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武蔵野線車両の投入完了を受けて末端部を中心に大増発!!

2月10日に全国で実施されたダイヤ大改正。続いてジャカルタ首都圏を見てゆきましょう。205系埼京・横浜・南武編成の大量投入がひと段落し、2017年を最後に大きな変化のなかったKCI管内ですが、今回、武蔵野線車両336両の譲渡が完了後、最初のダイヤ改正となったことから、比較的規模の大きいものになっています。



もっとも2017年までに主要線区の本数は十分なものとなり、電車区や線路容量の増強、それに信号設備更新をしない限り、これ以上増発が出来ないという状況でしたので、近距離区間についてはこれまで通りという感は否めませんが、これまで本数が極端に少なかったスルポン線マジャ~ランカスビトゥン間、ブカシ線ブカシ~チカラン間で大幅な増発を実施しています。このほか小規模ながら利便性向上策が取られています。おそらく、この2021年2月10日改正ダイヤがマンガライ立体化完成、及びブカシ線複々線化完了するまでの、完成形になるのではないでしょうか。各線区ごとにダイヤと運用数の変化を見ていきましょう。

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【2月10日からの時刻表はこちらからダウンロード下さい】
ジョグジャ地区修正反映済
スルポン線ランカスビトゥン~ムラク間も収録しています

◆スルポン線
ランカスビトゥン発着を大増発
ティガラクサ始発/終着電車を新規設定
スルポン~タナアバン間10分間隔運転時間を拡大


最も変化が大きかったのは当然スルポン線。2019年12月改正でランカスビトゥン発着の電車は朝夕30分間隔、日中30分~60分間隔まで増発され、ランカスビトゥン発タナアバン行きは終日29本が設定されていましたが、今回、さらなる増発が実施され、朝最ピークの上り6時台は15分間隔、それ以外の朝夕は20分間隔、日中ほぼ30分間にまで詰められています。これにより、ランカスビトゥン発タナアバン行きは51本へ大増発(パルンパンジャンでの乗り換え、夜間のコロナ運休分も含む)となりました。

一方、改正前は15本存在していたマジャ発タナアバン行きは(パルンパンジャンでの乗り換え含む)は、12本がランカスビトゥン発着に延長、3本がティガラクサ折り返しとして区間短縮されています。205系の行き先表示器にもしっかり用意され、当たり前のように見ることの出来たマジャ行きの案内は見られなくなります。あくまでも2013年4月1日の電化延伸時の暫定的ターミナルでしたので、マジャ発着の消滅は来るべくして来たという感じです。しかも、駅南側の沼の影響で副本線が未完成で、本線上折り返しとなり、運行上の支障にもなっていましたので、それが今回2面4線のティガラクサ折り返しになったのも納得です。205系のROMにティガラクサが用意されることはあるのでしょうか?

加えて、近距離区間でも増強が為されており、スルポン→タナアバンで10分間隔で運行する時間帯が4:45~10:55までに大幅に拡大されています。この影響で朝の着席需要に応えてスディマラ始発タナアバン行きも消滅しました。なお、スルポン~タナアバン間は朝10分間隔ですら間に合っていない状況ですが、信号設備の関係からこれ以上の増発は出来ず、ホーム12連対応と共に運輸省が重い腰を上げるのを期待するばかりです。ついでに余談ですが、名物送り込み運用は従来通り設定されており、夕方のマンガライ発は今回より再びランカスビトゥン行きとなりました。

なお、ジャカルタ特別州からのコロナ感染拡大対策の要請を受けて、当面の間タナアバンからの下り終電は22:08発ランカスビトゥン行き、22:18発パルンパンジャン行きとなります(通常時の最終ランカスビトゥン行きは22:30発、パルンパンジャン行きは23:40)。朝の始発はオフピーク通勤推奨と混雑緩和のため、パルンパンジャン発が3:50と25分繰り上がっています。

【本数(区間運転含めた営業する全ての本数)と運用数の変化】
・2019年12月改正:上り/下り98本→2020年2月改正:上り107本・下り111本(日中の計画運休含まず、夜間のコロナ運休含む)
・運用数:10連20運用→10連22運用

