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スンダ海峡へ、再び

先月末、今年のレバラン対応として初登場したINKAのお膝元、Madiunからジャワ島西端Merakを丸半日以上かけて結ぶ、スマトラ連絡急行KRAKATAU号。おそらく史上初?となる、Banten線に直通する長距離列車。この列車の設定によりジャワ東部から、Merakまで、乗り換えなし、そしてそのままフェリーに接続し、スマトラ南部ランプンまでのスムーズにアクセス出来るという画期的な列車です。しかし全区間乗り通すと約17時間を要する上、夜行ではなく、各始発駅を朝出て、深夜着という設定、そしてそもそもの宣伝不足が災いし、非常に低い乗車率を誇ってきました。しかし、列番は未だに臨時仕様なものの、このまま定期格上げとなる模様です。ただ、定期格上げ時(9月1日から?)には運行時刻の大幅な変更も考えられているようです。

まあ今のダイヤのままでは、全区間通しで乗る客など、よほどの物好きしかいないと思われ、時刻の見直しは免れないでしょう。しかしながら、ジャカルタ在住者にとっては、このダイヤ非常にオイシイ設定。というのも、これまで本数が少なく、行動の制約が大きかったBanten線を半ば夜行列車状態で走るわけで、スンダ海峡のフェリーウォッチングに最適なわけなのです。モデルコースとしては、仕事明け(又は JABODETABEKの電車ウォッチングを終えてから)、PasarSenen発のKRAKATAUで出発し、Merak着は深夜2時前。そしてスンダ海峡をフェリーで往復して再びMerakに戻ると翌朝8時くらいになるでしょう。当然お目当てのフェリーがすぐ来るとも限らず、それを加味しても、Merak13時15分発のTanahAbang行き急行KALIMAYAにも余裕で間に合うわけです。

というわけで、無謀にも??レバラン帰省ラッシュ真っ只中ではありますが、急行KRAKATAU試乗&スンダ海峡フェリーウォッチングをしてきましたので、レポートいたします。

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商店撤去跡が待合室に

実はこの日の朝から、いつもお世話になっております地味鉄庵のおっとっと様と共に某廃墟の撮影(こちらも後日掲載します)に繰り出しており、夕刻ジャカルタに戻っていたのですが、市内にいるその足で、そのままPasarSenenへ向かうことにします(発車時刻前までベースキャンプを貸し出しいただきましてありがとうございました!)。当然、CommuterLineでは行きづらいですので、タクシーで向かい、まあ遅れてくるだろうと、結構ギリギリに到着したのですが、なんと定刻!とりえあず駅ソトのコンビ二で水だけ調達し、乗り込みます。なお駅前にはレバランの混雑ぶりを報道すべく、テレビ局のクルーが張っていましたが、なんてこっちゃない、普段+αでさほどの混雑ではありませんでした。全ての列車がほぼ全車指定席(そして鉄道離れも加速中)となった今や、かつてのように民族大移動を呈する光景はもはや見られず、また相次ぐ運賃値上げで、客層も変わっているということでしょう。ですから、某テレビ局は思ったような映像が撮れず、過去の映像を流して誤魔化していたとか(存在しない列車が映りこんでおり、鉄道マニアには一発でバレたそうですが・・・)。またPasarSenenにおいてもいつの間にか商店が撤去され、駅ソトの撤去跡は待合室として暫定的に使用され、これだけ臨時も加わり頻発しているにも関わらず、列車毎の改札&セキュリティーチェックを行っていることもあり、まるで中国のよう;;本当に殺伐としていて、味気なくなりました。

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東ジャワ方面の列車を待つ3番線はこの賑わいですが・・・

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4番線はこの有様

さて、改札も番線毎に設置されており、KRAKATAUは島式の片側、4番線からの発車とのこと。そしてホームに行くと柵で仕切られた3番線側は入線前ということでさすがに人で溢れていましたが、こちら側は、もはや誰もいない・・・。ほどなくして専用の青い新型冷房K3客車を10両連ねたKRAKATAU号が、これまたガラ空き状態で入線。指定席をネット予約したときに残席が400近くなっていたのでわかりきっていますが、予想通りの展開ですね。全区間乗り通す客は居ないとしても、定期列車が軒並み満席の中でYokjakarta,Kroya,Cirebonと主要都市を経由してくるわけですから、本来もっと需要はあるはずであり、明らかな宣伝不足でしょう。そもそもレバラン時期の列車予約が一斉にスタートするとき(2ヶ月前でしたっけ??)までに、臨時列車の設定を告知しないというのが最大の問題だと思うのですが。まあ、逆にこれで1ボックス占拠、シメてC寝台(こういうときは冷改K3の3&2シートの方がさらに寝やすいのですけどね;;)によるMerakまでの快適な旅が約束されたわけです。

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誰もいない車内

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食堂車は既に営業終了、残念

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4号車には車椅子対応トイレを設置

簡単に撮影を済まし、車内に乗り込むと、若干乗っていた乗客もほとんどここで降りてしまい、車内を徘徊してみると、なんと乗客は10人足らず・・・。快適ですねぇ。列車は定刻に発車し、夜の環状線をゆっくりと進みます。環状線をぐるっと半周クロスシート車で回るというのはなかなか新鮮です。真っ暗なカンポンから、ときおりズンドコズンドコとインドネシアンミュージックが響いてきます。列車は時刻表上では、ParungPanjang,RangkasBitung,Serang,Cilegon,Merakの順に停車していますが、まずKampungBandanで運転停車。環状線の電車もそうですが、ここで列番が変わり、7097レから7096レに変更します。何故か車内のLEDはKampungBandanを表示。降りるだけなら可能ですけどね。すぐに発車し、さらに環状線をAngke,Duriと進んでいきます。いつも停車する駅を通過(Angkeは最近通過になってしまいましたが;;)するというのはこれもまた新鮮味があります。そして最大の見所は、TanahAbangの通過(EkonomiLocalが通過になってからまだ乗っていないのです・・・)。が、列車はソロソロと速度を落とし、停車。どうも乗務員交代をするようです。というか、普通ここで交代するはずであり、何故時刻表が通過となっているのかが謎です。乗務員曰くTanahAbangでは乗降出来るとのことでしたし。ネット予約でTanahAbangから発券出来るのか調べれば一発です。

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TanahAbangに停車中のKRAKATAU 専用ロゴがいいですね(Aの部分は由来にもなっている火山を表しているようです)

隣に22:30発のSerpong線05系が停車中ですが、向こうもこの時期ではガラガラで、ブルートレイン的な優越感がなかったのは惜しいところ。列車はこの先、Serpong,Banten線内を快調に飛ばして行き、一路Merakへ。私もいつの間にか眠りに着いており、目が覚めるともう終点直前でした。昨年まで、Merakに行くには、最悪の場合カチンコチンロングシートの鈍行PatasMerakで苦行を強いられるという、なかなかハードルが高いものでした。しかし、その後冷房急行KALIMSYA号が延長設定され、さらには今回このKRAKATAU号が登場。たった1年でMerakがグッと近くなりました。Banten線へのテコの入れようはなんだか並々ならぬものを感じます。Jonan社長は本気でジャワ~スマトラ鉄道連絡構想を考えているのでしょうか!?しかし、わずかに乗っていた客もCilegonなどで降りてしまったようで、もしかしてMerakで降りた客は他にナシ??ジャカルタ~ムラク間にはバスがほぼ24時間頻発しており、利用は見込めるはずであり、是非ともこのダイヤのままでの運転継続を望みたいものです!或いはKALIMAYAの深夜1往復の運転を!なおMerak駅構内は翌朝のBantenEkspres,KALIMAYAが滞泊しており、3本の線路が全て埋まっておりました。

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17時間の長旅を終えたKRAKATAU。本屋裏の線路にももう1本のEkonomi客車が留置中。

★急行KRAKATAU主な駅の発車時刻のご案内★
西行き:Madiun8:40→Lempuyangan11:26→PurwoKerto15:49→Cirebon18:32→
Bekasi21:14→PasarSenen21:56→Merak1:39
東行き:Merak8:45→RangkasBitung10:10→PasarSenen12:30→Cirebon15:58
→PurwoKerto18:16→Lempuyangan21:44→Madiun0:35
運賃:Madiun~Merak 180000Rp. PasarSenen~Merak 30000Rp.

