WhatsApp Image 2020-10-30 at 15.43.48
カンプンバンダンの複雑なポイント上で脱線事故が発生
画像提供:RED

10月30日9時40分ごろ、ブカシ発環状線経由ジャカルタコタ行き1481列車がカンプンバンダン発車後、後方車両4両が脱線、特に前から8両目・9両目が進行方向右側に大きく外れています。当該はメトロ6000系6130F。せり上がりを起因とする“軽微な”脱線は年に数回、日常茶飯事的に発生しますが、あやわ対向列車と接触する可能性もある重大な部類に入るものとしては、2019年3月10日に発生している8612Fの架線柱への衝突脱線事故以来です。



事故はやはり忘れたころにやってきます・・・

WhatsApp Image 2020-10-30 at 15.43.49
環状線の内回り(JNG方面)の線路をまたぎ、KPB連絡線に入るところで脱線
CC201が連結されている方が先頭車
画像提供:RED

脱線発生個所は言わずと知れたダブルスリップを含む複雑に分岐器が絡む地点で、マンガライ、ジャティネガラ駅と並び、いつ脱線してもおかしくないと言われる危険な箇所です。そのため非常にゆっくりしたスピードで通過していますので、ポイントの早期開通又は不具合等のなんらかのトラブルがあった可能性があります(マンガライやタナアバンなどで開通ミスによる泣き別れは過去に何度もやらかしていますが、ここ2年くらいは発生していませんでした)。日本でも同様の危険性からダブルスリップポイントはほとんど姿を消しており、マンガライ、ジャティネガラでも改良工事で基本的に頻繁に走行がある部分は廃止されます。運転士もよくわかっており(線路起因の脱線でもまれに解雇される場合もあるため)、当該箇所を抜けるまでは後方を常に確認するなど、注意を徹底しています。過去にせり上がりが頻発していている個所も同様です。それでも事故は起きるもの、運転士の注意だけではどうにもなりませんし、後方を確認していなくとも脱線が発生すればすぐにわかるはずですから、気休め程度&保身の為の対応であることに変わりはありません。もちろん、編成がポイントを抜けきったと勘違いし、力行したタイミングで脱線した可能性も否めません。ちなみに、2019年の8612Fの脱線衝突事故では、カーブ先の架線柱が倒れてくるという不測の事態に即座に対応し、死者を出さなかったとし、担当運転士は特別表彰されています。偶然の結果でしかなく、原因の追究をせずに結果だけで事象を判断するというインドネシア人官僚が得意とする、いい加減な場当たり的対応の典型例です。DIVISI JABOTABEK時代から居座り、甘い蜜を吸い続けているKCIの幹部と、それに媚を売って成り上がった本社社員が存在する限り、この手の事故を防止する抜本的解決策にはならないでしょう。ジョーナン時代に使えない社員はいくらか消えましたが、まだまだ残っているのが実態です。

WhatsApp Image 2020-10-30 at 15.43.50 (2)
脱線していない前の6両はCC201牽引でジャカルタコタ駅に収容
残り4両の復旧作業が夜まで続きました
画像提供:RED

WhatsApp Image 2020-10-30 at 10.09.27
一番脱線の酷い状況だった9号車の6930
乗客が撮影し拡散されている画像

WhatsApp Image 2020-10-30 at 10.09.27 (1)
8号車6830までの状況なら、よくある事故として片づけられたでしょう
乗客が撮影し拡散されている画像

WhatsApp Image 2020-10-30 at 10.10.51
脱線が始まったと思われる7号車6780、よく見るとパンタの舟板が外れています
乗客が撮影し拡散されている画像

今回の事故で衝撃的なのは9号車がここまで大きく傾いている点でしょう。そのため、乗客が拡散した画像をもとに、現場には多くのメディアが訪れ、この日のニュースでは夜まで大々的に報道されていました。20㎞/h~30㎞/hの速度制限の中で、ここまで外れるかというのが正直な感想です。誤った進路につられて台車が持っていかれたのかもしれません(ボルスタレス台車の編成だったらどうなっていたのでしょう?)が、既に脱線3両目の車両でもあるため、もしかすると運転士が気づくまでに遅れたのか、それとも何らかの理由で力行をした可能性もあるかもしれません。ただ、脱線の根本原因はここのダブルスリップにあることに違いはないでしょう。故障なのか、それとも日本車のバックゲージと干渉し、損傷していたのか、原因を究明してもらいたいところです。

なお、いつものせり上がり脱線ならば、発生の数時間後には運転を再開してしまいますが、今回、復旧に相当の時間を要しており、現場から6130Fが移動したのは夜の21時過ぎ。それまで環状線のアンケ~クマヨラン間はずっと運転見合わせとなりました。脱線した車両の復旧に加え、ポイントの故障or損傷で、こちらの修理にも時間がかかったものと思われます。


