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インドネシアに初上陸した、通称メルヘン

8月3日新潟西港を出港していた貨物船が16日ジャカルタ、Tanjung Priok港に着岸、翌17日から18日深夜にかけて40両の陸揚げ、オンレール作業が実施されました。今回輸送されたのはM64,M51,M27,M35,M14編成の5本。ご承知の通り、待望の(?)メルヘン顔を含む編成が上陸したわけで、最近205系の着岸にはトーンダウン気味だった現地ファンも一気に過熱し、インドネシアは独立記念日連休、さらに日本はお盆ということで、タンジュンプリオク周辺は一時騒然としました。ついにインドネシア、ここまで来たか・・・という感じです。例の通り、丸2日間ロクに寝ていないため、まずは速報版ですが、長い・・・です。しかし、重要なお話ですので、最後までお読みいただきますよう、お願いいたします。

とにかくもSNSの発達、スマホ向け各種アプリケーションの発達で、誰もがどこへでも行け、そして船の航路もリアルタイムで追跡できる時代。5年前、10年前とは隔世の感です。さらに日本人と友達になりたい現地インドネシア鉄とネット上で仲良くなれば、リアルタイムで情報が手に入り、実際インドネシア人に連れられた日本人の姿をこのお盆期間中多数見かけました。タンジュンプリオクでもまた然り、今回の205系第5陣着岸をお出迎えした日本人はざっと10名、そしてインドネシア人30名強という、おそらく中古車両導入開始して以来の大激パです。

8月入ってから、「ジャカルタ」「鉄道」「撮影」という検索ワード需要が高いようで、E103系さんが書いた【世紀末】ジャカルタで撮り鉄が出来なくなる日の投稿をきっかけに、普段は全く見向きもされない当ブログが爆発的アクセスを記録・・・。さらに追い打ちをかけるようにジャカルタ大停電が発生、これがアクセス連鎖爆発というものなのか!と、収益ブロガーさんたちは普段からこういうネタ需要を予測して運営しているんだなぁと、なるほど納得してしまいました・・・。この時点で、今年のお盆連休はとんでもない数のジャカルタ鉄が流入するのではないかと察しがつきましたが、やはり的中でした。お盆に重なる可能性があるとなれば、そりゃ一攫プリオク着岸に賭けたくなりますよね。エアアジアさん、航路休止しなければよかったのにねぇ。

ライブドアⅠ
金輪際あり得ないと思うので記念にあげておきます
海外鉄ブログが1位になってしまっていいのか?

tetudoucom
「武蔵野線」「205系」というワード需要も高いようです

そんなわけで、ますます注目を集めているジャカルタの鉄道。さらに、これをきっかけに海外へ進出する鉄が増えることは国内の撮影地混雑解消のみならず、圧倒的に不足する現業職員の国際人材育成に繋がる(と勝手に信じている)わけで、それはそれで良いことなのですが、ここからが本題です。ちょっとした注意喚起になります。

当ブログを長らくご覧の方ならご承知の通りと思いますが、このように門戸が年々広がるジャカルタにおける鉄道趣味ですが、反比例するかのごとく撮影環境は制限されています。特に、タンジュンプリオク周辺での撮影に関しては、堂々と一眼レフをかざして撮れる状況ではないことを改めてお知らせしておきます。

・まず港湾内での撮影に関して

タンジュンプリオク港内は旅客ターミナルもある都合で、出入りは自由。保税エリアを除いて公道扱い、そして何故か貨物埠頭であっても基本的に出入り自由、可能な範囲で撮影を行ってきました。しかしながら、MRTJの第一陣着岸の一般公開時に、映ってはならない多数のモノがカメラに収められてしまったことをきっかけに、とある現地港湾輸送業者が撮影に関して非常に神経をとがらせるようになりました。港湾作業エリアはともかく、公道上の陸送についても、撮影者に対して画像を消去するように執拗に求めるようになり、今年に入ってからは、自称陸軍を名乗る港湾ヤクザ(プレマン)を雇い、見回りを強化しています。特に今回から、陸送車両の前後に2名の港湾ヤクザを陸送の先導及び後方警戒として配置しており、事実上撮影は不可能となりました。従来、水切り終了後、順次Pasosoへ発送していましたが、このパトロール強化のため、必ず2両ないし、3両まとめての陸送に手順が変更されました。ここまで徹底しているのには驚きです。ちなみに、先日ジャワからスマトラ転属の客車の陸送を撮影したインドネシア人鉄数名が拿捕されるという事象も発生しており、今回陸送を撮影している人間はほとんどいませんでした(それでも果敢に挑戦している人も見られましたが;;)。とにかく、タチが悪いのは、お上にも勝る自警プレマンであること。手出しすることも辞さないため、この業者が実施する陸送に関して、撮影を控えたほうが良いでしょう。もちろん、業者のいい加減な作業で、こちらが被害を被るというのには納得できない部分が多々ありますが、向こうは鉄ヲタ、報道陣の排除に本気で乗り出していますので、やむを得ないでしょう。

・次にパソソ駅での撮影について

オンレール場所のPasoso駅についても、出入りは自由で、かつてインドネシア人鉄たちは車両到着のたびに多数詰めかけていましたが、最近は現場の担当者判断で撮れたり、撮れなかったりするようになっていました。もちろん、ヤード側は港湾会社領分のため先述の迷彩服ヤクザがいますから、最近はレール側から撮るのがメインになっており、今回もレール側で撮っていたところ、KAIの本社広報官がおり、許可証の提示を求められました。許可証は一般個人に対しての発給を停止していますので、そもそも提示など出来るわけなく、KCI現場スタッフのよしみでいつも撮っていますけど?とダメもとで言ってみましたが、今後はそのような例外は認めない、全ての権限は広報部が掌握していると言う俺様対応(KCIにもこんな奴いたよなぁ)。画像が欲しけりゃ広報部が提供してやるとのことですが、申請したところで、あんたは一切返信しないじゃん・・・。しかも、撮影しなければ、別にその場から出て行けとも言わないというガッチガチの縦割り公務員気質で。しかし、その後現場のセキリュティやPasoso駅長を集め、説教をしていたため、今後はPasosoでも撮影が出来なくなる可能性大。KCIの権限のところにKAIが口出しをしてくるあたり、昨今の非常に危ういKAIとKCIの力関係を現しているようにも見えます。どうも、国営企業省の犬とかしている現在のKAIはKCIが中古車を購入していることを認めなくないようで、それが撮られて拡散されるということに一番神経を尖らせているとも言われています。ですので、パソソのカットはトップ画像の1枚のみ。これがパソソでの最後のカットになるでしょう。

・3つ目、タンジュンプリオク駅構内

KCIの本社見解として駅での撮影は自由にできるはずなのですが、各駅に陸軍、海軍が配置されて以来、どうも対応が各駅で異なるここ数年来の撮影環境。しかし、その中でも特にTanjung Priok駅での撮影が非常に難しいのは有名な話です。ただ、なんと言っても広い構内。こそっと撮ればいくらでも撮影でき、稀に交渉次第で撮ってもOKという年配軍人もおり、一概にも言えないわけではあったのですが。しかし、今回驚いたのは軍人の数が増強されていること。

一つ考えられるのは、独立記念日を含む週末であったため、ジャカルタ全域で警戒が強化されており、特にモナスをはじめとする国家的施設は軍隊や警察軍を多数投入していました。いつも、改札のところにはセキリュティとKCIのお姉ちゃんが立っているだけなのですが、陸軍も配置されており、数名の現地ヲタグループがスマホで撮影を試みたところ、全員退去処分となりました。スマホすら使わせてくれないとは手厳しいですね。一眼レフは×、スマホは〇というのが、通例だったのですが。しかし、ここはインドネシア、休憩中や、朝礼時など一時的にセキリュティが甘くなるときがあり、日本人のツイッターなどを見ていても、タイミング次第で、運よく撮れたという人、撮れなかった人に分かれたようです。時間を変えてチャレンジすれば、撮れる可能性もありますが、運悪く同じセキリュティに見つかったという場合は言い逃れできないので、これは自己判断でお願いします。

