DSC_1048_R
見れば見るほどに不思議な光景・・・
KRDEに見立てれば、今にも走ってきそうですね

さて、ボゴウォント通りの路駐車両の件、今回は各車両を見てゆきましょう。初回記事をお読みでない方は、まずは以下のリンクからお読みください。





DSC_0915_R
まずはHolec ACから
K3 1 97 11

Holec ACは故障が相次いで撤退した非冷房Holecのうち4連6本24両を8連3本に組み直し、韓国宇進電産が機器更新及び冷房化を実施し、2014年にタンゲラン線に試験投入された車両です。しかし、粗悪な製品といい加減な設計からか故障が絶えず、わずか3か月ほどで撤退という、先代のABB Hyundanに次いで、新たな伝説を打ち立てました。東芝が改修したKRDE HolecがHolec時代よりも長生きしているのとは対照的に、幻と言えるほど短命に終わりました。離脱後、INKAに返却され、工場内で朽ちていましたが、2020年に日の目が当たります。INKA工場内でのコロナ陽性患者隔離施設として、座席を撤去、ベッドを搬入した病院列車に生まれ変わりました。3本全てが病院列車されたようですが、ピーク時はほぼ100%の病床使用率だった模様で、いかに感染者が多かったかを物語っています。しかし、既にこれも過去の話。病院列車としての役目も無くなり、再び無用の長物と化していましたが、そのうちの先頭車2両、K3 1 01 03・K3 1 97 11が、ボゴウォント通りに陸送されてきました。ちなみにK3 1 01 03はTs2のTc1、K3 1 97 11はTs3のTc2ですので、工場内に残る車両が一応、Tc1,Tc2×2を組めるようにはなっていますが、編成を揃えていないことからも、搬出しやすい場所にいた車両を選んだという気もします。残る22両をどう使う気なのでしょうか。

DSC_0955_R
車番及び検査表記は搬入後、塗りつぶされています

なお、搬入時の画像を見る限り、公園側(ステンレス客車の隣)に設置されている先頭車がK3 1 97 11と思われます。また、搬入時は運輸省ロゴが設置されたままでしたが、その後INKAロゴに変更されています。少なくとも、この2両については運輸省からINKAに払い下げられていることがわかります。あまりの不具合ぶりに運輸省が受け取り拒否していた可能性もあり、登記に関し、どのようなカネの動きがあったのは、非常に気になります。

DSC_0973_R
張り替えられたロゴ

DSC_0925_R
車内の様子

車内は病院列車時代のままになっており、連結面側の入り口に受付があり、さらにその奥も、扉で仕切られています。このままではレストランとしては使えませんので、やはり、あくまでも単なるモニュメントのような気がします。

DSC_0980_R
床下
機器はほぼ撤去されています

DSC_0996_R
台車
ブレーキユニット他も取り外されています

DSC_0935_R
こちらが注目のパノラマ客車
K1 0 22 01

続いて、皆さん大注目の22年製トップナンバーを名乗る!!最新のパノラマ客車。そんなカネのかかっているものを置物にしちゃっていいの!?CSRにしても大盤振る舞い過ぎるだろ!!と思ったのですが、こちらも車番、表記類もろとも消されており、これとは別に、おいおい本物のトップナンバーが出場する模様です。輸送時に残存していたKAIロゴはINKAロゴに張り替えられています。

DSC_0932_R
ああ、これは本物の車両じゃないですね

DSC_0929_R
家庭用冷房も既に設置

どうもこれ、KAIへのプレゼン用に製造されたパノラマ客車のモックアップのようですね。既にKAIはパノラマ客車を発注したとも言われており、それでもうこれもお役御免ということで、ここに陸送されてきたものと思われます。風光明媚なArgo Parahyanganなどに連結されたら、人気を博しそうですが、高速鉄道の件もあり、どうなるのか??オールパノラマ組成の観光列車を走らせるというのはあり得るかもしれません。

残念ながら、この日は扉が閉ざされており、中を観察することが出来ませんでしたので、現地鉄Zidan Nando様からいただきましたので、紹介します。

車内の様子
279215600_3227711600849577_6274504731594263799_n


279109968_3227711700849567_7267073340845628313_n


279150821_3227711727516231_5595003181707042285_n

このように当然、内装工事も完成しているのですが、連結面の窓から覗くと、何やら工事をしているようにも見えました。

DSC_0923_R
KAIへの提案に使ったのは車両半分のみで、残りは現場でレストラン用に改造
しているということでしょうね

このように、車両半分はべニア板丸出しで、今まさに改造の真っ最中という感じ。先ほどの室外機に繋がっている家庭用冷房も見えます。この部分だけ車内で飲食出来るようになるのでしょうか??

DSC_0994_R
隣はコンテナハウス
チケット売り場にでもなるのでしょうか?
なお、電力はここから供給されており、両端のHolecまで
ケーブルで繋がっています


DSC_0942_R
置く必要あるのかという感じのコキ
これにも隣のコンテナハウスから電線が伸びています

お次が短尺コキで、台車は仮台車。この車両のみ、GD54 22 41という番号が残っていますが、現地鉄によると元番号はGD 54 15 180だそうです。どうして車番を書き直して残したのか、謎ですね。

DSC_0945_R
こちらも幻の高速試験車、U-09501

K9台車にプラグ式自動ドアという、同世代のArgo Bromo Anggrek用客車(改修前)と同じスペックと思いきや、下膨れでない箱型という不思議な車両。もと所有はBPPT(技術評価応用庁)で、走行実績は5回あるかどうかという薄命な車両です。アルストムが技術協力したボルスタレスK9(CL243)台車に根本的な欠陥があり、Argo Bromo Anggrekで脱線が続発し、INKA返却。台車をK9改に履き替えた上、2010年頃から順次再投入しているとう、曰くつきの車両ですので、K9オリジナル台車を履いているU-09501は、ほとんど本線上を走ることが出来なかったものと思われます。まあ、私の世代としては、オリジナルK9台車を見る機会がなかったので、今回まじまじと観察してしまいました。

DSC_0947_R
今や貴重なK9(CL243)台車

当然、空気ばねはパンクしてしまっていますが、見た目、一般的なボルスタレス台車ですね。2000年代初頭の線路事情は今と比べ物にならないほど劣悪ですたので、線路との相性が合わなかったことに尽きるのかもしれません。まあ、これ以来、客車はボルスタ/コイルバネに戻ってしまい、日車NT11の発展解消型であるTB1014になったというのは日本にとってはラッキーだったのかもしれませんが。コイルバネのままですが、そこそこ乗り心地はいいですからね。

DSC_1038_R
そして反対側のHolec AC
K3 1 01 03

5両目は再びHolec ACですので、解説は不要でしょう。

次回はレストランが開業してから、訪問してみましょう。そして、実は今回、元祖鉄道レストランにも寄り道していますので、これはまたの機会に。

◆収支がかなりマズイ棒◆
1日1回更新維持の為、TETSUDO.COMバナークリックにご協力下さい
鉄道コム

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット