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本当に値上がり分が乗客に還元されるといいのですが・・・

日本の鉄道各社では、ぼちぼち今年度の設備投資リリースが上がる今日この頃(例年にまして遅いような気もしますが・・・)ですが、当地PT.KCJでは年度という考えは無いのか、昨年12月末に既に発表されております。ですが、そこはインドネシア。内容には信憑性に欠けるものもあり、信じるかどうかは読者次第で、特には触れておりませんでした。各新聞社サイトにも上がっていましたから、既にご存知の方も多いかと思いますし。しかしながら、一部は進捗しつつあるものもあり、全貌が明らかになりつつありますので、だいぶ発表から経過がありますが、ここでお知らせいたします。

・Bogor線/環状線での10両運転開始の為の工事を推進します

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2両分の延伸が為されたBogor線の各駅

今年の設備投資計画でもっとも注目すべきは、おそらくこれでしょう。これまで度々、10両運転議論は行われてきましたが、その都度運輸省からの横槍が入り、結局それらは立ち消えに終って(但し東葉1000形の最初期のみ10両で運転していました)おりました。しかし、このように地上設備の改良が始まったということは、数年内にも10両運転が始まって間違いないということでしょう。

まず必要になるホーム延伸工事はすでに昨年より工事が進められており、ほぼ全ての駅での延長が完了しております。まあ、構内の安全性向上をうたっている割には、延長部分が構内踏切を挟んでいたりと、相変わらずインドネシアマインドを発揮していますが・・・。

なお同時に変電所の増強と増設も実施せねばならず、Manggarai, Kuningan, RajawaliとKramatに新たな変電所が建設されます。但しこちらはまだ完了しておらず、運輸省への許可申請も先のことになるため、今年度中の10両運転はほぼ無い模様です。次期譲渡車も一旦8連でデビューした後、許可が下り次第、10連に戻すようです。しかし絶対的輸送力に欠けるBogor線ですから一刻も早い10連化が望まれます。但し対象はBogor線だけのようで、Bekasi線のKelenderやCakungなど4,6両分しかホームが無く、何も無いところでドアが開くというのは相変わらず放置されたままです。用地はたっぷりあるのですから、これこそ早くホームを延伸してくれという感じです。

・駅のリニューアルに着手します

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駅のリニューアルではパークアンドライド化を推進する模様?

今後のKCJモデル駅として、Jurangmangu(?), Sudimara, Rawabuntu, Juanda, Gondangdia, Cikini、また空港連絡線対応のためDuri駅を大規模リニューアルします。また長期的計画では空港連絡線乗り入れのため、Sudirman駅を再改良 するようです。しかしDuri・Sudirmanの完成予想図を見るに、このあまりにも野心的なこのプランを果たして実行できるのか?と大いに疑問を持ち たくなります。なおJuanda, Gondandia, Cikiniと、日本の円借款で建設された駅としては初めて手が加えられることになります。また一部駅の客車用低床ホームを電車対応の高床式に改良します。現在Jatinegara,BojongGede駅が改良中であり、いずれJakartaKotaなどでも工事が始まることでしょう。しかし Serpong線はかなり時間がかかりそうですね。

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Duri駅はこうなる!しかしこれの実現には周辺カンポンと一体とした再開発が必要

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高床化が進められてるJatinegara駅

・新駅を設置、また休止中駅の営業を再開します

Mampang, Roxy, Matraman, Bandengan, Kebon Pedesの5駅が新駅の建設として名前が上がっております。具体的な設置場所はわかりませんが、主に駅間の長いBogor線の末端部やSerpong線などに設置が進むようです。また休止中のMampang Baru, Grogol ,Tanah Tinggiの営業再開を目指します。Tangerang線のGrogol,TanahTinggiはすでに工事が概ね完了しており、Tangerang線の複線化と同時に開業するものではないかと思われます。

・E-Ticketingシステムを再開します

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COMMET再開に向けて製作されたパンフレットだが、ほとんど一般乗客には出回らず・・・

2013年3月を目処にCOMMETの使用を再開します。なお、既にお知らせしている通り、4月初旬よりTangerang線(下り)で、その後Bogor線のJakartaKota~Depok間で乗車券の電子化と自動改札機の使用が再開されています。しかしながら、従来のCOMMET定期券は発売されず、全て1回使用限りのシングルチケットとして発売されており、大きな効果は上がっておりません。しかし今後はチャージ機能の運用を開始し、複数回使用に対応させていくようです。おそらく7月のEkonomi全廃と同時に稼動しそうな気もしますが、Ekonomiの存廃が不透明な中、理論上運賃を統一しないとE-Ticketingは運用出来ませんので、今後果たしてどのような結果になるのか、非常に気になるところです。なお先日の報道の通り、電子化と同時に運賃システムの対キロ制への移行も考えられているようです。もしそれが実現するなら、電子化もまあ意義があったなということになります。

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4月の運用再開に合わせてJakartaKota駅にお目見えしている自動改札機群 なお故障して久しい3面時計はギリギリのところで撤去を免れました

・女性専用列車(RKW)にディスプレイ及び自動放送システムを設置

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6207号車のみに先行的に設置されていたディスプレイはいつの間にか全車に設置されています

