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ついに高速鉄道がジャカルタ(ハリム)到達、そして・・・

ルフットからの最後通告(仏の顔も三度まで)により、8月17日のインドネシア独立記念日当日にソフト開業(生ける死重を載せた状態で1本走らせること)するが至上命題となっているジャカルタ~バンドン高速鉄道及びLRT Jabodebekですが、去る5月15日から待望の試運転が始まり、一心同体である両社が足並みをそろえた格好になっています。そのうち、高速鉄道の方は5月19日に高速鉄道車両がついにハリムまで到達しました。当方、19日は仕事で抜け出せなかった為、翌20日の撮影です。









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2日目はドクターイエロー(CIT)編成でした

記念すべき、19日の初回全線試運転では、営業用の赤帯“レッドコモド”第1編成が充当され、バンドン~ジャカルタ間を低速で2往復しています。ただ、あくまでも入線試験であるため、まだ信号関係は稼働していないようで、往復ともそれぞれ同じ線路を走行しています(2往復目に初めて転線)。最大のサプライズはLRT Jabodebekとの並行する区間、しかもブカシ市がわざわざ開設したこの高速鉄道見晴台の前で高速鉄道とLRTを並走させたということで、偉大なるインドネシア(Indonesia Raya)を全国民に知らしめる格好の材料になっています。残念ながら、2日目は並走サービスは無く、これは今後の課題です・・・。営業開始後、何回か挑戦すれば並ぶか??

2日目のCIT編成もやはり同じくで、1往復目は往復とも北側の線路、2往復目は南側の線路を走行し、今後の高速運転に必要な検測を実施しているようでした。パンタクラフは2基中1基のみ上昇し、架線点検用のライトが点灯していました。それにしても、3月下旬にレールが締結され、追うように電力、信号・通信も完成し、怒涛の追い込みでした。もはや、日中のみの作業など悠長なことは言っていられず、夜通しで追加のバラスト散布、レール削正が試運転開始直前まで続いていたようです。マンパワーが為せる業と言えるでしょう。

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集電用パンタクラフでそのまま検測しているのですね
こんなただのシングルアームで350㎞/h対応なのが驚き

まあ、高速鉄道は中国が全面的にやっているので走って当然、そもそも初めから2024年本開業予定ですから、端から2019年だの、2021年だのに開業するわけがなかったのですが、問題はジョコウィの本命、国産LRT、LRT Jabodebekです。


今回こそは、“ドリーム交通化”を免れたようです

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誰もが2023年8月ですら開業は出来ないと判断した中、
ついにブディカルヤが頭を下げました

通勤電車すらマトモに作れないINKAが、打倒クラナジャヤ線!!の掛け声だけで自動運転LRTなど作れるはずが無く、実際問題、シーメンスからソフトだけ買って、自分らで組み立てていた自動運転システムの調整が全く出来ず(先生の指導無しに工業高校の生徒が自動運転を実現させたらビックリですよ!!)、1年以上に渡って、開業準備が何も進まない状態でした。クラナジャヤが1998年に自動運転を実現できたのはマレーシアが金を払って全てをボンバルディアに丸投げしただけという単純なお話であって・・・(というかマレーシアは未だに全部メーカー丸投げで、自国で技術者養成を行っていない)。

が、流石にこれでは2023年の開業すら出来ない、というか、ハリムへのアクセス鉄道たるLRTが高速鉄道開業に間に合わなかったら総スカンを喰らうのは明らかであり、ついに観念した運輸相は、今年入ってから、英国鉄道コンサルCross Rail(MRT東西線から梯子を外され、何が何でもジャカルタ案件取りたかったそうなので、CrossRailとしては渡りに船でしょうな)に頭を下げて、自動運転システムのインストールとチューニング諸々一式の支援を要請しました。安請け合いのアジア沈没系イギリス人(笑)が入って来たのは3月か4月そこらだったと思いますが、なんとか5月15日に間に合った次第・・・。シーメンスの本家技術者に要請せず、どこの馬の骨かもわからない在野のイギリス人ってのが、うさん臭すぎるのすが(笑)とはいえ、この寄せ集め集団にイギリスまでも参入するとは驚きです。

設計コンサル:シストラ(仏)
施工管理:オリコングローバル(日←と言っていいのか?実際働いてるのインド人だったけどw)
土木:アディカルヤ(インドネシア)
車両(非電機品、車体等):中国
車両(電機品等):CAF(スペイン)
信号・通信:シーメンス(独)
雑用(追い込み):Cross Rail(英)←NEW


ここからが長かった・・・
車両搬入から開業まで4年ですよ・・・
オ★コンw、施工管理が完全に崩壊していますけどww

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フル点灯!!

でも、こうして走り出したので、とりあえず8月17日には死重を載せて自称営業開始が出来そうですね。1本の線路を1本の列車が行ったり来たりという、韓国方式かと思いきや、ちゃんと複線走行しており、15分間隔くらいで上下線ともジャンジャン走らせていましたので、お猿の電車は回避出来そうですね。ただ、気になるのは駅入線前に一旦停車し、再力行して超低速で入線して、ホームドアに合わせて止めていましたので、自動運転はまだやっていないような感じでした。運転台カバーを開けて、有人運転でしょう。また、行き交う編成番号を見ていましたが、時間的にドゥクアタスまでは到達しておらず、ブカシティムール~チャワンBNN間の往復が、今のところの試運転区間と思われます。8月17に日に自称開業するのもブカシ線だけで、チャワンBNN~ハルジャムクティはまだ先になるのでは、と予想します。

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構図がカツカツですが、複数編成走っている証拠写真を
今日は置物じゃないですよ!!

現政権、最後の独立記念日、「ジョコウィ君の希望」がついに叶います。果たして何が起きるのか、戦後のインドネシア史上最もアツイ8月17日がもうすぐやってきます。

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