それともう一つ考えられるのは、今回ジャカルタ幕が改札側を向いていたことで、これに関して先ほどのKAI広報官が神経を尖らせ、セキリュティに通達を出している可能性です。スマホですら撮らせないというのにも納得がいきます。これも周知のとおり、2012年以降、公共物から日本語表記を排除する動きが加速しており、ナショナリズムの塊でもある国営企業省管轄下のKAI、KCIにおいては絶対に許せない事象と言えます。そもそもジャカルタ幕は、京葉車両センターの一部の社員がゲリラ的にはじめたもので、あまりの反響から収拾がつかなくなり、東本社も半ば黙認するかたちになってしまっています。しかし、「現状渡し」を基本とする海外譲渡において、明らかな契約違反になってしまっているのです。各編成毎にKCI社員が京葉車セで受け取り検査を実施しており、本来的にはその状態のまま発送しなければならないわけで、親会社のKAIとしたら、そんなこと聞いてないぞ!と怒り心頭なのかもしれません。もちろん、KCIの現場社員はこのジャカルタ幕を毎回楽しみにしているわけですが。

・で、最後に、パソソ~プリオク引き込み線

結論から言うと、撮れます。崇高なるお上の軍隊は、公道上からの撮影に口出しはしません。先の偽陸軍とはわけが違います。しかしながら、パソソから、プリオク駅から追い出されたヲタたちがここに集結し、大宮駅先大激パ会場と化してしまったのです。冒頭に書いた通り、ここに50名弱の日イ鉄ヲタが大集結してしまったのです!!

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昭和94年8月18日ジャカルタ、7時8分
M51編成通過

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令和元年8月18日ジャカルタ、13時51分
M27編成通過

もう笑っちゃいますね。朝の時点では誰も撮影者がいなかったのですが、どこからともなく流れてくる目撃情をもとに、わらわらと湧いて出てくる鉄道趣味者。私の前に20名、後ろにさらに20名弱。日本人の皆さんたちはこの光景に驚愕、インドネシア人鉄たちはもう笑いが止まりませんでした。日本と同じ状況がここに繰り広げられていると!!

牽引するCC201のデッキでは、陸軍のおっさんが目を光らせてはいるものの、飛び降りてくるわけにもいかず、黙認。前後運転台のセキリュティたちも、もはやあきれ顔なのではないかと思いますが、この状況が仮に本社にレポートされていれば、今後地上側にも何らかのスタッフを配置する可能性もあり、いくらでも撮影環境は変わるということは付け加えておきます。日中にメルヘン配給がなく、悔しい思いをした方も多いかもしれませんが、今回突撃して正解だったかもしれません。

・【重要】今後の当ブログの対応について

以上のことを鑑みて「マンガライレポート」に次ぐ当ブログのメインコンテンツであった「Yokoso !Tanjung Priok !!」ですが、安全上の問題により、貨物船からの水切りシーンの撮影を取りやめます。仕事上で埠頭に入ることもあるかもしれませんが、スマホ撮影程度になるでしょう。いずれにしても、アップロードをすることは格段の理由がない以上行いません。陸送も同様の理由で当面の間、出来なくなる可能性が高いです。パソソについても、現在の状況が続く限り、難しいでしょう。となると、撮影は引き込み線を含めた線路走行の撮影、ないしはTanjung Priok駅構内での撮影に限られます。コンテンツ自体は記録という意味でも残しますが、視覚資料は圧倒的に減りますので、ご理解のほどお願いします。まあ、かつてが全てが緩すぎた、ある意味良い時代であり、これも流れというものでしょう。過去10年間十分楽しませてもらいましたし、もはや港に3日3晩寝泊まりする体力も気力もなくなりつつありますから、幕引きにはちょうど良い頃合いです。読めないスケジュールの中でどう動くか、いかにセキリュティを回避するか、そんな無駄な神経を尖らす必要もなくなるわけで・・・。205系が最後の譲渡形式になる可能性もあり、同じ顔の番号違いのカットを量産する意味もないというものです。

これまで港湾内で撮影されてきた方も多くいらっしゃると思いますが、残念ながらここで書いてきた通り、現状、非常に困難です。また当ブログの過去記事を読まれて訪問し、何らかの被害を受けたとしても当ブログでは一切の責任は負いません。撮影環境は常に変化しています。駅や引き込み線でも今後どのような対応になるかは不明確、現場判断に任されますので、臨機応変な対応を求められます。すべては自己責任、海外鉄をする上での鉄則です。どんどん若い世代の人たちが入ってきていますが、そればかりは絶対にお守りいただきますよう、お願いいたします。

凸8月はジャカルタ鉄強化月間凸
正しい知識で安全な鉄活動を

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