Bogor線の女性専用編成として運用されている6107Fに車内ディスプレイとGPS式の自動放送装置を設置します。この手の車両はDjokoVisionとして5818Fがデビューしており、それとほぼ同様のシステムとなるようですが、DjokoVisionがDepok電車区の謹製のオリジナルであるのに対して、こちらはKCJ側がシステムを作る模様。なお既に6107Fには車端部にテレビモニターが設置されており、テレビ番組の放映を開始しています。余るほど乗務員を乗せているのですから、こんな金のかかることをせずに、以前のように車内放送を復活してもらいたいものです。

・譲渡車両を継続導入します。

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画像はイメージです

おそらく皆様が大いに注目していると思われる次期譲渡車両ですが、2012年中古車輸入禁止令などというのはトンだ都市伝説であり、引き続き日本からの中古車を導入します。気になる今年度の導入予定数ですが、KCJからは廃車予定数の160両を購入希望として出したものの、得られた回答は90両程度 とのことです。出モノ側の会社でも色々と計画変更があるようですが、しかしせっかくの大量廃車のタイミングと重なったにも関わらず、全てを譲り受けられないというのは、なんとも惜しい限り。まあ、解体屋とのしがらみや、複雑な労使関係、そしてどうせ売るなら高く売れる国内譲渡を優先という考えもあるのだろうから、儲けの出ない車両譲渡というのはなかなか難しい、といったところ(会社によって考え方はマチマチだと思いますが)でしょうか。ですから、今年度も導入出来るだけ良しと思った方がよいのでしょう。しゃくに障る部分も 多々ありますが、臍を曲げられて、もうやらねぇなんてことになっては困りますので・・・。なおリリースには、合わせて2019 年までに車両総数を1440両にするとありますので、輸入禁止のタイミングはまだまだ先と思われます(某日系企業のリリースでは2016年と出していますので、いずれにしても信憑性には欠けます)。来年度も引き続き160両の希望を出しているようですが、それに対する回答は得られていないようです。

なお余談ですが、今後も日本からの中古車導入は続くものの、ヨーロッパ勢の介入(?)により新車を日本からKAI及びその系列会社に導入することは事実上不可能 (EUが提唱する安全基準に満たないため)となっています。中古車輸入禁止云々言う噂は当然自国産業の育成というのもあるのでしょうが、他方で ヨーロッパ勢が背後で糸を引いているとも言えなくも無いわけです。まああくまでも憶測に過ぎませんが。

・Bogor, KampungBandan, ParungPanjangに電留線を整備します

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信号設備の更新と北側1線に架線が張られた旧KampungBandan信号所

車両増備に関連して、Depok電車区の切迫する容量に対応するために、電留線を3箇所新たに整備します。そのうち KampungBandanについてはジャボタベック七不思議(?)の一つでもある旧KampungBandang信号所を再整備の上での流用し、 すでに整備は終了しています。なお旧KampungBandan信号所はかつてKota発Banten線方面の客車がスイッチバックに使っていた線路(さらに昔はTanjungPriok貨物駅まで繋がっていた)で、 それらがKampungBandan駅経由になった後は長らく休止状態となっていました。しかし、おそらく環状線の電化時から日本がご丁寧に架線を張って おり(ここに入線した電車はこれまでにあるのでしょうか?)、宝の持ち腐れになっていました。なお TanjungPriok線・環状線、及びJAK~KPBのFeeder線に囲まれ、今や草が鬱蒼と茂っている旧ジャカルタコタ電車区の再活性化は今回上がってきませんでした。おそらく、ここは来たるべく、コタ地区再開発まで放置ということなのでしょうけど・・・。 加えてBoogorには駅本屋の反対である西側、駐車場や商店になっているスペースに8本の電留線(但し土地問題で揉めている模様??)、またParungPanjangにも4~5本の電留線が整備されるようです。

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電車区の向かい側に電留線が建設されるBogor駅

2面2線から3面4線で、縦列停車も可能なほどの大規模駅に変貌しつつあるTangerang駅の改良は昨年度予算にはいっているのか、今回の設備投資には含まれておりませんでした。な お、昨年中頃より電化工事が進められているCitayam~Nambo間ですが、こちらは運輸省主体で事業が進んでいるようで、同じくこの設備投資には含まれておらず、KAIの担当者に聞いても、ほとんど情報が出ていないようです。もっとも進捗状況を見る限り、電気さえ供給されれば今年度中には開業出来そうな気配ですし、開業すればNambo駅にも電留線が確保(というか留置線確保の為の電化としか言いようがありませんが・・・)できます。

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広大なヤード広がるNambo駅

細かいところを見ていったらキリがありませんが、まあざっと見てこのような感じであったKCJの2013年度の設備投資計画。以前は車両さえあればなんとかなる、という印象が非常に強かったですが、今後はそれだけでは不十分で、それに付帯する設備も増える車両に対して整備してゆく、という方針が出されたのが今計画において印象的に思えました。

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Tangerangの改良が済み次第、いつでも複線化出来るTangerang線

なお昨年からの継続事業で、今回触れられていなかった、ParungPanjang~Maja間の複線化(4月中頃に某紙がSerpong~ParungPanjang複線化完了という、とんでもないガセネタを出していましたが、とうにこちらは完了しており、現在鋭意進められているのはParungPanjang~Maja間です)も引き続き進められます。さらにはTangerang線の複線化も目前(こちらもこちらで、空港線乗り入れのため、円借款でTangerang線を複線化なんていう摩訶不思議な記事が出ておりましたが・・・)であり、急速に、そして日々姿を変えるJABODETABEKの鉄道網に、今年も目が離せません。