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前回は開業していても乗れなかった空港線に遂に乗車
でも観光客の皆さまは注意が必要です

10月14日、インドネシアは宣言通り東南アジア最速の外国人観光客受け入れを開始しました。デルタ株流行に伴う感染拡大で予定よりも3か月遅れでの開国ですが、デルタの流行は宿敵タイ、マレーシアも同じであり、政府目論見通り両国よりも1ヵ月早い開国を実現しています。これで強いロックダウンは何ら意味が無く、経済を回し続けたインドネシアの正統性がますます主張されることになりました。

一方で国内移動に対しては外国人流入に備え、感染者数の激減、PPKM(緊急活動制限)レベル引き下げとは対照的に、10月20日からジャワ本土とバリを含むジャワ島外との移動にPCR検査が義務付けられたり、長距離鉄道チケット購入に昨日26日からKTP番号のみしか利用出来なくなるなど、バリに入った外国人を封じ込める動きも出ています。(※特例の外国人のパスポート番号利用が駅窓口以外にも適用されるのかは別記事で紹介します)




特にジョグジャ空港線は現在、事実上外国人観光客が乗車出来ない状況になっており、その理由と利用方法を紹介します。既報の通り、ジョグジャ空港線は9月1日から一般営業運転を開始していますが、その時点でPPKMレベルが3~4と高く、感染者数が日に5000人程度まで下がったもののヨソ者は乗車禁止。沿線住民でかつ、会社からのレコメンデーションレターなしに乗車は不可でした。無料乗車キャンペーンが終了し、9月18日からはプロモ運賃での運行、つまり公式アプリKAI Accsessから時刻の検索、チケットの購入が可能になることから、これをもってしてもヨソ者乗車も解禁か?と見られていたところ、9月14日からワクチン接種証明での乗車が可能になりました。いや、そう見えたのですが・・・。

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外出自粛要請はどこへやら・・・(自粛自体は解除されていない)
ジョグジャカルタも10月にはこの賑わい
断食明けの6月より密度が上がっています

ジャカルタ首都圏及びソロ~ジョグジャ間のKCI(コミューターライン)でもこれと機を同じくして、ワクチン接種証明及び行動追跡アプリである、「プドゥリリンドゥンギ」のスキャンにより乗車が可能になっています。しかしながら、政府は全国的に同アプリの義務付けを示しましたが、地方部のスマホ未所持者からの反発が上がったことから、この救済のため、KAIの普通列車Ekonomi Lokalは「プドゥリリンドゥンギ」適用外となりました。しかし、ワクチン接種の可否を確認するため、チケット購入にはKTP番号(国民番号NIK)の掲示が必須となっています。元々長距離列車には個人IDが必須でしたので、これを普通列車にも拡大したかたちですが、ワクチン接種可否と紐づけられているのはKTP番号一つであるため、従来認められていた免許証やパスポート番号は使用不可となりました(26日からの長距離列車への適用もこの流れを受けてのものと思われます)。つまり、KTP番号を保有していない外国人はワクチンをしていようがしていまいが、そもそも鉄道を利用出来なくなったのです。窓口では当然駅員にチケット購入時にKTPの提示を求められ、持っていない人はそもそもチケットを購入出来ないのですが、ではアプリ購入の場合はどうなるのでしょうか?

私は以前にパスポート番号でアプリ登録しており(外国人用KTPが以前のプラスチック製から紙ぺらになってしまったので・・・)、自動的にそれが入力されるのですが、買ってみたところエラーになってしまい購入不可。しっかり、こちらもシステムを修正しているのですね。それで、アカウント修正でKTP番号にアップデートしたところ問題なく購入出来ました。しかも、チケット画面を出すとワクチン接種済の証明印まであるじゃないですか。これは素晴らしい!!これで、乗車時にいちいち書類を出さなくて良いわけです。もちろん、ワクチンをインドネシア国内でかつ、KTP番号で登録していない限りこの紐づけは使えず、日本で接種して戻って来たような人は、未接種と表示されてしまい(チケットの購入自体は可能な模様)、書類の持参が必須となります。それにしても保健省のデータベースとKAIアプリがこのようにリンクさせるとは、流石はIT先進国(自称)です。

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アプリでチケットを買うとこんな感じです
SAYA SUDAH DAPAT VAKSINの表示に注目

そんなわけで、KAIの普通列車として運行されるジョグジャ空港線は当面の間、KTPを持っていない外国人は乗車出来ないということになります。空港鉄道なのになんじゃそりゃ・・・ですよね。メダン、ジャカルタのRailink運行路線は、そもそも乗車に個人IDなど求めらず、プドゥリスキャンか接種証明書で乗れるというのにねぇ。ホント、この縦割り行政はなんとかしないと、です。

前置きが長くなりましたが、このKTP番号縛りを除けば非常に便利なジョグジャ空港線。早くこの制限が撤廃になることを祈るばかりです。(でもまだ1年はかかるんでしょうかねぇ)

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この青い看板に従って進めば空港駅に到着
看板だけで駅が無いという状態が2年近く続きましたが、
ようやく駅が出現しましたね

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自動扉を抜けると、ジョグジャカルタ空港駅の窓口
右にチケット発券機械がありますが、アプリを
巨大化させただけなので使い勝手は最悪

とりあえず、読者の皆様がKTP番号を保有している前提で進めますが、空港到着階に出たら、近くのエレベーター、エスカレーターで2階に上がり、駐車場方向に進みます。駅の案内がデカデカとあるので迷うことはないでしょう。そして、駅に着くとRailinkのように無人、現金受付無しという荒業をかけてくることもなく、窓口でチケットを売っているので、安心です。隣の機械でも発売していますが、行き先をインドネシア全土の駅から選択しなければならない上、空港での発着の無い長距離列車の購入画面もあるので、日本人の皆さまにはハードルが高すぎです。だいたい決済がリンクアジャだけではどうしようもありませんよね。おとなしく、窓口でチケットを購入しましょう。行き先はジョグジャカルタ又は途中停車駅のワテスしかありませんから、ジョグジャカルタ!!と言えば自動的に次の列車のチケットが発券されます。10月下旬現在も、引き続きジョグジャカルタまで2万ルピアです。また、運転時刻は9月18日以降のものから変更ありません。

空港(YIA)発     9:25・11:57・14:55・16:49
ジョグジャカルタ発 05:00・07:20・10:19・14:02

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空港線なので、改札は自動改札
アプリで1つのケイタイで複数人分買うと超絶面倒くさい

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外からみるとこんな感じ

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あとは乗車するだけ、ジョグジャカルタまで39分の
快適な旅をお楽しみください

なお、8月20日からKCI、MRT、TJ等の都市交通は乗車50%制限が撤廃されていますが、KAI普通列車の座席7割定員制は継続されています。上の画像の通り、10月中旬~下旬のジョグジャカルタは観光客で溢れており、空港線も発券上限ギリギリの状態でした。おそらく、ジョグジャカルタはインドネシアの空港鉄道で最も成績の良い線区になることでしょう。心配な場合は、KAI Accsessに登録し、事前にチケットを購入することをお勧めします。KAI Accsessの使い方も、どこかで紹介しないとダメですかね。

ジョグジャカルタ駅側からの乗車方法はこちらの記事をご確認ください

ジョグジャカルタに到着したら、これがまたやや特殊で、出口は他のKAI長距離列車、KCIクトアルジョからの普通プラメクスと共通になっています。改札もなく駅員も立っておらず拍子抜けするでしょうが、いきなりベチャやオジェックの客引きを受けると駅の外という、進行方向一番後ろ側にるあの通路です。空港線の自動改札機に行かないように注意しましょう(但しコロナ期間中の旅客動線分離の為の一時的なものの場合があります)。まあ、皆が進み方向に従っていけば、問題はありません。ちなみに、KCIの電車は改札機台数が増やされ、入り口と出口で分離されることになりました。

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KCIの自動改札
(ホーム側から見たところ)
写真手前が入り口専用になり、元からあった改札は出場専用になりました

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入場専用の空港線の入り口
(ホーム側からみたところ)

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とにかくジョグジャルタから空港線に乗る際には、この有人改札に行っては行けません
同じくワテスまでの乗車でもKCIプラメクス号はこちらですが・・・

一見便利に見えて落とし穴があるのはインドネシアあるあるですが、洗礼だと思って罠を潜り抜けて下さい。一度慣れてしまえば、この便利さがわかるはず!! それよりも、このコロナ鎖国の間にありとあらゆるものが変わり過ぎてしまっていますので、折を見て「ジャカ鉄撮影ガイド ジョグジャ拡大版」も進めて参りますので準備出来ましたら、またご案内します。

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