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車の姿すら見えないフェリーターミナル・・・

以前のフェリーウォッチングの記事でもお伝えしている通り、Merak駅とフェリーターミナルは至近。さらに今回、駅からの連絡通路が使えるようになっており、非常にスムーズにフェリー乗り場へ移動出来ました。ただMerak港にしても、閑散としており、車なんて普段より少ないという有様。この期間はフェリーに乗るのに数時間待ち(徒歩客除く)というのもザラではないようですが、どうした今年のレバラン!? チケットを購入し、いざJMフェリーのオフィスへ。当然お目当てはドック明けホヤホヤの、阿波丸改めTitianMurni!果たして四国民芸品コーナーは残置しているのか、非常に気になっていたところなのですが、無念にもちょうど1時間前だかに出港したばかりとのこと。残念。さすがにこれを待つわけには行かず、どうしようかと思案していたところ、ちょうどそこにRajarakataが入港とのアナウンス。このRajarakata、元東日本フェリーの八戸~苫小牧航路に入っていたフェリーはちのへで、昨年、ニューつしまと共にインドネシア入りした新参船。以前からちょっと目を付けており、まだこちらに来てから1年くらいですから、色々面白いものが見れそうですし、半個室の桟敷席(ファミリールームとかいうやつ)があれば、横になって海峡を渡れるわけで、期待できます。

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徒歩客はこれだけ??

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薄っすら残る八戸~苫小牧の文字!

四国に渡るはずが、急遽北海道に行き先変更!着岸する第三桟橋へ急ぎます。さすがにスマトラ発はそこそこ乗客があり、下船するのに時間がかかりましたが、こちらから乗る徒歩客は、こちらもわずか10人足らず。これはまた快適な旅の予感。

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ゆびつめに注意しながら船内へ

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日本時代の雰囲気そのままのエントランス 奥には喫煙室もののまま残っています

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100円玉があればロッカーも使用可能!

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こんなものまで・・・。冷水機は使えませんが、給湯器は何故か生きていました。

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フェリーはちのへの名も残存

そしていざ乗船すると、閑古鳥が鳴いている船内といい、日本そのまんま!日本時代のものがそのまま残っています!今の世の中、ここまで手を加えず、営業を開始するとは思ってもいませんでした。同じ運輸省の下なのに、鉄道とは大違いです。やはり日本語表記は信頼の証なのでしょうね。

ガラガラなので席取りする必要もなく、船内を探索開始。その後はいくらか乗客があり、車の積載もあったようで、乗客が10人足らずという事態は避けられたようです。まずはエントランスのある第三甲板から。現在乗船客が主に利用するのがこの階であり、ドライバー室が撤去され、そこに座席が設置され、事実上の三等になっています。デッキとそのまま繋がっているので冷房ない?模様。そして気になる桟敷(2等室)ですが、8000Rp.を船内で払うだけで利用可能!しかしながら、この甲板の約半分を占める1等寝台と、2等寝台は、他のフェリー同様に宗教上の理由等により封鎖されております。大型船と投入してもキャパシティーが少なくなってしまうというのは悩みどころですね。続いて第二甲板。ここは客室部分はほとんどないようですが、展望レストランはそのまま座席兼売店として継続。前述の通り、1等船室等が使えないため、混雑時にはこういう客室以外の通路に座り込んだり雑魚寝するわけですが、今日は誰も客はおらず、かなりリッチな気分でした。ポップミー以外にナシゴレンとか出してくれれば最高でした。さらにその上には展望風呂と休憩室があるようでしたが、階段部分から封鎖されており、侵入不可。まあ風呂の営業はないですよね。未だTanjungPriokのドックから出てこないクイーンダイヤモンド改めPortLink3の同じようなことになるものと思われます。

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デッキに増設された屋根とベンチ。インドネシア人はやっぱり外が好き。

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ドライバールームの撤去跡。こういうベンチで4時間はちょっと・・・。

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2等桟敷は使用可能!

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というわけで今夜のお宿♪

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小洒落た展望レストラン

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期待していた風呂は、閉鎖

だいたい一回りし、時間も遅いですから、船内徘徊はこの辺にしておいて、そろそろ就寝することとします。いやぁ、快適!

つづく