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オレンジ&クリームのオリジナル塗装に復元され、正門前で展示されている
初の国産客車1982年製「Belo Kuda Troya」

マディウン遠征の続きです。ボゴウォント通りの観察を終えた後は、挨拶がてらINKAへ。実はこちらでも2020年中ごろに保存車両を活用したカフェが誕生しています。注目は、INKA工場から門外不出だった初の国産客車として製造されたプロトタイプ、「Belo Kuda Troya」です。車内半分はカフェスペースに改装されていますが、半分はデビュー当時の姿に復元されています。




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この内装に懐かしさを感じる人は多いのではないでしょうか

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半分はカフェ車両に改装されています

戦後のインドネシアのエコノミー客車と言えば、この木枠座席に妙に背の高い背づりというか仕切りですよね。2012~2013年頃、このスタイルのまま座面のみビニール張りのクッションに更新しているものにランカス線だかで当たった記憶がありますが、今はもう現存していません。これもあくまでも復元でありオリジナル品ではありませんが、INKAのこだわりを感じますね。

インドネシアには戦後、ルーマニア、東ドイツ、それに日本等から客車が1980年代初めまで多数導入されていますが、日本車両を幹事企業とした日本の支援でINKAが1981年に設立されました。それ以降は、ノックダウンに始まり、そして現在は自主設計の車両も多数生産しているのは周知の通りです。

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NT11(K5)台車
おそらくこれはオリジナルではなく、廃車発生品でしょう

そんなわけで、このプロトタイプ車は基本的に日本が導入した客車に準じて製造されており、紹介看板に日本メーカーのノックダウン生産との文言はありませんでしたが、限りなくノックダウンに近いものと思われます。台車は日車のNT11をライセンス生産したものを使用しています。

ただ、この車両の来歴はやや複雑で、INKAが初めて製造した車両は1982年の石炭ホキと紹介されていますので、厳密にはINKAの前史であるBalaiyasa Madiunにて、INKA設立前のアイコンとして製造されたというのが正しいのかもしれません。また、店舗内のINKAの歴史展示では1981年に製造されたことになっていますが、車体表記は1982年となっています。この辺は相変わらずのインドネシアです(2011年製のKFWの運輸省番号が2013年とかね・・・)

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INKA-1982とあるのは何故??

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店舗内の紹介では1981年となっています

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極めつけはこの模型で、製造年が1979年とあります
何故??

KFW流に1979年に完成していても、その後の完成式典が1981年、運輸省許可が下りたのが1982年とか、そんな感じなのでしょうか。識者の皆さま、差し支えなければコメント又はメッセージ頂けると助かります。

その他画像
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コーヒーと軽食は店内でもいただけます
こちらの方が冷房効いているし、車両臭さがないので快適です

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INKA工場を忠実に再現したNゲージスケールの巨大ジオラマも!!

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入り口

びっくりしたのは、入り口はかつてのINKAの工場ゲートで、ここ入っていいのか?と思いましたが、セキリュティの姿もなく、セキリュティ小屋を除くと、そこが揚げ物等のキッチンに転用されており、かつてのINKA本社と思しき赤瓦の本館が丸々カフェになっていました。看板も何も無いので、知らない人は素通りですよね・・・。

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INKA史上最大のケツ作(黒歴史)??
もはやモックアップにしか見えませんが、かつては工場内で走行した
という実績を持つLRT車両がお出迎えしてくれます

ともあれ、鉄道の町マディウンがこのように、鉄ヲタ向け?にプロモーションをしているのは面白いですよね。ジャカルタからではかなり遠い・・・ですが、是非一度は訪れてみてはいかがでしょうか。

おまけ
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INKA前には半併用軌道の線路がありますが、こちらは現役の
プルタミナ製油所への引き込み線。
ただ、最新の報道によると併用区間廃止の計画があるようです。

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