6230・6530の2両は9月に車輪交換を実施しています
が今回の脱線の当該号車ではありません

皆さんが注目しているであろう当該編成の行方ですが、6130Fはその後Djoko Tingkirの牽引でBalaiyasa Manggaraiに搬入されています。大きな機器の損傷は見られず、おそらく修繕は可能と思われます。仮に交換の必要があってもメトロ6000系5M5T車のスペアパーツは納入ルートがありますので、その点は心配いりません。しかし、台車が損傷していると代替品が現状ありませんから、休車が長引くか、最悪の場合、部品取り名目で廃車となる可能性も捨てきれません。おそらく、大丈夫とは思いますが・・・。また、あまり触れられていませんが、事故当時カンプンバンダン引き上げ線からアンケ始発のボゴール行きが発車するところで、同時発車のような様相になっており、6980号車の傾いた車体がそちらに接触しています。当該はクハ204‐56で、妻面から車体中央部にかけて裾部分のステンレス板を損傷しています。このM33編成は事故後自走でブキットドゥリ電車区に回送され、31日にデポック電車区に再度自走で回送されています。修理はデポック電車区で実施される見込みです。こちらは板の一部貼り替えと磨き上げで対応出来ますので、すぐに復帰するでしょう。

DSC_0987_R
遺影とならないことを願って・・・
10月23日撮影

6130Fは10月中頃に新ロゴに交換されているのが確認されており、まさか新ロゴになってから1枚も写真がないか・・・と一瞬ヒヤっとしましたが先日の朝練で回収していたようです。後悔する前に、やはり何でも撮っておかなければならないということです。

◆いつもご覧いただきありがとうございます◆
1日1回のTETSUDO.COMバナークリックにご協力お願いします
鉄道コム

コメント

コメント一覧

    • 野津田車庫
    • 2020年11月02日 13:30
    • 5
      こんにちは。

      移籍から2年余りで大事故に遭ってしまうとは実に不運ですね…。致命的な台車の破損が無いと良いのですが。

      原因がポイントや軌道の整備不良にあるとしたら当該区間の検証や分岐の廃止など対策が待たれますが、根本的な原因の追及が為されないようでは遠くない内にまた大事故が起こりそうで不安ですね。
    • 新05
    • 2020年11月02日 14:53
    • こんにちは、いつもブログを楽しませていただいている者ですやはりなんでも撮れる時に撮っておかないとですね。
    • パクアン急行
    • 2020年11月02日 18:18
    • >野津田車庫様
      そうですね。まあ車両にも運、不運がありますのでこればかりは致し方ないのですが、撮影チャンスの少ない編成に限って事故当該というのはあるあるです・・・。

      ダブルスリップは長期的に見て廃止していかなければなりませんが、環状線高架化が果たして何年後に完成するの?という話でもありますので、当分は綱渡り状態が続くでしょう。1~2年おきに何らかの事故は起きていますので、起こるべくして起きているということなのだと思います。
    • パクアン急行
    • 2020年11月02日 18:20
    • >のるりまばる様
      選り好みせず、全部撮る、基本中の基本です。それが出来ない子供が日本には多すぎるのです。
    • 生ハム
    • 2020年11月02日 22:47
    • 5
      こんばんは、毎時投稿を楽しみにしています。
      最近、脱線事故などの情報がなくて、大丈夫になったのかなと思っていた矢先、この投稿を見ました。ひとまず、横転などはしないのを見て一安心しましたが、なかなかひどいですね...
      ここの他にもダブルスリップはあるのでしょうか?
      同日にジョグジャ配給中のM23に何かあったようですし、、
      それも含めて改善してほしい物です
    • パクアン急行
    • 2020年11月03日 19:10
    • >生ハム様
      結果的に事なきを得ましたが、併走するボゴール行きと同時に発車しており、実際接触しているわけで、一歩間違えば大惨事になった可能性すらあります。今回のはちょっとまずい事故ですね。

      大きめの駅は基本的にダブルスリップがあります。70~80年代の円借款による近代化改修では手を加えられず、それどころか今回の事故の発生個所はカンプンバンダン駅改良工事後に設置されたダブルスリップですからね・・・。コタも電車が多く通るところは通常の分岐器に交換されましたし、マンガライ、ジャティネガラも今後消えるとなると、だいぶ良くなるとは思いますが。

      ジョグジャ配給のM23は一部のヲタが執拗に騒いでいますが、何の問題もありません。まもなくジョグジャ地区での試運転が始まるでしょう。
    • 生ハム
    • 2020年11月04日 10:06
    • 5
      なるほど、ありがとうございます
コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット