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もはやオールジャパンMRTは時代遅れ!!
※許可を得て撮影

JI〇Aを始めとした日本の関係機関にとって謎に包まれていた、否あえて見て見ぬふりをしていた都市間高架鉄道LRT JABODEBEK、2019年10月に第1編成がチブブール駅に搬入されて早2年が経ちました。以来、大きなイベントはありませんでしたが、その後も着々と車両が到着し、2021年10月上旬時点で31本中、30本が既に搬入されています。地上側の設備もだいぶ整備が進み、連日連夜信号関係の試運転が始まり、その全容が見えてきました。ちょうど、先月、KAI LRT JABODEBEK事業部でお話を伺う機会があったのですが、KAI創立記念日に合わせてなのか、そのピックアップ版とも言うべき(と言ってもかなり詳しい)動画がLRT JABODEBEK事業部のライナちゃんから直々に公開(笑)されましたので、紹介します。




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国営企業コンソーシアムのSNSからは第31編成(最終編成)が
INKA工場で最終試験中とのアナウンス
(こちらもナイスタイミング)

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軸重試験中ですね


というわけで、KAI広報からの公式LRT Jabodebek情報をご覧下さい
インドネシア語ですが、専門用語ですのですぐに理解出来るでしょう
最悪、英語の字幕を付けていただければ

簡単にまとめると、自動運転だが監視員添乗のGoA3.0(シーメンス製CBTC)。保安装置としてATO、ATS、ATPを設置。車両基地内は留置線までは自動運転。31本中、運用(SO)は28本でうち1本が予備(最大27運用)。残りの3本が検査予備。DC、MC、P6、P12、P24、P48等の検査サイクルはシステムで管理されている。運用表通りに車両は動き、日中は10本弱が走行距離節約の為にブカシティムールの車庫に戻る。この辺、インドネシアらしからぬ、と言うかKCIと大きくことなるところで、車両回しまで完全にヨーロッパコンサルが立案、実行させているものと思われます。

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ハルジャムクティ駅に留置中のTs27
運輸省番号は製造時期により、K1 1 19からK1 1 21までに3年分に跨ります

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車内のディスプレイも大きい!!
なお、液晶なのは中扉のみで、両端はLEDという節約仕様

もう少し具体的に踏み込むと、ハルジャムクティ(チブブール)~チャワン、ジャティムルヤ(ブカシティムール)~チャワンは朝ラッシュ時6分毎、両線が供用する都心区間、チャワン~ドゥクアタスは3分毎。日中はそれぞれ、10分、5分毎。パレンバンLRTの例から、トンでもランダムダイヤになるかと思いきや、こちらもしっかり指導が入っているようですね。ジャティムルヤ~ドゥクアタスの所要時間は39分15秒、ハルジャムクティ~ドゥクアタスは36分15秒。営業最高速度は80㎞/h。

28本がSOで留置線は20本しかありませんが、ドゥクアタス、チャワン、ハルジャムクティ、ジャティムルヤに2~3本の夜間滞泊あり。特に両端にはそれぞれ引き上げ線が設けられており、留置線として使用可能。動画でも紹介されていますが、一旦引き上げてからの折り返しも想定されているようです。

なお、運行はKCIではなく、KAI DIVISI LRT JABODEBEK(ちょっと昔懐かしい響きでいいですね)となり、乗車システムはKCI方式が引き継がれ、KMTの共通使用が可能。ただ、最近のMITJの動きからして、来年まで現行のKCI体制が残っているかどうかも怪しく、LRT JABODEBEK事業部は車両の保有と線路を含んだ維持管理こそすれ、開業時には、実際の営業を新生KCJが一括して行う時代になっている可能性も大。

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ブカシティム―ル車両基地完成までの間は
本線上を編成が埋め尽くしています(笑)

なお、着工が遅れていたブカシティムールの車庫は現在、鋭意建設中ですが、横並びに広がる20本の留置線と、日常検査ピット、及び重検査棟を備える、これまたヨーロッパ式の巨大な車庫。ウナギの寝床のような日本式とは訳が違います。

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巨大なブカシティムールの車両基地
※こちらも許可を得て撮影

とにかくわかったのは、このLRTはヨーロッパのヨーロッパによるヨーロッパのためのLRTということ。見てくれはINKAのLRTですが、完全にコンサルの言いなり、というか要求仕様に応えるとこうならざるを得ないと言うか何と言うか。電装品他にボンバルディアでも中国中車でもないCAFが採用されたのも自然な成り行きです。信号、運行システム関係もシーメンス、CAFに占められており、これはKCI関連で惨敗を喫した欧州連合の逆襲と言っても過言ではありません。これは本気のLRTということが肌でわかりました。LRTジャカルタやパレンバンLRTがあまりにもお粗末なため、果たしてどんなものが出来るのかと思いきや、これは似て非なるものと実感。想像以上に質の高いものが作られており、インドネシア初の自動運転鉄道は成功裏に走り出すことでしょう。気になる開業時期はズバリ、2022年8月17日第77回インドネシア独立記念日!!今年の独立記念日ではコロナ禍の長引きから、ジョグジャ空港線の走り出しは、滑ってしまいましたが、来年こそは期待しています。インドネシアラヤ高らかに、メラプティが掲揚されることを!!
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