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山の中の秘境駅、ウォジョ駅に到着した空港快速(Bandara YIA)

昨年から1年間かけてダラダラと続けてきましたジョグジャカルタ地区ネタですが、今回が電化開業前、最後の更新となります。最終回となる今回は、皆さまが注目されていると思われる大本命、ジョグジャ空港鉄道(空港快速:KA BANDARA YIA)、を謎に包まれたウォジョ駅と空港からの連絡シャトルバスと共に紹介します。コロナ明けのジョグジャカルタ訪問時の予習にお役立て下さい。ジョグジャ空港快速のあらましについては、昨年の記事で既に紹介していますので、今回はあくまでも乗車レポートとして紹介します。





こちらの記事も併せてご参照ください

さて、これまでも散々コケにされているジョグジャ空港快速ですが、なかなか利用機会がなく(利便性が悪すぎてお話にならないので!)、12月の訪問時の時間つぶしでようやく乗車が叶いました。205系&KFW試運転の設定がなかった日に完全に乗り潰し?(既存線を走っているだけなので厳密には乗り潰しではない)してきました。移動自粛ポリシを回避するためジョグジャ往復はバス利用ですので、意味もなくジョグジャカルタ駅~ウォジョ~ジョグジャ新空港の往復です。バカみたいなので、帰りは空港から直通バスにしようかとも思いましたが、帰りも列車利用にしました・・・。

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ジョグジャカルタ駅停車中のクブメン行き空港快速
ソロ空港線運休中につき、新型KRDEを充当

こちらも既にお知らせしている通り、現在運行している空港快速はクブメン直通便の日に2往復のみで、それ以外は当面の間、コロナ運休中です。現在運行している空港快速は以下の通り。運賃は25000ルピア。

快速BANDARA YIA801 ジョグジャカルタ8:35→ウォジョ9:18→クブメン10:10
快速BANDARA YIA803 ジョグジャカルタ15:05→ウォジョ15:49→クブメン17:19

快速BANDARA YIA802 クブメン10:25→ウォジョ11:33→ジョグジャカルタ12:16
快速BANDARA YIA804 クブメン17:40→ウォジョ18:41→ジョグジャカルタ19:25


また、この他、2019年に快速から格上げされた急行JOGLOSEMARKERTOが引き続きウォジョ駅に停車します。運賃は50000ルピア(エコノミ)、80000ルピア(エグゼクティブ。

急行JOGLOSEMARKERTO199 (ソロバラパン始発)ジョグジャカルタ7:10→ウォジョ7:52→テガル方面行き
急行JOGLOSEMARKERTO193 (テガル方面から)ウォジョ15:33→ジョグジャカルタ16:13→ソロ経由スマラン方面行き


これ以外にも快速プラメクスが4往復設定されていますが、当日の窓口でのチケット入手はかなり困難ですので、有効本数から除外したほうが無難でしょう。気になる方は、以下の記事をご参照ください。


普通・快速の全列車時刻表(急行・特急は日中のみ)はこちらからご確認下さい。
 なお、長らく運休中だったソロ空港線が1月1日から運転を再開(但し5割程度の本数)
しています。本数的には突如ジョグジャとソロが逆転する結果に・・・。

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普通(快速)列車は必ず南口改札から!!

