DSC_0905_R
遂に全検出場を果たしたDjoko Tingkir

KCI保有のMCW302系、事業用・救援用気動車「Djoko Tingkir」が3か月以上にも及ぶBalaiyasa Manggarai入場を終え、12月14日、マンガライ~ボゴール~マンガライ間で出場試運転を実施しました。現在、KAI・KCIのオーバーホールは4年に1度(P48)と定められていますが、事業用車はこの限りでないのか、Djoko Tingkirに至っては2010年以来、11年ぶりの全検入場となりました。




とはいえ、KAIが所有するロクに稼働していないピカチュウやRail Clinicを始めとした同型のMCW302系は、きっちりサイクル通り検査に入れています。しかし、KCIは自前で気動車メンテナンスが出来ないことからKAIに整備を委託する必要があります。その委託費用をケチる為に10年間全くオーバーホールしてこなかったというのが実情でしょう。で、結局、酷使がたたって、もはやBalaiyasa Yogyakartaまでの走行も叶わず、Balaiyasa Yogyakartaの出張工事という形式で、Balaiyasa Manggaraiで今回、メンテナンスが実施されることとなったわけです。(ホント、この話、KCIあるあるとしか言いようがない・・・)

DSC_0910_R
金太郎塗りがお似合いです
投石防護網撤去もあり、従来より俄然格好良くなっています

ただ、いくら信頼のカミンズ製にエンジンが換装されているとは言え、そもそも日車KRD、MCW302系の保守部品は枯渇しており、あまりの入場工期の長さに、果たして本当に出場してくるのか?と心配になったほどです。入場前から、配置先のブキットドゥリ電車区でほぼ寝ている状態でしたので、果たしていつ入場したのか正確にはわかりませんが、8月頃には既に入場していたと思います。

2020年末に武蔵野最終陣の入れ替え及び配給に従事して以来、稼働機会が大幅に減っており、資材輸送はトラックに切り換え、そして車両(ユニット)配給は、余剰先頭車(クハ205/204-149)等に挟み込む形での輸送に変更されていました。よって、2010年以降、怒涛の中古車導入ラッシュを一手に引き受けたDjoko Tingkirはその終わりと共に、引退もあり得たわけですが・・・。しかし、Djoko Tingkirには新規導入車両のタンジュンプリオクからの配給ともう一つ、重要な任務があります。そう、廃車回送です。先日のマンガライレポートでもお知らせした通り、ヤルヤル詐欺でいっこうに始まらない廃車回送は、Djoko Tingkirの入場に大きく関わっており、これが出場してこないことには、廃車回送が実施出来ないという状態でもあったのです。牽引は機関車で行いますが、列車分解等の危険、またブレーキ力確保の観点から、廃車回送の後方には必ずDjoko Tingkirを連結する必要があります。もちろん、ピカチュウでも良いのですが、ピカチュウには車両使用料が発生するため、不要不急の廃車回送の為にKCIは金を払う訳がありません。


ピカチュウとは??

とにかく、このオーバーホールには相当の困難が伴ったことは想像に難くありません。おそらく、KCIもまさかここまで時間がかかるとは思わなかったのではないでしょうか。デポック電車区で、廃車回送対象編成の入れ替えが行われたのは、明らかにDjoko Tingkirの出場を見越したものであったはずです。それは、この検査表記からも伺えます。

DSC_0916_R
検査表記上は2021年10月15日出場になっています!!

なんと、この記載によれば10月に本来出場して然るべきだったということになります。構内走行等だけやって不具合が多発し、その場で修復出来なかったということでしょうか。予備部品があるとは思えませんが、廃車解体分からの移植、または使用実績の少ないKAIの事業用車から、部品のもぎ取り等も行われたのかもしれません。まあ、ともあれ、Djoko Tingkirがこうして本線上に再び戻ってきてくれて何よりです。

DSC_0914_R
デザインはKAIの事業用・救援車と同様ですが、
Djoko Tingkirの愛称はそのまま引き継がれています

見た目の変化は、この新たな塗装で、KCI所有ながら独自カラーは採用されず、KAI保有のピカチュウなどと同様のものになっています。目を引くのが前面の塗り分けですが、これは最近のKAI事業用車のデフォルトです。しかし、今回、Djoko Tingkirでは前面貫通路が残置されており、KAI所属車とは異なった、なんだか懐かしさの感じるデザインになっています。MCW302系の登場時は、クリーム&緑のツートンで、前面が金太郎塗りになっていましたからね。

DSC_0917_R
ロゴは側面にKAIとKCIの2枚貼り
これはこれで異例ですね

また、2020年のKAI創立記念日での新ロゴお披露目以降、Djoko Tingkirには前面貫通路上にKAIロゴがデカデカと貼られてしまい、超絶ダサかったのですが、今回の入場ではKAIロゴは前面に設置されず、側面のみへの掲出になっています。会社ロゴを主張するのが大好きな人達ですから、まさかこのようなすっきりした出で立ちで出てくるとは思いませんでした。今後、余計な装飾が付かないことを期待です。

それから、投石防護網が御多分に漏れず撤去されていますが、窓はARS改造車のような平窓にならず、分割窓としているもののパノラミックスタイルが引き継がれてるところも好感が持てますね。しいて言えば、スズメバチを彷彿させる、この主張し過ぎなヘッドライトをKAIS4並みの落ち着いたものに変更してくれれば、もう完璧だったのですが・・・。

DSC_0922_R
後追い
前回の改造時期の差異で、微妙に顔つきが違います

それから、もう一つ。もう写真をご覧になればお分かりかと思いますが、車番が新運輸省ナンバリング規定に沿ったものに変更されています。だって、前回の入場時には、まだKL1 6151とかいう運輸省番号がまかり通っていた時代ですからねぇ。今後は、画像の通りSN3 82 01,SN 3 87 01となります。ただ、この番号には問題があり、SN 3  82 01はシドトポ機関区所属の黄色イモムシにも附番されているため、重複番号となってしまっています。運輸省への報告上も、流石にこれはマズいと思われ、今後どのような対応がなされるのかも気になりますね。

とにかく、これでやっと廃車回送の手はずが整いました。会計上、やるなら2021年内に片付けないと面倒ですので、今後デポック電車区、及びBalaiyasa Manggaraiの廃車に近く手が付けられるのではと思います。年末に向けて慌ただしくなりそうな予感です。

◆いつもご覧いただきありがとうございます◆
1日1回のTETSUDO.COMバナークリックにご協力下さい鉄道コム

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット