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ようやく始まった譲渡への動き・・・

昨年12月に発表されたKCJの設備投資計画。メトロからの投入が一段落し、次期譲渡車両に注目が集まり、購入希望数からも、おおよそ埼京の205に間違いないという状況でした。しかし実際の投入車両数に関しては、その後も二転三転し、果たしてあの会社が何編成インドネシア用に用意するのかは全くもって不透明なものでしたが、国内で開始された輸送劇や、当地報道を見る限り、現時点では18本の投入という公算が高そうです。もっとも本来であれば8月までにも第一陣が到着してもおかしくはなかったものが、大人の事情でここまでずれ込んでいますから、一度決まった180両という数字も予告なく減らしてくる可能性もあり、実際のところはなんとも言えません。

さて、いよいよ全貌が明らかになりつつある今年度の導入車両ですが、先日、在邦人向け某フリーペーパーに気になる記述が。
「安さが魅力」日本の中古電車180両導入。KFW1編成90億ルピアに対し、205は1編成9億ルピア(本文中では編成ではなく、両の表記でしたが、KFWの値段からしてGarbonとRangkaianを混同しているものかと・・・)、とのこと。となると205、1編成あたり約900万円ということで、メトロよりかは値が張っています(公式発表があった7000系比)が、表向きにはまぁ良心的な値段設定(但し203系はフィリピンの前例がある絡みでHibahですが)になっているようです。なおこの発表は「ジョーナン社長と進化する鉄道」出版記念会見での一コマとか;;ジョーナンやってくれじゃん(爆)

というわけで赤くなった205を・・・。

と、行きたいところですが、すみません、ここまで引っ張っておいて釣りです。ごめんなさい。当分205は到着しないでしょう。当ブログもいよいよ編成不足ネタ切れの様相を呈してきました(爆)。修正ダイヤもKCJさんがしっかりアップしてくれましたし;;

そんなわけで、205は205でもスマトラの赤い機関車CC205をアップ。いやぁ、こういうときにしかアップする機会がなさそうでしたし;;

これまで幾度か話に出てきているCC205、ジャワ島管内では一気にスターダムになりつつあるCC206(現在100両中、78両ほどが投入されたとのこと)と共に、導入が進められているスマトラ南部(スマトラ第三事業部)に集中投入されている、貨物専用大型ディーゼル機関車です。CC206より一足早い2011年から導入が始まっています。今年8月頃までに当面の予定数である50両が、インドネシア入りしているようです。

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Ujicoba Operasiのステッカーを貼り、ずらりと並ぶCC205!TanjungKarang機関区にて。

これまでネットやMajalah Kaで見ることはありましたが、実物を見てみるとやはりデカイ!元々私は釜(特にアメロコには・・・)には大して興味はなく、ふーんという感じでしたが、インドネシアでCC201等々が日本車と共に活躍しているのを見るうちに、だんだん親しみが沸いてきており、そして、今回のCC205で完全にやられましたね。これだけ大型でいて、狭軌ってのがまたツボでして;;

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四重連で試運転に備えるCC205

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長大貨物を重連で牽く様は圧巻!

最近投入されたものは機関区でまだ試験中でしたが、若番車は営業列車に続々投入されており、先代のCC202と共に活躍中!基本的にCC202,CC205の大出力釜は貨物街道であるTanjungEnim~TanjungKarang・Tarahan間の石炭貨物に投入されているようで、最大60~70両??の黒貨車を牽引しています。惜しくも撮影は出来ませんでしたが、中には3重連(運用の都合か?)になっているものもあり、しかも本数がとにかく多い!パレンバンのKertapati行きの貨物と競合するPrabumulihからTanjungEnin方面へしばらくは複線化されているようですが、それ以外はほぼ単線。旅客列車は日に数本しか存在せず、貨物のスジを縫うように走っている印象(ジャワ島と違ってほぼ定刻には走りま、せん!)ですが、交換駅のたびに旅客より長~い貨物と交換し、かつての秩父鉄道を思い出してしまいました(←全然釜が違うって;;)そのうち見たところ半数弱がCC205で運転されていました。CC205が増えた分だけ、貨物も本数が増えているのでしょうか。スマトラ島はジャワと違い本当に貨物天国ですね・・・。しかも基本的に抱き合わせの重連です。この迫力はジャワ島の小ぶりの釜とは比較になりません。

道路の整備もさほど進んでいないのですから、旅客ももう少し増やしてもらいたいところですが、担当者曰く、貨物で儲かっているので旅客を増やすという考えは一切ないとのこと。石炭だって、限りがあるし、というか高速道路ができる前に旅客取りこんでおかないと、いずれ痛い目見ますよ・・・。ジョーナンのイケイケ施策で続々増える釜(CC205も将来的にはさらに50両投入するとか!)ですが、鉱物資源が枯渇した後の使い道は?? まぁ、そんなの日本人の杞憂に過ぎないのでしょうが・・・。

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最後尾はまだ駅にすら入っていない・・・

ただ長い分だけ、撮影するのも大変で、後ろまでロクに入ったのはこの1枚くらい・・・。なおこの石炭運搬用の貨車はINKA及びカナダ製、中国製のものが混結されており、妻面の仕上げで判断出来ます。増える釜に対応すべく、貨車も大量増備されているのでしょう。ジャワと違い、貨車もピカピカで整備が行き届いておりました。ちなみにTarahan(ランプン)口で用いられてるこの貨車、鉱石運搬用ながら、ホッパ車になっておらず、どのように石炭を落とすのか気になっておりましたが、完全にTanjungKarang口専用の貨車のようで、工場内の特別な線路上で、貨車ごと約90度横転。連結器もそれに対応したものとなっており、機関車も切り離すことなく、効率よく石炭を落とす仕組みになっているようです。機関車の直後とか、大丈夫なんだろうかと思いますが。

鉱山のあるTanjungEnimからやってきた列車は旅客の終点であるTanjungKarangを通過し、海沿いのTarahan駅を目指します。その区間に俯瞰ポイントがあるののことで、地元の鉄が案内してくれました。待つこと10分程度でさっそくTanjungEnim行きの返空がやってきて、ここで交換待ち。残念ながら、下の画像の通り、交換有効長目いっぱいというわけではなかったのですが、見ごたえは十分でした。

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信号所での交換風景を俯瞰。返空はCC202,Tarahan行きがCC205。

ちなみにこの展望台から、角度を変えると、こんな光景が。CC205の陸揚げはこちらで行われているそうです。港への引込み線も残っておりました。またかつてはKAIのジャワ~スマトラ連絡船(車両航送はなし)が、このあたりまで来ていたらしいのですが??

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ローロー船が停泊してますね

せっかくここまで来ましたので、Tarahan駅を目指します。するとこんな光景が・・・。

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山が背後に迫るTarahan(貨物)駅。さっそく次の返空CC205が発車。

Tarahan駅にはDipoも併設されており、小規模ながら機関車のメンテナンスも行っているほか(画像左奥の青い屋根の下)、この先の謎工場(ここで石炭を吐き出し)へ引き込む石炭列車が数本待機しており、まるで影森駅にやってきたかのような錯覚(笑)

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この先はループ線?

そして進みにつれてウナギの寝床のようになっていた長~いTarahan駅を過ぎると、例の工場への引込み線が出現。話によると、この先ループ線になっているそう。山の中へ消えて行く線路が非常に怪しくて、いい感じ。是非とも中に潜入してみたいものですが、KAIの管轄外のため、なかなか許可を得るのは厳しそうですね。いつだかのMajalahKaにはちょっぴり画像が上がっているらしいのですが。

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そろそろ撤収か、と思っていた矢先、列車が出現。

しかし、しばし待っていると、右の線路から返空が推進運転でやってきました。あれ、ループ線じゃなかったの??帰宅してから、ネットで航空写真を見たのですが、あまりに田舎過ぎて、写真ないのですね・・・。グーグルさん、空撮して下さい。

またTarahan駅からは、もう1本専用線が延びて(やっぱり影森じゃねぇか!)いて、こちらはPT.PALという製紙会社の中へ繋がっています。運がよければPT.PAL所有の緑色のCC204が拝めるとのことでしたが、出払っており、姿はありませんでした。

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PT.PALへの引込み線。パルプ輸送のほかに材木も輸送している模様。

さて、今回、初めてスマトラに渡り、パレンバンからBalaiyasaのあるRahatを訪問し、その後ランプンに南下してきたわけですが、時間の都合、TanjungEnim側の鉱山まで手が回りませんでした。先日、落花生。様が掲載されておりましたが、こちらの鉱山電車とかも非常に気になります!まだまだ奥が深そうなスマトラの鉄道、時間があったらまた訪れてみたいものです。メダンの空港線とかも近いうちに行かないとね(スマトラの線路は北部・中部・南部で全て寸断されております)。

では最後にその他、スマトラで活躍中の釜を。

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今や現存僅かなBB202。復刻塗装機の1両がBalaiyasaLahatで入替機として活躍中。

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形はCC201そっくりですが、4軸駆動のBB203。しかし爆煙・爆音は変わらず。主に旅客用で活躍中。

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CC205登場前の主力機CC202。貴重になった旧ロゴ車両♪なおCC202・CC205は出力に余裕があるためか、爆煙もなく、音も静か。

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御馴染みのCC201やCC204はパレンバン口の貨物列車で主に活躍中。ジャワからの転属組みの白+青帯車もこちらで確認出来ました。貨車も形状が違い、古さを感じさせます。


おまけ

Jonan
「ジョーナン社長と進化する鉄道」 撮影Gambir駅

確かにここ数年、怒涛の勢いで新型機関車を投入しているあたり、まさにジョーナンの豪腕さが発揮されているといえるのかもしれませんが、それらハード面に比べ、ソフト面が、相変わらず斜め上を行く施策ばかりで、改悪される一方・・・。しかしJR倒壊もビックリのこんな自伝的なものを著してしまうあたり、かなりの自信家と見え、もうジョーナンの暴走ぶりを止めることは出来なそうですね・・・。205系の導入にも一枚噛んでいるのでしょうし、いっそのこと、出元の会社がまたゴネるようなことがあったら、構内キオスクを破壊するあの勢いで、一発噛み付いてもらいたいものだなぁ、と考える今日この頃です。




コメント

コメント一覧

    • 丸太
    • 2013年10月30日 03:23
    • こんばんは。
      長編成の貨物列車、壮観ですね。しかし、仮に寸断されていなかったとしても、主な需要が島外にある以上、鉱山から港へのフィーダー輸送にしかなり得ず、ネットワークの発展には限界がありそうです。
      スンダ海峡大橋、Bakauheni=Panjang線といった構想もあるようですが、何かの間違いでジャワ島の鉄道と接続するようなことがあれば、スマトラの鉄道は飛躍的に重要性を増すことになるでしょう。Banten線を走るPalembang行きArgoなんて見てみたいですね。
    • パクアン急行
    • 2013年10月30日 11:31
    • <丸太様
      おはようございます。スマトラの鉄道は3地方ともが繋がっていない状態(繋げたとしても時間がかかりすぎて意味がないでしょう)で、今後も繋がることはないでしょう。ただ、道路の状況も悪く、お盆には大渋滞。対して鉄道(第三事業部の場合)は、一番の稼ぎどころと思われるランプン~パレンバン間の都市圏輸送ですら、昼行1往復(Ekonomi)、夜行1往復(Argo/Busines併結)があるのみで、いつも満席。あまりにも旅客に手を抜いているのが実情です。
      スンダ海峡大橋はまもなく建設が開始(日本の援助で??)されるでしょう。しかしこれが出来ると、スンダ海峡のフェリー会社は壊滅。この橋の建設には大反対ですが、絶対にありえないですが、ジャカルタ~パレンバンが鉄道で繋がれば、所要時間は差し置き、需要はあるのは事実です。ですから、前に書きましたとおり、今のKAI社長はフェリー航送をやるとか、発言をしているのです。
    • 落花生。
    • 2013年10月30日 11:47
    • パクアン急行さま、
      JCN(?)スマトラ上陸おめでとうございます。久々の地方ネタ、楽しみにしておりました。
      またジャワから中古のCC204が大量に南スマトラに送られるようですし、石炭貨物輸送は急増しているのですね。今後はCC204や201の背中合わせ重連も見られるのでしょうか。
      セキ車も何種類かあるなあ、と思って見ていましたが、牽引機毎に使用貨車を分けているのでしょうかね。貨車ごと回転させて石炭を降ろす場面、見てみたいです。
      ところで、中古電車の価格、どうも金額が腑に落ちないです。数年前の導入車の話ですが、1「両」あたり1~2,000万円だった記憶が。10両1「編成」で9億ルピア(=900万円)というのは、安過ぎる印象。これでは中古の乗用車並みの値段ではないかと…
    • パクアン急行
    • 2013年10月31日 00:54
    • <落花生。様
      こんばんは。なかなか地方まで手が回らず、すみません。PGネタも、結局上げられずじまいです・・・。時間があれば、おいおい上げてゆこうと思います。
      大量に渡るCC204が果たしてどのように使われるのか大いに疑問(これ以上貨物を増やすの??)ですが、これらジャワから転属した釜の重連も恒常的に見れるようになるのではないでしょうか。雑感ですが、CC202,CC205の大出力釜はランプン口、CC201,CC204等はパレンバン口(こちらのほうが貨物が短い)で使われているようで、貨車もそれに応じて使い分けているようです。パレンバン行きの貨車(ときおりジャワでも見かけます)は裾部に開口部があるふつうのタイプです。
      さて、中古車両の価格ですが、2010年頃のメトロの車両は10両で750万円と公式資料が上がっており、それを信じて疑わなかったのですが、もしかしたら私の勘違いかもしれません・・・。もっともそれ以前の車両の価格はさらに高かったとは聞いておりますが・・・。
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