そんなわけで、8:35発のBANDARA YIA801列車でウォジョを目指します。万が一のことを考え、前日にアプリ、KAI Accsessからチケットは購入済です。なお、運賃の安い普通・快速はクレジット決済が出来ず、国営QR決済Link Ajaしか使えませんので、外国人旅行者にはハードルが高く、チケットは駅の窓口で購入するしかなさそうです。せめて、GojekのゴーペイやGrabのOVOと紐づけ出来れば、クレジットからのチャージが可能ですので、使いやすいのですが・・・。民間を締め出し、国営企業で独占せんとしていたリニの負の遺産がこんなところにも残っています。なお、くどいようですが、ジョグジャの駅本屋側の中央改札は特急・急行線用改札ですので、線路挟んでマリオボロ側の南改札から入場です。チケット売り場もこちら側にあります。ジョグジャ空港快速は定期列車化されましたので、3時間前発売ルールは撤廃され、基本的に1週間前から発売してくれますので、直前購入が怖い人は事前に購入することをお勧めします。ただし、コロナ対策を理由に駅のチケット売り場は順次廃止予定(第8事業部:スラバヤ管内は既に廃止済)ですが、外国人観光客の多いジョグジャはどうするのでしょうか。プラメクスはKCIへの移管でKMT方式に変更ですから問題ないですが、残る空港快速の扱いをどうするつもりなのでしょうか。

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本来のジョグジャ空港快速用KRDIは車庫でニート中

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発車標
朝のこの時間こそ、そこそこ発着がありますが、この後は壊滅的・・・
優等ホームは閑古鳥が鳴いていました

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すっかり上げるタイミングを逸したこれもついでに
優等ホームも全て電化してしまったジョグジャ駅での給水作業は廃止されたとのこと
(流石に架線直下での作業には待ったがかかりましたね;;)

駅への入場に際しては、スマホにQRコードを表示して改札の読み取り機にかざすだけ。特急・急行と異なり、個人IDの提示の必要はありません。列車毎の改札が基本ですが、ジョグジャ駅はそこそこ本数があるため、かなり緩い感じですね。構内を散策したければ、エキナカで買い物なり、ATMを使いたいと言えば通してくれるでしょう。

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1ボックス1人以下のの801列車

さて、以前、午後発のクブメン行きを見たときにはかなりの乗車がありましたが、朝発では需要がないといったところでしょう。ちなみにこの日は土曜日でしたので、この後の折り返しジョグジャ方向はお買い物客でにぎわうことでしょう。あとは、この乗客のどれほどがウォジョ駅で降り、空港に向かうか・・・です。この新型KRDEには、過去にソロエクスプレス、そしてソロ空港快速と何度か乗ったことがありますが、非常に快適です。性能面でも加速がやや悪い以外は文句なく(1M3Tなので仕方ない)、非常に完成度の高い車両です。スカルノハッタ向けの特急電車と並んで、現状INKAの集大成と言えるものでしょう。KAIとINKAが直接契約すれば、しっかりした車両が作れるということの証です。

列車は80㎞/hほどで順調に走り、途中のワテスではほとんど下車なく(プラメクスならかなりの乗降がありますが)、40分ほどでウォジョ着。ですが、ウォジョで降りたのは5名ほど。残りはクトアルジョ、クブメン方面のお客さんのようです。まあ、コロナ禍ということもありますが、おそらく普段から、こんなもんなのではないでしょうかね。(笑)確かに空港バスの半分以下の時間では着きますが、仮に全列車運転していても圧倒的に本数が足らず、ましてこのウォジョ連絡というのが・・・。それでも、ウォジョ→空港方面は必ず列車の到着に合わせて連絡バスが待っていますので、お帰りの際に時間が合えば使う価値はありそうです。

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ウォジョ駅到着

さて、皆さま関心の的?、ウォジョ駅です。高床ホームが整備されたため、少しは立派に見えますが、これがなかったら、ただの信号所です。空港開業前は1本も停車する旅客列車が無かったんですから・・・。しかし、高床ホームと屋根があるのは3番線のみ、かつ改札口へは構内踏切を渡らないといけないという、毎度の仕様です。まあ、跨線橋渡るくらいなら構内踏切の方がよほどラクなのですが、ちなみに帰りのジョグジャ行きは1番線に入りました・・・。空港列車は全部3番線発着にしているわけではないのか・・・。デカいスーツケースを持つ空港利用者のことをこの国の人は、面白いくらい本当に何も考慮しませんよね(超高床空港ターミナルバスを何とかしろ!!)。おそらく、クブメンからの直通便が特別で、ウォジョ折り返しの便は、副本線の3番から出しているのでしょう、さすがに。

