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フィリピン、PNR向け通勤型気動車と並ぶKFW Ts9 Repowering

全くもって雨降り続きのジャカルタ・・・手持ちのネタも尽きてきましたので、先日取材の為、約7年半ぶりに訪れたINKA工場の様子をちょっぴり紹介します。前回と同じく、完成品ならば撮影&アップしてもOKと有難いお言葉を頂き、読者の皆様が注目していると思われるKFWリニューアル車を中心に紹介したいと思います。

いやいや、前回訪問したのは2012年9月(あまりにも埋もれてしまった古い記事ですので、是非ご一読ください⇒2012年9月の訪問記「Holecのふるさと」)で、ジャカルタ着任早々、右も左もわからずによくもまぁ、Madiunまで突撃しに行ったものだと思いますが、振り返るとあの頃はまさにKFWが出荷間近な段階であり、ジャカルタで待っているぜ!と言ったものですが、KFWを追いかけてこうして私も舞い戻ってきてしまうとは、相当の変態と言えそうです(笑)なお、INKA工場への入場に際しては、事前の正当な理由付きの許可申請が必要です。だいぶこちらも厳しくなりました。それでも、工場内の生産状況が鉄ヲタ界隈に漏れてくるのはMadiun近郊の工業高校生がインターンやら実習やらでしばしば出入りしているからで、特にKFWの改造状況については、ここ数か月でかなりの数が流出しており、赤いバティック文様になったリニューアルKFWの存在が確認されていました。

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Madiun名物、INKAゲート前も今が旬!!
緑のKRDEは定期メンテナンスで戻ってきたタイミングだそうです

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工場内はバングラ!!

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そしてバングラ!!


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あとはひたすらLRT Jabodebek

さらにKFWのみならず、2018年以降、INKA工場の生産レーンはフル稼働しており、特に今のシーズンでしたらバングラ×フィリピン×LRT Jabodebekというアツいシーンが拝めるわけで、突撃取材を敢行しました。こちらの成果はまた別の場で出せればと考えております。ですので、まずは速報版と言いますか、KFWの動向を。逆にKFWネタなど、ここで書かない限り、誰にも受けない訳ですから;;

とにかく生産レーンはバングラの100両強とLRTの6連×33本の製造でいっぱいの状態。その合間を縫ってPNR向けの気動車、機関車、客車の生産、それにKFWのリニューアル工事が行われている感じでした。バングラ向けはいくらか溜まり次第、スラバヤまで陸送、そして船積みをひたすら繰り返しているわけですが、LRTはジャカルタ側の車庫が完成していないため、完成しても出荷が出来ず、工場内のキャパシティをより切迫させています。本当にもう空き線が無い状態。既報の通りPNR向けの気動車3連2本は昨年12月にフィリピン側で受け取り済。4連2本も先日デビュー。残るは4連2本が最終仕上げと試運転待ち、客車と機関車は完成まであとわずかと言ったところでした。

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ゲート近くに留置されていたTs4の先頭車2両

そんな中でのKFWですが、2月4日終電後に配給されたTs4(第4編成)こそ、まだオリジナルの姿をとどめていましたが、すでに電機品はほとんど取り外され、中間車4両は建屋の中で絶賛改造中。先頭2両のみが屋外に留置されていました。それ以外確認出来た編成は、いずれも化粧直しが完了しており、編成によっては機器類も再装備し、完成間近という印象の編成も存在しました。

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台車も抜かれ、側だけになっているTs7
ただし外装工事は終了、窓も交換済

なお、ネットで見た写真では前面の縁取りも赤色に見えましたが、若干濃いもののオレンジ色が踏襲されています。帯も赤なら、顔も赤でも良かったような気がしますけどね。

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試運転線上にいたTs3
およそ完成しているようだが、何故かヘッドライドカバーが無い

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事務所棟近くにいたTs8

チェック出来た車両はこれら5本で、Ts3,4,7,8,9と2019年にリニューアル計画が立ってから再入場した編成と、2015年に早々に配給されていた編成(Ts7が該当)が入り乱れていますので、姿が確認出来なかったTs1,2なども建屋内で電装品の取り付け等を実施している最中だったのではと思います。工場建屋外のこれら車両は主に内装工事を実施していました。建屋がいっぱいのため、苦肉の策でしょう。ちなみに、モケットやらなにやらまで全て交換の対象になっているようでした。見てくれは別に良いので、肝心の走行機器、特に不具合が指摘されていたブレーキ関連の改良が施されることを期待しています。

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冷房も、もはや定番となりつつあるINKA製のI CONDに更新されています
ただし、プロトタイプ通りの分散冷房仕様です

今後は未だにBalaiyasa Manggaraiに留置されているTs6,10も含め全車がリニューアルされ、ソロ~ジョグジャ間の電化時に備えることになる見込みです。しかし、LRT Jabodebek車両の搬出が難しい場合は、リニューアルが完了したKFWから一旦ジャカルタに輸送し、空きスペースを作る必要も出てくるかもしれず、やはり試運転名目でこの赤バティック仕様のKFWをジャカルタで拝める日も近いような気もします。

INKAに里帰りしている電車と言えば、復活後もわずか数か月で故障という、韓国Woojingが手掛けた、伝説のHolec ACが存在していますが、こちらに手を加えられている形跡はなく、かつてArgo Bromo Angrek用のK9故障車が朽ち果てていた一番奥の草むらに留置されているのが遠目から見えました。こちらはこのまま朽ち果ててゆく運命なのかもしれません。

鉄道コム

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