れますし、ガンビールでの入換を廃して貨物駅の近くに新客車区を設け万々歳……(笑)。
いずれにしても、本気で現状を打破していっそう快適な鉄道輸送シーンの実現を期待するならば、これまでの楽しみであった混沌とした鉄道風景の消失を覚悟しなければならないというわけで (とくにドゥリの線路市場と現在のマンガライ駅)、これから10年がカギなのかもですね……。長文大変失礼しました m(_ _)m
載ってましたね、じゃか新。経済協力担当の元同僚からは、Muala Kapuk経由高速道路に沿って走る案だとか、途中のカリデレス付近から北上してチェンカレンのゴルフ場側から空港に入る案が有力だとか色々聞いてましたが、やっぱり最も用地買収が容易な案になりそうなんですね。まあ現在線もフルで活かせるからこれでいいんでしょうね。
他方で、やはり都心側ですよね、問題は。西と南を結ぶ短絡線、川などもあるから簡単にできそうですが、やるつもりはないようで。やはりドゥリでスイッチバックしてタナアバン経由スディルマン方面に入っていくんですかねえ。そしてマンガライにシティ・エアターミナル設置(笑)
現状のままでは、ひょっとしたら、世界で最も運行時刻の不安定な空港連絡鉄道になってしまいかねませんね。