行ったり来たりして恐縮ですが、奥の改造線を。6125Fは落雷事故以来この位置から全く動きませんが、6106Fは何かと動きがあります。前回、編成半分が全検の倉に突っ込まれていましたから、武蔵野の試運転が一段落すれば、運用復帰も期待できるかもしれません。6106Fはいわく付きで、車両故障がありながら、8両全てを車輪交換してしまっていますので、何が何でも復旧させなければ、現場長の顔(ジャイアン前任者の置き土産でしょうか?)が立たないと言う事情があります。現地ヲタ曰く、6106Fの車輪を5817Fに振り替えるのではとかいう話でしたが、一旦装着したものをわざわざ全て取り外すなんてことは考えづらく、実際5817Fは2両を交換したのみ(とはいえ、この2両分の車輪は5359,5127に一旦組み込んだものを再度外した模様・・・)。どうも、このチグハグな状況を生み出している要因には、技術屋と運用屋の対立が関わっているようです。技術屋としては、205-5000がこれだけ入ってきているのだから、6000チョッパ車は故障編成から順次廃車。特に6106Fは検査後そこそこ走行距離もあるので、廃車するには申し分ない。一方、運用屋としては1本でも多く予備編成を確保しておきたい。メトロ車の長編成化も諦めていないという状況。で、そこに現れたのがジャイアンです。ジャイアンは技術屋のトップですから、これまでまあ技術と運用で協調路線を取ってきたのですが、一変対立に転じたのです。力関係で行けば、明らかにジャイアンの方が強いはずですが、どうも一筋縄には行かない社内政治の事情があるようで、このところの車両の動きが迷走しているのです。

マト66が突如10連化されたのも、無いものねだりしてないで頭を使え！とジャイアンの一喝によるものとみて間違いないでしょう。現場を動かす力は抜群のジャイアンですが、お守りが大変な車両は早期廃車すべきというのが持論(2015年に東急車全廃発言をした張本人、その後のKAIで戻りでその計画は消えましたが)ですので、メトロチョッパは早々に廃車したいはず。ですが、このような複雑な事情もはらみ、現状では今後果たしてメトロチョッパ車がどうなるかは、なんとも明言しがたい状況です。運用屋としては、6106F、6125Fの早期復旧を求めていますが、折衷案として6125Fを部品取りとして、6106Fを復帰させるというのもあり得るのかもしれません。また、いっこうに動きの見えない8607F・8608Fの復旧も、まさにこの渦中にあると思われ、ジャイアンは東急を先に潰すべきか、メトロを潰すべきか、考えあぐねているのかもしれません。これでは、東急車の追加譲渡の可能性など語るにも足りないのです。