今宵もCikaumへ旅立つ
12月17日終電後(厳密には上り終電後)、先日部品取りのためDepok電車区へ回送されていた6112FがCikaumに廃車回送されました。JALITAに続く編成丸ごと廃車です。このところ3日に1度の超ハイペースで進むCikaum配給には、胸が痛みます・・・。正直、KCJとの縁を切ってしまおうかと、思ったりもしますが、未練たらたらです;;懲りずに今夜も出撃です。なお、10月9日に6712,6812が既にCikaumに廃回されているため、これにて6112Fは全車が廃車になりました。
幸薄のランナーとして、圧倒的な存在感を放っているのは8613FJALITAに違いはありませんが、その影でJALITAを凌ぐ僅か半年で運用離脱しているのが、この6112Fです。もっとも、たった数週間で離脱している6113Fも存在するわけですが、その話は廃回されてからということで。
6112Fは2011年11月にメトロ6000系第二陣として、6106Fと共にジャカルタ入り。若洲木材埠頭の出港は10月29日。しばらくBalaiyasaManggaraiに留置された後、同12月21日にDepokへ配給。しかし改造後の試運転が遅々として始まらず、結局最初の試運転は翌3月15日。さらに、運輸省許可に時間を要し、ようやく5月24日、6106Fと共に運用開始へ至りました。一連のメトロ車の不具合は、長期に渡る埠頭及び電車区留置も要因の一つにあるのではないか(埼京編成よりも迅速に運用開始が進んでいる横浜編成の故障件数は明らかに少ないですし)と思いますが、6112Fは運用開始後わずか半年足らずで、2012年11月下旬頃にSIV不調で運用落ち。その後二度と運用に復帰することはありませんでした。なお、同時にジャカルタ入りしている6106FもSIV不調から一時離脱していますが、JR車のMGを搭載し、Ekonomi廃止後の運用増に備えて、2013年7月に運用復帰しているのは既報の通りです。早い段階で、補助電源が手配出来ていれば・・・と思うと、本当にやるせない気持ちになります。Depokでの長期留置後、BalaiyasaManggaraiに移動し、運用復帰に向けたなんらかの調査は行われたようですが、本社がGoサインを出さなかったのでしょう。
Manggaraiに入線する6112F
Depok電車区でヘッドライト類も部品取りにされており、哀れな姿に・・・
今夜は釜出し
中間運転台(6512,6612)に挟まれる形で緩急車が連結されていました
6012
恒例のDjokoTingkir流し
1,2年先を見通せない人たちに飴をやり過ぎた結果と言えば結果でしょう。もっとも今後車両が足りなくなろうが、なんだろうが我々日本人の知ったことではなく、あとは勝手にしろ!と突き放してしまえばそれで済む話なのですが、あれやこれやと憂慮してしまうのが鉄道ファンの性・・・。
ただ、少なくとも言えるのは、ブームに任せて、綺麗ごとを並べた提灯記事が言うような現実ではないということです。正直、現状ジャカルタの鉄道ビジネスに商機はなし。親日のお面を被っているだけで、実際何を考えているかなんてわからないこの国の人。中古車が安く手に入るものだから、日本に媚売っているものの、実際手に入らなくなれば、破格の中国製の新車を入れるまでのこと。“情けは人のためならず”、そんな常識は通用しないのです。繰り返しになりますが、タダ同然で車両を売って、支援してやっているから、受け入れられているだけの話。奢るものは施しを与えよ、イスラム原理主義によって回っている国ということを忘れてはいけないのです。この一連の動きを見ているとつくづく思います。
ハコモノを作るだけなら、ODAといわれるような慈善活動で十分で、例えば渋滞解消の検証やシステム作りだって、それに類するでしょうし、鉄道複々線化も同じくなわけですが、KCJへ今求められているものは、そういう支援とは別次元の話(このあたりが、長らくごちゃ混ぜに進められてきたところにも大きな問題があるのです)。鉄道経営の刷新にはKCJの悪しき文化・慣習を破壊するくらいの心意気がなければ、根本的解決には至らないでしょう。そして、そこには民間の力が必要です。が、ビジネスのお相手としては非常にお付き合いしづらいのが、またKCJ・・・。
アタマが痛いですね、ホント。
既出と思いますが、在りし日の6112F。これが結局最後の1枚でした。
2012/11/4
さよなら6112F
コメント
コメント一覧
南武線の205系6両編成を20本輸入する様ですし、東武20000系や日比谷線03系も置き換えられますからね。
維持管理に手間の掛かる電車を頑張って維持管理するよりは、維持管理が楽になる様に同じ形式の中古車を大量に買って走らせた方が楽ですからね。
問題は東武20000系や日比谷線03系を確保出来るかですね。
メトロ6000系は205系投入前までは最大勢力でありながら、製造年次により個体差が非常にある編成であり、維持管理に手を焼いている状況を見ると、メトロ6000の購入は大きな間違いだったといわざるを得ません。まだ経年の浅い05系は大きな問題なく動いていますが、数年もしたらボロが出てくるのは間違いありません。18mの点に目をつぶり、03を購入すれば05との部品共通化は出来るでしょうが、現在の状況を見るに、今後メトロ車の購入はないような気がします。そもそも18mの点でKCJが蹴るのでは、と思います。クレクレする割には高慢ですからね。
お疲れ様です。そうですね、Cikaumからの返却は、だいたい翌日のお昼頃にManggaraiに戻ってきます。
03系や東武20000系のような18m車が不向きな以上、将来はVVVF車である武蔵野205を泣く泣く受け入れるぐらいしかなさそうですね。整備には相当手間かかるでしょうが。
上層部は制御方式の違いや、メンテナンスの難易など何も考えていません。本社にいるKCJの連中は日々胡坐をかいている素人です。現場で技術力を磨いたプロは本社には上がれず、KAIの支社に飛ばされてしまいます。昔から続く、人事システムです。これではいつまでたっても良くなるわけがありませんよ。
そうですね、おそらくそういう流れになるでしょう。今のところはJRにべったりですし。かといって、KCJ側からは何のアクションも起こさないわけですが・・・。
千代田線は何故16000系に全面的に置き換えなかったか??という感想をもつ私としては今回の6112Fの処遇に203系中古車廃車ほどのサプライズは感じません。
JRの主要路線がE233化する一方で今なお千代田線に6000系を残しているほうが中途半端であり奇異に感じています(^_^;)
今回の件は埼京205系導入をきっかけにしたJR東との覚書があり205系が大量導入され加えてJRの技術指導が入った影響もあるように見受けられますがいかがでしょうか?
JR東との関係が続き同社の中古車供給が続くなら…本記事のような光景は今回限りではないと思います。
こんばんは。メトロはまずはチョッパ車からということで、当該編成から置き換えを開始し、今は一段落していますが、まもなく次のアナウンスがあるでしょう。同じチョッパの8000を徹底的にリニューアルVVVF化している傍ら、6000の修繕はその場凌ぎ感が見え見えです。もしこれがJRだったら、当然一斉置き換えだったのでしょうけど。
6112Fの場合、本当にSIVのみの故障であり、Depok留置時代に構内自走はしばしば目撃されており、末期まで部品取りも行われずに、保管してありましたので、サプライズ云々より、とにかくもったいないなぁということです。今の流れを見れば、Cikaumに送られるのは明白です。同様の故障で、6106F,6107Fは203,103のMGを流用して復帰していますから、あと半年待てば南武のMGがやってくるのに、無思考にも程があるのです。ですので、東急車、都営車も含めて今後も廃車回送はずっと続きます。
JRとの覚書ですが、あくまでも覚書です。何の効力もありません。JRがヤメた!と言えばそこまででしょうし、そもそもKCJから何のアクションもかけない。助けてくれと言えば済むものの、自分で何とか出来ると思い込んでいるのがインドネシア人です。JRからの譲渡だけでは2019年までの稼働2000両には到底及びません。ですから、現保有している車両を1両たりとも無駄にしてはならないはずなのです。別にそんな目標を立てていないなら、我々部外者がいちいち口を挟む必要はありません。
で、目前になって、どうにもこうにもならなくなり、日本に泣き付いてくる。目に見えています。しかし、そんな直前に言われても日本は対応できない。で、KCJは文句を言ってくる。最悪のシナリオです。しかし、そのシナリオを既に進み始めているのです。