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ようやく第一編成ゲットです♪

試乗会レポートが②の先に進んでいないのですが・・・、既報の通り、一般試乗会期間中の3月19日、ジョコウィ大統領を筆頭とする政府関係者一行がMRTJに試乗しています。試乗会期間中に大統領が乗るらしいという噂は聞いてはいたのですが、まさかこんな早いタイミングで乗るとは思いませんでした。大統領スケジュールの関係か、それとも少しでも早くアピールしたいという選挙対策か。

しかし、これにはもっと深い意味があり、裏を返せば3月中にMRTは開業出来ないということなのです。というのも、既に一般人が乗車可能な半営業状態時の大統領の乗車=大統領による安全宣言≒正式開業という解釈が当地では成り立つからです。丸々1年前の空港線開業時も全く同じ手はずを踏んでおり、12月26日のプレ開業(乗客を実験台にした試験営業)からの1月2日の大統領乗車、そして同日の開業式典という流れでした。つまり、大統領にとってMRTJは3月19日に開業したという認識になるのです。ですから、MRTの3月開業というのは半分正解。試乗会自体、半ばソフトオープン中の無料開放と化しているわけですし。

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試乗会に出せない6本は車庫でお昼寝中
メーカー試験は終電後にでもやっているのでしょうか

しかし、逆に本当の意味での開業、となったとき、3月開業は絶望的です。だいたい、前の更新でもお伝えしている通り、16本中6本はメーカー試験中でMRTJに引き渡されていないわけで・・・。駅の設備も全く調整が済んでおらず、自動券売機も改札機も使えない状況。駅窓口、事務室なんて、何の機材も搬入されておらず、がらんどう。そもそも、運賃が未だに決まっていない(政府補助金を何%入れるのかが最大の争点でしょう)のだから、システム調整もクソもないわけです。仮に3月31日までに(暫定)開業させたとしても、改札機は開けっぱなしで、開業記念無料開放(庶民の味方的アピールも出来て一石二鳥♪)するしかもはや道はなかったのです。

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パソコンだけ設置されている駅窓口
しかし、梱包に包まれたまま

ですから、試乗会期間中に大統領が乗るらしいという話を聞いたときには、それってもう本心では3月開業諦めたってこと、3月25日以降に真面目に試運転開始して、開業は5月以降でしょ、と馬鹿話で盛り上がっておりました。そんな中・・・

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昨日のじゃか新朝刊

4月1日開業?そんなわけで、3月開業は間に合いませんでした。

しかし、よくもまぁ、こんな状況を目の当たりにしておきながら、あの狸オヤジ、ブディカルヤは抜け抜けとガセ情流すよなと言いたいところ(ちなみに、このクソ狸は1ヵ月前に空港鉄道を3月までにManggaraiでの旅客営業を開始すると豪語していました)。流石のじゃか新も、4月1日開業!!なんて見出しを付けずに、来月から営業運転なんて微妙な見出しを付けていますが、24日の完工式はまずアウト。せめて日系メディアならば、暫定営業予定とか、ソフトオープン予定とかそれくらいの知恵を絞ってもらいたいところです。これまでも、さんざんガセ情鵜呑みにして痛い目に合っているはずなのに、何なんでしょうね。

Jokowi
あまりにも酷い画像なので、Detik.comからスクショしてしまいました;;
天にも昇る気持ちとは、まさにこのことでしょう

ちなみに、ジョコウィはこの試乗時に、今後200㎞の都市鉄道網を整備するだの、今後10年で云百超ルピアをTOD開発に投じる等々答えていますが、今後も日本にお願いするなど一言も出ていないどころか、MRT建設協力に対する感謝の言葉もないようです。それが現実。ジョコウィにとって政治的旨味があるから進めたに過ぎないプロジェクト、既に3月19日付けでそのアピールは終了、24日の自称完工式で、集大成を迎えるわけですから、もう4月1日に営業開始する必要性もなくなりました。

今後、多くのメディアが「日本の技術が渋滞を救う」だの、「日本の全面支援で」だの、「ジャカルタ市民のために」だのたいそうなネーミングを付けてこぞって記事を出すのでしょう(というか既に出ていますね)。しかし、こういう高度成長期的発送で頭の中が止まっている人たちが山のようにいて、それをまた信じてしまう人がまた五万といるからこそ、いつまでたっても日本が世界で勝てない根本原因があることに気づいているのか。旗振り役のJ〇CAの天下り役人自体がそういう脳ミソでいるんですから、無理もありません。

このMRTが日本の技術とシステムで作られていることがわかっているジャカルタ市民など、微々たるものです。自国の技術、はたまた中国が作ってると思っているのが凡そのところでしょう。仮に日本のアピールをしたいのならば、19日に大統領が乗ったとき、大使とは言わずとも公使なりなんなり大使館関係者、JICA関係者が同乗するべきではなかったのかと思いますが、24日の完工式とやらでの登板を期待しましょう。黙っていても日本の存在感は認知されるなんてのは時代錯誤も良いところで、わかってくれるのは一部のヲタだけです。ドアチャイムが日本と同じとか、正直どうでもいい。

言ってしまえば、円借款など体のいい金貸しで、国際貢献でも何でもない単なるビジネス。しかし、そう見えて、本邦にとっても、受注業者には無駄な競争をさせて、黒か赤が限界のところまで値引きさせる。で、結局赤になる、中途半端なシステムです。しかも、それを実際には完成していない状態で、完工式を執り行わなければならないとは、いくら政府間案件とは言え、もはや日本のプライドもへったくれもありません。こんなシステム、もうやめた方がいいですよ。誰が得をするのか、わかったもんじゃない。

少々話が脱線しましたが、私は、4月1日に営業列車は走らないに一票。仮に走ったとしても、営業と呼ぶには程遠い、あくまでも試乗会の延長線に違いありません。果たして結果は?そして、それでもなお、「オールジャパンの総力を上げて成し得た一大プロジェクト、ここに完成」などと書き立てる、気の早い日の丸メディアが出てくるのかも、注目です。

鉄道コム

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