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GoA2.5での運転のため、乗務員扉のないLRT Jabodebek車両
許可を得て撮影

オールジャパンのMRT、そしてオールコリアのLRTジャカルタへの対抗馬として、(自称)誇り高きインドネシア人の威信をかけて建設中の国営LRTジャボデベック、MRT及びLRTジャカルタと同時の2019年開業を目指していましたが、その後のコロナウイルスによる景気後退もあり、今年に入ってからの工事進捗が大幅に遅れています。



完全に政治パフォーマンスだった車両落成式典

早いもので、チブブール駅に第1編成が到着してから早1年。つまり、車両は置物の如く、あの高架上で1年を過ごしてきたことになります。LRTジャボデベックを推進してきた賄賂政治家と国営企業グループ幹部たちは基本的にジョコウィ政権第二期に横滑りしていますが、事業主体でもある国営企業相リニ婆はこの約1週間後の二期政権組閣で外されていますので、婆に花を持たせるという意味でも、このタイミングでやらざるを得なかったということでしょう。当時のメディア取材に対し、(2019年)10月20日までに必ず電車を走らせます!!と婆は宣言していましたが、まあ今思えば断末魔の叫びですよ。もっともその一声で電車はモーターカーに引っ張られて1駅区間走って「走らせた」ことにして、婆はご満悦でした。しかし、こんな状況では2019年内の旅客営業など程遠く、売国奴リニと共にLRT ジャボデベックはその後のコロナのドタバタもあり、人々の記憶から消えてゆきました。MRT開業式典でジョコウィご本人がLRTジャボデベックは年内に開業します!!と宣言しているのですから、ある意味人々の記憶から消さないとマズイですよね(笑)

しかしながら、既にご紹介している通り、INKA工場内では着々と車両が完成しつつあり、当然全31本を工場内で保管しておくことなど出来ません。地上側の工事が全く進まない中、人知れず車両だけはひっそりと陸送されチブブールに到着し、11月上旬までに9本が高架上の置物となっています。

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チブブール~ハルジャムクティ間に放置される車両
撮影:Pascal様

さてそんな中、最低限の電力関係の工事が完了したことからか、10月20日頃から自走試運転がハルジャムクティ~タマンミニ間で開始されています。チブブール~ハルジャムクティ間が一番最初に完成しているにも関わらず、試運転が出来ないのはこの区間の高架上が車両置き場になっているからでしょう(笑)

未だにオペレーターがKAIが行うのか、それともKCIとなるのか、はたまた別の国営LRT会社が設立されるのか定かでないなか、LRTジャボデベック共同事業体がユーチューブチャンネルを開設しており、工事進捗状況や車両搬入など、マニアックな動画をアップしていますが、この度試運転の様子も公開されましたので紹介します。


自動運転は行わず、まずは信号無しマニュアル運転で「走らせた」だけの模様
渡り線もないので、完全に非常運転モードですね


昨年の第1編成オンレール式典の会場側の様子はこちらから

公式ガセ情によると2021年7月開業と言っていますが、ブカシティムールの車庫がようやく用地取得が完了し基礎工事が始まったばかり(動画にもちらっと映っています)で、とうてい来年7月までには間に合いません。進捗率も7割~8割と紹介されていますが、あくまでもこれはチブブール~タマンミニ間に限ったことで、肝心の都心部分の工事はようやく駅の骨組みが姿を現したとかそんな状況です。2021年7月に開業出来るとしたら、これまた他路線と接続の全くないどころか、都心にも到達しないチブブール~タマンミニ間での単線並列運転によるマニュアル運行に限られるでしょう。少なくとも折り返しを想定しているチャワンUKIまで伸びない(それでも都心へはこの先バスに乗り換えという酷い状況です)と、マトモなシステムで運行は出来ません。状況からしてチブブール~タマンミニ、チャワンUK、その次にブカシティムール~チャワンUKI、ようやく最後に肝心要のチャワンUKI~クニンガン~ドゥクアタスとなりそうですが、果たして完全開業はいつになるやら・・・ですね。まして、ドゥクアタスから先のパルメラ方面の旧ジャカルタモノレール(JM)計画線が復活(一応、現状でもクニンガン付近はJMをなぞっています)するのは、もはや夢のまた夢と言ったところでしょう・・・。

◆JMとLRT Jabodebek、LRT Jakartaの関係性と最近の話題◆
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中国中車製の日本跨座式モノレールが走る夢の未来は儚く消えました・・・

国営LRT計画は遡れば2012年末の完全民間のJMプロジェクトの凍結解除に至ります。これに対抗する為、国営モノレール計画が立ち上がりました。結局、JM社は資金調達等の問題から再び雲隠れしてしまい(会社自体は幽霊会社として残存)、国営モノレールも技術的問題から打ち切り。その路線が2015年に突如そのままLRTジャボデベックに引き継がれ、そのときに都心側の一部はJMの計画線も踏襲することになりました。事態をややこしくしているのは、同時に降って湧いた韓国支援の州営LRTジャカルタです。当然、州営LRTが持ち上がったからこそ、国営プロジェクトも再燃したわけですが、ご承知の通り、日本が中心なって進めるMRT事業に反対の立場を示していた華人アホック知事はLRTを積極的に推進し、韓国支援で州営LRTを100㎞まで拡大する方針を示しました。

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ジャカルタ覇者となるはずだったLRTジャカルタ
完全に梯子を外され、有人マニュアル運転継続

しかし、2017年には反日派から親日派のアニス知事への交代もあり、第一期区間のクラパガディン~フェロドロームの開業は、結局2018年のアジア大会に間に合わないどころか、営業可能な状態になってもアニス知事は許可を出さず、MRT開業後の2019年6月にやっとソフトオープンに漕ぎつけるなど、非常に政治臭のする出だしとなっているのも既にお知らせしている通りです。このLRTジャカルタは現状の両終端からの延伸計画があり、特にフェロドロームからはマンガライを経て、ドゥクアタスまで、さらにJM計画線に沿ってマルメラ・スナヤン方面への延長計画を持っており、国営LRTに対しても好戦的態度(当初は乗り入れるとかなんとか言っていましたが、そもそもシステムが違うので不可能、アホックは国営LRTに韓国車を入れるつもりだったのでしょうけど、完全にフラれた格好です)を取っていました。しかし、最新の報道によると先月末にLRTジャカルタの延長計画は全て凍結されたとのこと。アホックが掲げた韓国LRT100㎞計画は消滅です。ただ、これで仮にドゥクアタスから先にLRTが伸びる可能性があっても、それは国営LRTジャボデベックが実施することとなり、事実上ジャカルタ州内の都市鉄道運営に対しても国が行うという前例を作り出すことであり、今後も国と州の間での鉄道整備に関する駆け引きは続きそうです。なお、他路線と全く接続しないLRTジャカルタは当然ながら客など乗るわけもなく、救済処置としてフェロドロームから直進させ、ブカシ線のクレンデル付近までの延長を許可するようです(人の流動を完全に無視した路線となり、客が乗らないことに変化はなさそう・・・)。まあ、これも何年後・・・という話ですが。

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コメント

コメント一覧

    • 平成電電
    • 2020年11月08日 22:13
    • 毎度お疲れ様です!

      インドネシア国産車についてですが、中国の温州S1号線や北京大興空港線に酷似しているのは気のせいでしょうか?

      韓国ライトメトロ規格のジャカルタLRTは有人運転なのでますね…
      まああのチビな車体では10両に伸ばせたとしても世界第2位の都市圏であるジャカルタ都市圏の輸送なんて賄い切れるわけないと思ってましたけどwww

      ここは世界一位の東京が幅をきかせなければ!
    • パクアン急行
    • 2020年11月09日 10:03
    • >平成電電様
      いつもご覧いただきありがとうございます。
      そっくりさんが中国にいるのもそのはずで、INKAは車体を中国メーカーから購入し、組み立てているだけだからです。CC300、空港電車/気動車、LRTパレンバン/ジャボデベックと近年の車両はいずれも車体は中国製です。INKA取材時に、流石に空港用のものは独自にデザインして発注したと言っていましたが、それ以外は既製品ですね。CC300にお面がそっくりの機関車も中車で作っていましたね(形式名は失念しました)。だからこそINKAは中車と協業するのが最適解だったはずなのですが、相変わらずの浮気性で方々に良い顔をしています。なんたって、ジャボデベックの中身がCAFなんですから驚きですよ。まあ、韓国LRVがジャカルタの標準にならなかったことが救いでしたね。本当にアホックが再選されなくて良かったです。JMが存続して中車/日立の日式都市モノレールが走る未来も見たかったですが(笑)

      仰る通りジャカルタは東京のシステムを入れるしかないのですが、どうもMRT第二期工事は日本側にやる気がなく、またひと悶着ありそうで、現在裏取り中です。年内に記事がいつものところに出さればと思っています。
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