DSC_0152_R
激レア罐!?の本線走行に沿線は再び大激パ

インドネシアに渡った黄色い日本製機関車と言えば、元神奈川臨海鉄道のDD55-512(運輸省保有)が有名ですが、アンバラワ線の復旧計画が白紙に戻った(勾配が運輸省新レギュレーションに適合しない為)ことから、もはや博物館(ただし留置場所は隣のトゥンタン駅、トロッコ列車の乗車時に見学可)の置物と化しており、今後の再起は絶望的です。この他にチラチャップの民間工場にも日本車輛製の凸型DLが新車として輸出されていますが、こちらは朽ち果てて久しく、私も現物を見に行ったことはありません。






しかし、統計データには戦後19両の機関車がインドネシアに輸出されていることになっています。ただ、残念ながら平成以降のデータは全く反映されておらず、神奈臨は中古であることからそもそも計上されていないのですが、直近にMRTJに導入された構内入れ替え用のモーターカーや保線用のDLもカウントされていない等、全貌を掴むのはかなり難しい状態です。では、最低19両がインドネシアに輸出されているディーゼル機関車とは果たして何なのかというと、主に製糖工場向けに輸出された主に北陸重機などの小型DLです。ただ、実は北陸重機のDLはKAIにもそこそこ導入されています。ジャカルタ首都圏ではなかなか姿を見ることが出来ず、そもそも夜間の作業等が主な仕事ですので、日中は車庫で寝ている為、お目にかかる機会自体が少ないのですが、一昨日、ひょんなことから北陸重機DLの日中走行シーンを拝むことが出来ましたので紹介します。

DSC_0019_R
プルウォサリ駅に隣接するDepo Mekanik(メカニック基地)

今回訪問したのは、こちら。プルウォサリのDepo Mekanikです。メカニック基地とは保線機材の整備基点で、主に各事業部に1か所程度存在し、さらに、その総本山としてチルボンプルジャカンにBalaiyasa Mekanikがあり、保線機材の大規模修繕を担っています。なお、ご存じの方も多いでしょうが、保線機材もかつては主にJR東から中古車が若干渡っていますが、現在は新車導入に切り替わっています。探せば資料は出てくるのでしょうが、流石に事業用車まで手のをばしている暇はないので、果たして北重の作業用DLがどれほどインドネシアにいるのかは不明です。ただ、同型車はがいくらかは存在しているのは確かです。


Balaiyasa Mekanikの様子はこちらからどうぞ

よって、各地のメカニック基地はマニアック過ぎて、現地ヲタからも見向きもされていませんが、プルォサリの基地は他とはちょっと違います。というのも、保線機材の整備と同時に、プルォサリ~ソロコタ間で運行する観光用SL列車の整備も実施している(押し付けられている?)からです。おそらく、インドネシアで最も知名度の高いメカニック基地といっても過言ではないでしょう。もはや実質、SLの整備小屋ですよね・・・。しかし、ここの基地には3両の北陸重機製DLが在籍しています。それが、こちら。

DSC_0023_R
鉄道戦士センガタンのテーマが流れるアレ(笑)
レール巡検用事業用車、2両目のちっこいのも北重製

DSC_1014_R
罐出しサービス?
いえ、本日の主役はこの後ろの黄色い3両目

DSC_0053_R
主役登場!!
後ろ側はいかにも保線機材ですが、こちらから見ると機関車と言い張れそう

この黄色い機関車、KAI上の名称はTMC(トラックモーターカー)となっており、デポック電車区にいるINKAの構内入れ替え用のモーターカーと同様の扱いです。ただ、保安装置がない当地では、機材も車両も同じ。線閉せずに機材の走行が可能ですから、日中にマルタイがしれっと現れることもあります。ですから、これが本線に現れるといっても、別に驚くべきことではないのですが、今日は客車を引っ張るというのですからびっくりです。

DSC_0045_R
巡検車は隣の線に移動
現地で冷改しているのか、冷房用バッテリーカーが繋がっています;;
後部標識板があるので、日中の本線走行も可能です!!

DSC_0059 (2)_R
バッテリーカーの銘板
1975年製??

DSC_0060 (2)_R
北陸重機の銘板
何年導入なんでしょうね

この時点で、最高にマニアック過ぎる展開でお腹がいっぱい(巡検車がカワイイ♪)なのですが、騙されたと思ってジョグジャ・ソロ自治鉄の皆さまと線路際に移動します。果たして黄色いDLはやってくるのか。

DSC_0123_R
2両のオランダ2軸客車を引っ張ってキタ――(゚∀゚)――!!

なんとまぁ、これは良いDL&SLよこかわ号。ミニ車両で揃えた編成美が素晴らしい。しかもSL側ではなくDL側が順光!!これは遥々ソロまでやって来た価値があります。というか、日本製の機関車が客車を引っ張るって、回送とは言え滅多にない機会ですよね。

DSC_0157_R
現地鉄もわかっている人はわかっています
SLの本運転の10分の1くらいの人数で平和に撮影
(正直、SLはどうでもいい人)

DSC_0169_R
HOKURIKU銘板も誇らしげに本線を走ります

205と並べば最高にネタだったのですが、残念ながらこのとき205は既に通過後でソロバラパンで折り返し発車待ち中・・・。まぁそんなに上手くは行きません・・・。そんなこんなで、この後はせっかくなのでこれまた大激パのSL本運転に転線。一体、北重DLは何の為に客車を引っ張ったのか?次回に続きます。

◆いつもご覧いただきありがとうございます◆
1日1回のTETSUDO.COMバナークリックにご協力下さい鉄道コム

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット