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幻のHolec ACと8年ぶりの再会は道路上・・・

公道上に鉄道車両が放置されるという摩訶不思議な光景の真相を確かめるべく、週末はジョグジャ遠征のついでにマディウンまで足を延ばしました。今年、2月下旬頃、廃線(厳密には休止線)となっているマディウン~ポノゴロ線のうち、路面軌道となっているマディウン市中心部区間の100mほどの舗装が掘り返され、線路を再び路面上に露出させる工事が実施されていました。これは「鉄道の町マディウン」ブランドを活かした地域振興事業で、廃線跡を活用した列車レストランを設置する為と報じられ、果たしてどのような車両が用意されるのか、注目されていました。




そして、その注目の車両搬入が4月22日・23日の2日間に渡って実施されました。蓋を開けてみると、基本的にINKA工場内にて用途が無くなっていた事実上の廃車体を活用したもので、元運輸省保有のHolec AC先頭車2両、元BPPT(技術評価応用庁)保有の高速試験車両1両、出自不明の単尺コキ1両、それに、最新型のパノラマ客車1両の4両です。廃車体はさておき、どうして運用にも使えるパノラマ客車を??と思いましたが、この件についてはまた後日。搬入時は全ての運輸省番号が残存しており、K3 1 01 03,K3 1 97 11(Holec AC)、U-09501(高速試験車)、GD 54 15 180(短尺コキ)、K1 0 22 01(パノラマ客車)ということが、現地鉄の報告から判明していました。

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リンク先にその他の画像もありますのでご参照下さい

とにかく、気になるのは一般道路を1車線塞いで、車両をドーンと置いていること、さらに車両のすぐ脇では、商店も営業しており、店の前にこんな車両を置かれたら大迷惑といったところですが、ここはインドネシア。お上に一般市民が逆らうことなど出来ないといったところでしょう。これはマディウン市が中心となって進めている事業ですが、INKAのCSRと言う側面もあるようです。INKAのおひざ元のマディウンですので、これまでもINKAのCSRで歩道や花壇、ベンチ、ゴミ箱など、様々なものが整備されてきました。それが、今回、大本命とも言える??車両本体が設置されるというわけですが、いくら平穏平和な東ジャワの田舎町マディウンと言えど、本物の車両を柵も何もないところに置いて、大丈夫なのか??しかも、脇を車がビュンビュン飛ばして走っているわけで、ただ死角を作るだけの危険極まりない行為ではないか?と不安しかありませんでしたが、現着してみると、流石に当該区間の道路はその後、歩行者天国化されていました。十字路の脇のショートカット部分を封鎖する形で、車両が置かれているのですが、それでも、ホコ天外にも若干車両が飛び出しているので、初めて見たら、これびっくりしますよね・・・。

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冒頭画像の逆サイド
カオス過ぎます

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テントもINKAのCSRで寄贈されています

なお、訪問時点でまだレストラン営業はしていませんでした。おそらく、営業開始後は、列車内で食べるというよりも、おそらく、この路上に屋台やら何やらが並び、あくまでも車両はモニュメントなのではないかとも思ったりします。短尺コキは、音楽ステージにでもするのでしょうか。まあ、屋台が立ち並び始めてからでは、車両メインで撮影することは困難でしょうから、あえて早めに出発した次第です。だいたい、列車レストランなどというものは呪われているので、短命に終わると言うのが定説ですから、善は急げ、です。

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こちらもINKAが設置したコンテナカフェ

わざわざ車両をこんなに並べなくとも、このようなコンテナカフェを中心にすれば大丈夫なんじゃ?とも思いますが、INKAとしても、工場内の廃車体を早く処分したいという思惑もあったのでは?と勘ぐってしまいます。果たして、営業開始がいつになるのかわかりませんが、開業したら、また観察に来てみたいですね。それにしても、暑すぎるマディウン、次回は夕涼みがてら飯を食いに来た方が良いかもしれませんね・・・。

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店の目の前に車両置かれているんですから
日本人的に考えると店主は内心穏やかではないのではと思いますが
Tidak Apa Apaなんですかね

google mapを見てみると、現地鉄がさっそく列車レストランとして登録しており、簡単に辿り着くことが出来ました。市の中央公園の目の前ですので、屋台村として、市民の憩いの場とする狙いがありそうです。タイのメークロン線に刺激されたのでしょうか。あれは生きた路線でやっているから面白いのであって、死んだ車両を置いたところで・・・なのですが、今後どのように展開されるのか注目です。

キャプチャ
マディウン列車レストラン通りの行き方はこちらから
ボゴウォント通りの一部を封鎖するかたちになっています

遠い遠いと言われるマディウンですが、ジョグジャからなら特急で1時間ちょいですので、ジョグジャ遠征のついでに足を延ばされてはいかがでしょうか。各車両の紹介は、また次回に。

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