Dsc_0417_r_2            インドネシア初の国産冷房電車KRLIもついに帰らぬ旅へ

12月6日深夜、長らくBalaiyasaManggarai内で留置の続いていたKRLI第二編成(Ts2)及び第一編成(Ts1)が、廃車のためCikaumへ回送されました。KRLIは2001年に国営車両工場INKAで製の純国産車ですが、電装品は東芝製の他、ところどころに日本の血が感じられる車両でした。運用開始は2003年3月(Ts2:3/16, Ts1:2/17)。しかしながら、スペアパーツ問題に始まり(INKAは作ったら作りっぱなしで、その後の面倒を見る気あるのか?)、さらに根本的問題として、HITACHIやKFWのように2本併結の総括制御が出来ないというのが仇となり、本線系統での急行運用等はほとんどなく(デビュー当初はPakuan急行等に充当されていたようですが)、晩年は環状線EkonomiAC"Ciliwung"、そして2011年12月ダイヤ改正以降は専らManggarai~Duri、JakartaKota~KampungBandanフィーダーにて細々と活躍を続けていました。まあその甲斐もあり、メンテナンスしていない割には、約10年も走行出来たわけなのですが、最後の1本であったTs2も2013年6月上旬に、改修が完了したKFW Ts8に置き換えられる形で、運用離脱しています。書類上、両編成とも2013年に全検を受けている(Ts2:12月、Ts1:10月)のですが、果たしてどこまで検査されたのかは不明、かつTs1の近年の運用実績は謎に包まれたまま。おそらく全く運用に就いていません。

完全に政府の自己満足のために製造され、結局満足のゆく活躍を果たせなかった悲運の車両に終わったKRLI。現場でも、この車両の扱いには相当困惑していたと見え、そのままBalaiyasaManggarai内で朽ち果てるのを待つしかないのではとも思えましたが、今回の所属会社いに関わらず、一切合財Cikaumにて廃車の方針転換に待っていましたとばかりに、ついにBalaiyasaの門を出るときが来てしまいました。

Dsc_0349_r                ゆっくりと出場線から姿を現したKRLI

今回、この前の初回103系のときと作業手順が変わっており、牽引釜は7番線に据え付けたままで、編成組成は7番線にて実施されるようです。ネット画像を見る限りでは、前回のRheostaticのときもそうだったようですけど。まあなにも暗闇の中で作業するよりも、多少人の目に付いたとしても、こっちでやった方が効率的でしょう。そういうことなので、姿を現したKRLIは試運転上での停止もなく、すぐに入れ替えを実施し、DjokoTingkirによる推進運転で、早速7番線に姿を現しました。103のときも、こうならよかったのになぁ!!
Dsc_0362_r             Ts2を先頭に新車の輝きを保ち入線してくるKRLI

しかし、これまでの廃車回送編成と異なり、この異様な輝きはなんだ・・・。ステンレス車ってのもありますが、それにしても綺麗すぎますよね。それだけ普段から運用距離が短かったということなんですけど、まるで新車の配給のようです。たとえ、間に緩急車を挟んでいると言えども、こうしてTs2とTs1が8連を組んでいるというのも、突発的な車両故障等の非常事態を除いては、やはり新車の配給以来なのではないでしょうか。それにしても、モッタイナイナ-(棒読み)。
Dsc_0374_r         7番線上での組成となったため、営業時間帯の入線となりました
Dsc_0379_r       みんな中の人ですが、それにしてもすごいギャラリーの数ですね・・・

どうでもいいですが、103のときより、停止位置もいいですよね・・・。あまり、こういうのを人目に触れるところに置いておきたくないのか、釜との連結完了後、ほどなくして発車、今日は定刻通りでした。一応、終電後の時間帯なのですが、定期列車も遅れているので、今日は発車を見送ってから、終電で帰宅できました(笑)
Dsc_0401_r              編成間の緩急車は元Rangkas鈍行用のB0 54 0
Dsc_0441_r                       引き通しの関係上なのか、いつもの荷物車も後部に連結
Dsc_0445_r                   毎度ながらですが、DjokoTingkir

KFWの廃車回送はいつになるのかな。


★今回廃車されたのは以下の8両★
Ts2:KRLI-01B0101(K1 1 03 05),KRLI-01B0202(K1 1 03 06),KRLI-01B0203(K1 1 03 07) KRLI-01B0204(K1 1 03 08)+Ts1:KRLI-01B0108(K1 1 03 04),KRLI-01B0207(K1 1 03 03),KRLI-01B0206(K1 1 03 02),KRLI-01B0105(K1 1 03 01)

※Ts2とTs1の向きが反転していますが、廃車回送時の編成順序で表記しております。

コメント

コメント一覧

    • おっとっと
    • 2016年12月07日 20:56
    • こんばんは、最近激化したチカウム送りレポート、大変な重労働かと思いますが本当にお疲れ様です!!
      都営6000や103系は、さすがに余りにも使い古されて「残念……でも天寿を全うしているので仕方がない」という気分にもなりますが、KRL-1、まだこんなにピカピカなのに……。
      この電車、何故か環状線を時計回りにしか走らない「チリウン」や、カンプンバンダン・フィーダとか、折角金をかけて作ったのに誰も乗らないような列車でしか走っておらず、本当に薄幸だったと思います。悲しいですね……。
      そして個人的には、KAIオリジナル車はドアのあたりに
      「JAGALAH KEBERSIHAN」
      「BERBAHAYA...!」
      という表示が独特のフォントで書かれているのが好きですので (笑)、そんな車両がまた一つ減ったのを寂しく思うものです。
    • パクアン急行
    • 2016年12月09日 02:24
    • <おっとっと様
      コメントありがとうございます。いやいや、もう正直バテバテですよ・・・。しかも6131Fの陸揚げから、再びの廃回ラッシュでして・・・。このまま年末を迎えるのかと思うと・・・。まさに師走の忙しさです!!2年前もこの時期に集中的に廃回していましたけどね。
      さてKRLI、やはり早期離脱の原因は8連が組めないところにあると思うんですけどねぇ。同じVVVF車でもHITACHI、Holecと総括制御が出来たわけで、どうしてKRLIだけそれを考慮しなかったのでしょう。4連で事足りるなんてのは、あまりにも予測が甘すぎます。ちなみに反時計回りチリウンてのも確かに存在はしていたのですが、乗車率が低すぎてすぐに廃止になったと、JABOTABEK RAIL NEWS様で拝見した記憶があります。それ以来、KRLIは常時1本稼働になってしまったのだと思います。
      KFWと共に細々と活躍が続くのではと思っていただけに、とにかくも残念です。それにしても、よくもまあ運輸省が廃車のOKサインを出したなぁと。
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