◆タンゲラン線
朝ラッシュ時の運転間隔調整

KCI各線で最も地味な?タンゲラン線、空港特急と共用となり、もはや改正のしようもないのではと思われていましたが、以前にお知らせした通り、空港特急がこの改正で事実上の廃止となり(過去記事参照)、タンゲラン線内の平行ダイヤが実現出来ることから、朝夕の運転間隔が調整されています。従来、毎時4本運転時間帯、上りは17,13,17,13分間隔でしたが、下り同様に19,11,19,11分間隔になります。これは、バトゥチェペル~ドゥリ間で空港線各駅停車と合わせて約10分間隔運転にするためでしょう。ただし、空港線のKCIへの運営移管及び政府補助金の認可が下りていないため、当面の間、空港線は各駅停車と平行ダイヤのゆっくりした速度で通過運転を行うことになりました。空港線の乗車方法は、従来通り変わりなく、事前のチケット購入が必要ですのでご注意ください。

ジャカルタ特別州からのコロナ感染拡大対策の要請を受けて、22時台にはドゥリ発が終了になるはずですが、公開されている時刻表には本来の終電1本前の23:48発が黒塗りされずに残っています。誤植か?と思うかもしれませんが、これはマンガライからの送り込み運用の為、走らさざるをえないのです。回送にすれば解決と思いますが、客扱いするのが面白いですね。

【本数(区間運転含めた営業する全ての本数)と運用数の変化】
終日の運行本数にほぼ変わりはなく、運用数も6本(12連4本10連2本※ただし10連不足のため、現在12連5本、8連1本)のまま変わりありません。6運用中3本が日中タンゲランで昼寝するため、引き続き走行距離調整の場になるでしょう。

◆ブカシ線
チカラン発着大増発

チャクン~ブカシ間の複々線化と、チカラン電留線が完成しない限り抜本的増発の出来ないブカシ線は、チカラン発着の大増発と12連化で当面凌ぐしかありませんが、今回の改正でチカラン発着本数は26本から44本に大増発。朝夕は概ね毎時3本、日中でも基本的に毎時2本が確保されるようになりました。しかし、長距離列車との兼ね合いで等間隔化が難しい上、ランカスビトゥンより本数が少ないというのは、なんともトホホな話です。加えて、2019年12月改正の後、混雑対策で設定されていた毎日運転の臨時、タンブン折り返し列車がこの改正でレギュラー設定されています。

一方で2017年4月からマンガライ・ガンビル渋滞の切り札として設定されていたスネン経由便が削減されています。2017年当初は4往復が設定されたスネン経由ですが、2019年12月改正で11往復に増発。しかし、環状線の東側需要などたかが知れており、日中など誰も乗っていないこともしばしば。逆にマンガライ経由に大穴が空いて迷惑この上なかったのですが、朝~日中にかけてほぼ姿を消します。コロナ禍におけるガンビル発着の優等がほぼ走らなくなったことで、もはやスネン経由にする意義が無いということでしょうか。一応、10往復は設定されていますが、早朝深夜のコタ駅留置車両の出し入れのために残っているようなもので、チカラン電留線が完成すれば、この運用もお役御免です。コロナ禍が明ける頃にはマンガライの一部立体化も完成するでしょうから、スネン経由のブカシ線はこのまま自然消滅かもしれません(立体化部分完成後にはボゴール線から環状線に入るのが難しいため、ブカシ線が環状線直通となり、「の」の字運転をすることが見込まれます)。

ブカシ線の終電は従来ジャカルタコタ23:50発のブカシ行きでしたが、改正後は23:37発のチカラン行きとなり、ブカシまでの最終は13分繰り上がる一方、チカランまでは約2時間もの繰り下げ(従来はジャカルタコタ21:24発ブカシ行きでブカシで乗り換え)となり、チカランユーザーには朗報です。とはいえ、コロナ期間中の終電繰り上げで現状の最終は21:49発のチカラン行きです。

【本数(区間運転含めた営業する全ての本数)と運用数の変化】
・2019年12月改正:上り89本/下り92本→2021年2月改正:上り99本/下り100本(日中の計画運休含まず、夜間のコロナ運休含む)
・運用数:12連8運用/10連8運用→12連8運用/10連8運用(変化なし)※ただし計画運休中の空スジ運用が1本あり

◆ボゴール・中央線・ナンボ線直通・環状線直通
環状線の運転間隔均一化
ボゴール線内は基本的に環状線と中央線を交互に運転
朝の下りデポック行きをボゴールまで延長運転


既に本数が飽和状態のボゴール線、長距離が走るわけでもないのに、故意的にランダムダイヤが採用されてきましたが、若干ではありますがパターン化への兆しが見えてきました。環状線が顕著で、終日に渡り10分毎のパターンダイヤが採用されています(日中は計画運休により、20分間隔が開く場合あり)。特にいやらしいまでにデタラメな感覚だったジャティネガラ発着が基本的に30分毎の運転となります。つまり、環状線内の基本パターンは30分サイクルにアンケ発着1本、カンプンバンダン発着1本(ただし客扱いはアンケから/まで)、ジャティネガラ発着1本となるのです。

ボゴール線内はこれに加え、朝はコタ発着毎時6本、日中は3本、夕方以降は5本~6本程度設定され、だいぶすっきりしたダイヤになりました。朝のデポック→マンガライ間は完全にコタ行きと環状線が5分毎の交互運転となり、デポック発4:20~7:05までの間が完全5分毎、マンガライ始発の環状線を設定する都合等でその後一部10分穴がありますが、8:50までが基本的に5分毎運転となっています。また、これまで一つの運用に環状・中央系統がミックスされていたのをやめ、運用ごとに環状・中央が分離されました。

さらに、驚きなのは入庫都合等で朝ラッシュ及び朝ラッシュ明けに続発していたデポック行きの大半がボゴール行きとなり、ボゴール発デポック行きで入庫というスタイルに変更となっています。この時間帯にはナンボ行きもあり、ボジョングデ以遠に行くのに20~30分間隔が開くということがありましたので、これは朗報。というか、朝の撮影地の選択範囲が広がりますね。朝7時台~10時台までのデポック行きの本数は改正毎の10本から改正後4本に減少しています。しかも、いずれもデポック着毎時53分とパターン化されていて素晴らしい!!

終電関係では、通常23:45発最終ボゴール行きがなぜか2分繰り上がり、23:43発となりました。東京の鉄道のごとく、年々終電繰り下げが続けられてきたジャカルタ首都圏ですが、コロナの時代、ボゴール線もブカシ線もこれも日本に追随ですか(笑) いや、何かの気まぐれでしょう。マンガブサルで一杯やってからボゴールに帰れるということに変わりはありません。なお、コロナ期間中当面の間の最終はジャカルタコタ22:11発、カンプンバンダン22:18発ボゴール行きが最終です。

【本数(区間運転含めた営業する全ての本数)と運用数の変化】
・2019年12月改正:上り257本/下り251本→2020年2月改正:上り257本/下り248本(日中の計画運休含まず、夜間のコロナ運休含む、カンプンバンダンで列番の変わる列車は別列車としてカウント)
私の数え方の問題かもしれませんが、ほとんど本数変わっていない、というか下りの本数が減っている??それでも利便性が向上しているというのは、無駄な列車を削り、間隔を調整した証拠で、やはり素晴らしいですね。

・運用数:12連18運用、10連15運用、8連15運用→12連17運用、10連12運用、8連17運用
ダイヤ改正当初は割を食らう・・・というのがボゴール線の恒例行事。但し、12連余りの状況が続いていますので、実際には10連運用を12連に、8連運用を10連に持ち替えていることも多く、8連は15運用くらいになっています。しかし、今後中古車両の導入がない中、スルポン線が12連化された場合、どうなるのでしょうか。その頃にはINKA/Stadlerの新車が入っているのでしょうかね??

◆タンジュンプリオク線
20分間隔を維持するも日中は削減ダイヤ


公式のリリースを見るとタンジュンプリオク線大増発!!と書かれていますが、2020年10月にダイヤ修正を実施し、カンプンバンダンフィーダーを廃止し、タンジュンプリオク線の20分毎化を実施しています。
ですから、タンジュンプリオク線に関しては特に変化なし。ただし、コロナ期間中、KCI各線で唯一日中の減便を行っているため、20分・40分毎になっており、かえって利便性が低下していました・・・。ダイヤ改正後もこれが改められることはなく、朝夕は20分毎、日中は20・40分毎のままとなっています。日中は30分毎に戻してもらいたかった・・・。言うまでもなく、運用は8連3運用、本数は割愛します。

詳しくは冒頭の上記リンクから時刻表をダウンロードしてご確認下さい。

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