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早く乗れ!と怒られました(笑)

写真を撮りながら、駅の中でもたもたしていると、空港行きの客はもういないか?と声がかかってしまいましたので、急いで改札へ。列車の到着に合わせ、ダムリバスのハイエースが待機しており、もう出るぞ!とのこと。車のハンドル握るときだけ、何故かせっかちなインドネシア人。そんな切羽詰まっぱ空港利用者はいないと思いますが。10人乗りくらいのハイエース2台で来ていましたが、5名しか降りていませんので、2台目は空で出発。ウォジョ行きは通常時からハイエース使用とのことですが、まあ通常でも1列車20人くらいしかいないんでしょうね。最悪積み残しがでてしまったときには、1往復して戻ってくるのでしょう。所要時間10分ですから。ただ、大問題なのはこの10分がなんと無料シャトルではなく、20000ルピアも取るということ!!列車本数はさておいて、利用者が伸びない元凶はこれですよ!!KAI,ダムリも同じ国営企業グループとしてなんとかする気はないのかと。運賃を30000ルピアに上げてもいいので、列車のチケット代にダムリバス運賃も込み込みにして、シャトルバスは実質無料とかにしてくれないと、誰も使いませんよ。なんたって、空港から市内までの直行のダムリ空港バスは25000ルピアなんですから!!ちなみに所要時間は2時間弱・・・。カネを取るか、時間を取るかと、客の足元を見ていますよ。

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ひたすら田んぼの中を走り‥・
何も知らない人なら、どこに連れて行かれるのかと心配になるでは?

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そして、その田んぼの真ん中に突如現れる立派な空港
ジョグジャカルタ国際空港に到着

あれよあれよという間に空港に到着してしまい、降りるときに運転手に20000ルピアを手渡し。領収書も発行されず、いかにも怪しいですが、これが正規の値段です。後から乗った私だけが払っていなかったわけでもなく、全員ここで支払いでしたので、これがデフォルトなのでしょう。

空港はコロナ禍というのに、かなり混雑していてびっくり。年末の州跨ぎ移動規制の強化(結局、実施されませんでしたが)を前に、駆け込み需要なのかもしれません。到着ロビーよりも出発ロビーの方が混雑していましたので、皆さんジャカルタにお買い物ではないでしょうか。長距離列車は乗車前の抗体検査が災いして壊滅的状況ですが、飛行機はほぼ平常に近く飛んでいるようです。思えば、運輸相ブディカルヤは空港会社、アンカサプラの出身ですから、そりゃ航空業界に甘くなるのも道理でしょうな。

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ちなみにターミナル乗り入れの空港新線の建設は着々と進んでいます
高架で2階部分の連絡通路と繋げるのですね

さて、ジョグジャ市内→空港の移動はこれで終わりですが、空港→ジョグジャ市内を鉄道で向かうというチャレンジングな方向けに、一応逆方向も簡単に紹介します。

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駐車場への連絡通路側から到着階を見る
ずらっと並ぶダムリハイエースの中からウォジョ行きを見つけてください

スナップショット- 10
到着ロビーを出たところ
くれぐれもTrain Stationに惑わされないように!!

といっても、スカルノハッタのような複雑怪奇な作りではなく、正面に進めば車寄せ、さらに進むとダムリバス乗り場ですから、そこまでは誰でもわかります。迷う人はないでしょう。

スナップショット- 13
しかし!!ここが、ダムリバス乗り場ですが・・・
例の如く案内は何もありません

しかし、バス停も、行き先も、そして当然時刻表もないバス乗り場。インドネシア人的にはダムリ=空港バスという確固たるイメージがあるので、車体自体がバス乗り場の目印ということなのでしょう。ただ、各車両に行き先が書いてあるわけではありませんので、これは係のオッサンに聞くしかありません。まあ、聞けば教えてくれますので。ちなみに、ウォジョ行きは客が集まり次第発車(流石にウォジョ発の列車時刻は頭に入っているとは思います)、市内行きは現在、各60分毎とのことでした。市内行きはいくつか行き先がありますが、マリオボロ方面行きに乗るのが駅から近く無難です。なお、市内までの所要時間はやはり2時間弱とのことで。それに待ち時間を加えると、相当のロスタイム・・・。急いでいくなら、タクシーor配車アプリに300000ルピアお布施するしかないですね。それでも1時間半はかかりますので、まあとにかく空港の立地が悪すぎる!!の一言です。

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空港快速車内から見えた空港線の路盤
早ければ1年後くらいには開業出来るのでしょうか??
鉄道の空港乗り入れが実現すればアクセスは鉄道一択に間違いなし!!

なお、客が集まり次第発車と言っていたウォジョ行きですが、私が乗車後、あと2名が乗り込んできて、それで発車。待ち時間10分ほどでラッキーでした。たった3名で客が「集まった」ことにしてしまうダムリは、さすが国営企業。ま、1人20000ルピアも取っているんですから、これでもギリギリ採算ラインってところでしょうか(笑)

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ウォジョ駅に戻ってきました、左は旧駅本屋、信号所機能のみ残存
旅客は新しいプレハブ待合室へ
ダムリは客待ちせず、空港へそのまま回送

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新しく整備された待合室
待合室で客を待たせる空港鉄道とか、もはや空港鉄道として
役に立たないわけなのですが・・・

おかげで、ウォジョ駅で1時間弱待ち惚けすることになってしまいましたが、本当に何もない・・・。そして、やる気の無さもMAXで、チケットの購入はアプリ経由でお願いしますということなのか、どこで売っているのか何ら案内無し。

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待合室から少し離れた離れのようなオフィス?
が当日発券窓口になっていました
が、列車時刻や運賃はおろか、ここでチケットを売っているという案内も無し

まあ、ジョグジャカルタ側ですら空港快速の案内を出しておらず、知っている人だけ乗ってネという感じですから、予想通りの結果ですね。何もない駅なので、わかるだろうということなんでしょう。それよりも怖いのは、当日ここでハビス!!(売り切れ)と不愛想なオバちゃん駅員に言われることで、すでに空港に戻るダムリもいないことから、旅行者は絶望の淵に立たされます。KAIの見解を聞きたいですよね。普通列車の乗車定員制は直ちに廃止すべし!!

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駅前に唯一ある店がエアポートカフェを名乗るこの店・・・
これの一体どこがエアポートカフェだ!?

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店内、どこにでもあるバラック型屋台
カフェを名乗るくらいなので、カフェラテを無理やり作ってもらいました

とにかくすることがないので、バスでウォジョ駅に着いた客は強制的にこの店に入らざるを得ないでしょう。ただのWarungを空港快速の運転開始に合わせ、Warung Bandaraに名前を変え、さらに怪しい英語看板までつけてしまったのでしょう。バスに乗った例の2人の客も、もはや笑うしかなく、この店でしぶしぶ朝飯を食べていました。なぜ、この2名がバスで市内直行しなかったのかが最大の謎です。

そして、ようやくやってきた帰りの空港快速802列車に乗ってジョグジャ市内に帰還。予想通りこの列車、週末買い物客でいっぱいで、先の画像の通りソーシャルディスタンス確保のため1席毎に×印が入れられており、利用することが出来ません。つまり、座席定員の5割しかチケットを発売していないわけなのですが、4両目まで移動してやっと席を確保。アプリから事前購入しているからいいですが、駅購入ではこの列車も危ないということなのですね・・・。ウォジョ駅で恐ろしい目を見たい人は是非、空港からも使い勝手の悪すぎるジョグジャカルタ空港快速、BANDARA YIA号をご利用ください。

※本日からサブカテゴリ「ジョグジャカルタ」を設定しました。

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