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もはや旧聞に値しますが・・・(16年10月8日じゃか新)


昨年伊勢志摩サミット時にちらっと内容がリークされ、その後10月のルフット海事調整相の訪日で具体化したジャカルタ~スラバヤ間の高速化(スーパー特急化)案件ですが、先月1月15日の安倍首相来イ以降、動きが活発になっています。首相は、何が何でも日本のインフラ輸出にご執心のようですが、当ブログでも折に触れて話題には出している通り、そう一筋縄に行く案件ではないのは明らかです。パンフレット配って、顧客がホイホイ釣れたら誰も苦労なんてしないわけで、そろそろ勉強してもらいたいですよね。このまま行けば、ジャカルタ~バンドンの失敗の二の舞を演じることにもなりかねません。今更、バンドン新幹線の件を引き合いに出すのも難ですが、正直今回の北本線の高速化は譲れないものがあります。ジャカルタ~バンドン間なんてもはや、3~4時間に1本の短編成特急が走る程度の需要、はっきり言ってあんなもん、新幹線テスト線レベルなのです。日本史に出てくるだけという理由で有名なバンドンですが、正直どうでもいい・・・。対し北本線のダイヤを見れば一目瞭然ですが、最ピーク時15分毎に1本以上の頻度でジャンジャン特急・急行が走り、さらにその合間に長大貨物が入る、それほどの過密区間なのです。もちろんこれを可能にしたのも、本邦案件による北本線全線複線化が完了したからに他なりません。そんな区間をみすみす中共ないし、第三国にみすみす渡してたまるか!!というのが私の本音ですし、旅客にしても貨物にしてもジャワ島の根幹である北本線を他国に取られたら、本当に日本はオワリだと思います。インドネシアの鉄道案件は完全に敗北です。ただでさえ、ジャカルタ首都圏では車両使用30年ルールの本格適用に伴い、中古車両の導入は2020年を待たずして、停止となる公算がかなり高く(契約済のメトロ6000で最後か?)、日本のインドネシアにおける立ち位置は危ういものになっているのですから。

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2月11日じゃか新


が、しかし。さっそく毎度のインドネシアマインドに翻弄され、上の報道の通り、いきなり日本は出鼻をくじかれた格好です。ジャカルタ~スラバヤ3時間半なんてチャレンジングな目標を立てたものの、それはあくまでも希望であって、その後二転三転しつつ、5時間程度、いや実際にはそれ以上?で落ち着いたわけです。そして、ついに本音が出ましたね。電化による高速化など、勝手な日本の妄想だったわけで、インドネシア側としては端から非電化でやるつもりだったわけですよ。私としては、予想通りの結果で、無知な役人コンサルよ、ざまぁと言ったところなのですが。ことの発端を考えれば、運輸省予算で非電化のまま、高速化するという話なのであって、誰も電化するなんて言っていません。が、素人目に見てもわかる通り、いくらCC206を重連にして、踏切をなくしたところで、大したスピードアップも出来ないですから、おそらくそれがわかり、日本に泣きついてきたのでしょう。新幹線で冷え切った日イ関係を立て直すのにも好都合ですし。それでも、今回FS調査額の段階ではありますが、日本の半値の額を示してきたということで、日イ間の温度差は否めません。それをしっかり説明しなければならないのに、日本側は慌てて値引き、なんてことをしてしまうのでしょうなぁ。

仮に電化するならば・・・Bekasi線の電車区間がCikarangまで延長されるんですよ。30年前のマスタープランならば、通勤電車と長距離列車を完全分離なんてことも可能でしたが、Bekasi~Cikarang間は供用区間になる、つまり長距離列車は電車にしろ機関車にしろ、交直両用車になるんですよ。だいたいセクションはどこに置くのか。Cikarangの先?馬鹿ですね。CommuterのCikampek延長を何も考えていない。置くならCikampekの先でしょうね。そして、貨物や、支線区から直通してくる列車の問題。世界の鉄道ビジネスの基本は貨物輸送、旅客はオマケにすぎない。それが、我が国は国鉄末期の労使関係のもつれから、ここまで旅客に偏重してしまった(だからローカル線が儲かるわけがない)、この時点でガラパゴスなのです。それをまたインドネシアに持ち込もうとしていませんか?だいたいこの国の貨物列車とか定時で走らないんだからさぁ。どうやって高速特急のスジ引っ張るのさ。

このプロジェクトは本気でやったらジャワ島内の車両を全て総取り換えするような、そういう規模のものになってくるのです。旅客は電車化するにしても、機関車は電機、ディーゼル含め、現状換算でも100両弱は必要になってくるでしょう。だから、他国の手にみすみす渡すなんてことにはなってほしくないわけなのですが、やるからやるからに、真剣に考えなければ、この案件を完遂することは出来ません。そんなビックプロジェクト、今の日本に出来るのでしょうか。

そもそもどう頑張ったって、ジャカルタ~スラバヤ間で飛行機に勝ちようがない。だったら、別にもっとゆっくり走ったっていいわけです。それでも、例えばジャカルタ~チレボン、ジャカルタ~スマランなどの区間では相当所要時間が短くなるわけで、効果は大きなものになります。日本がやっていることは、東京~新函館北斗を何が何でも4時間切らせようというという不毛な努力と全く論点が同じなのです。その辺をしっかり議論したうえで、スタートしないと、結局誰も儲かりませんでした・・・というパープルラインの二の舞になります。ジャカルタMRTとて、他人のこと言えないでしょう、きっと。

そうなると、これまでの繰り返しになりますが、現実的に、旅客には高性能のDC特急入れて、あとは現状に近いものになるというのが、妥当なラインになってくると思うのですが、どうなんでしょう。それだけで十分スピードアップ出来ますから。とはいえ、それでも懸念されるのは、日本に高速用気動車を作るのかということ。が、現時点での特急気動車の最高峰とも言うべきキハ285がドブに捨てられた状況には目も当てられません。北海道でお守りできないのなら、せめて鉄道総研が買い取るくらいのことはするべきだったのではないでしょうか。営業車を見てみても、現時点での完成形(と私が勝手に思っている)四国のTSEおよび同型のHOT7000系も、四国のものは、もはや用済みと言わんばかりに2600系というあまりにも平凡すぎる車両に取って代わられようとしてるではないですか。8600系の前例の通り、車体傾斜ごときでは最速スジでは走れない。もう、日本の鉄道はスピードアップを諦めてしまったと言わざるをえません。鉄道業は斜陽産業と言われれば反論する余地もないくらいに・・・・。そんな業界が世界で勝てるわけがないではないですか。当然のごとく、中国に、欧州に負けるわけです。遡れば、新幹線建設からの国鉄解体、それこそが鉄道の地位凋落の発端になるのでしょうけど、その議論は堂々巡りするだけですので、現状をどう打開するかしか、残された道はないでしょう。とりあえず、四国で廃車になる2000でもいいから、インドネシアに貸し出しませんか?いや、北本線というか、バンドン線で効果を発揮しすぎて、新幹線いらねぇって話になってしまうか(笑)

そして、今回日本の最大の敵になる可能性があるのが、トランプ大統領で話題持ちきりのアメリカです。すでにこちらのブログでもコメント欄などに、それとなく書いていますが、いまいち反応がありませんので、もう一度書きますが、インドネシアはアジアにおけるGEの一大拠点です。バライヤサジョグジャはいわばGEジョグジャカルタ工場です。GE罐が故障なく、そして適切なメンテナンスが実現しているすべての秘訣はここにあります。GEがトータルパッケージで受注しているからこそできる業。が、前述の通り、仮に北本線が日本の手によって電化、高速化された場合、ほとんどのGE機関車が職を失うのです。しかし、世界の機関車市場を席巻する天下のGE様がみすみす日本なんぞにインドネシア利権を渡すなんてことがありますか。事実、GEは昨年末頃からKAIとの蜜月の付き合いを一層アピール(ASEAN鉄道会議もありましたからね)していますし、このほど、インドネシア向け車両の国産化率を上げる旨の報道も出ているようですし、これは暗に、日本ごときにインドネシア市場は渡さないと言っているようなものです。また真偽のほどはわかりませんが、アメリカ自体が北本線?への改良に資金をつぎ込むとか、そんな話もちらっと出ていたりするわけです。企業がピンチとなれば、国が救ってくれるわけです。いや、企業というより、国策企業と言った方が正しいか。日本にはそれが出来ないのですよね、馬鹿正直だから。


だから、北本線高速化計画がそんな一筋縄に進むわけがないのです。なんだか、半ば日本が案件取ったような報道がなされていますが、まだまだこれからですよ。安直な考えですが、日米中の三つ巴の戦いの火蓋が落とされるのではと見ています。しかし、正直日本はかなり不利な位置にいるとしか言わざるを得ません。前述の通り、これを真面目に取り組むとしたら、本当に気宇壮大な計画になる。これを最安値での入札なんて、出来ないでしょう。

ですから、何度も言うようですが、我が国にとって最後の切り札になるのがCommuter区間へのATS-P投入。それも無償で。せめて中央線内、欲を言えばCikarangまで、先行導入してしまえば、他国の参入を原理的にシャットアウト出来るのです。こういうことを書くと、そんなところに税金使うなと文句を言う輩が出てきますが、仮に数億円を投じたとしても、向こう30年、50年、いや未来永劫ジャワ島内の鉄道改良案件は日本の専売特許になるのですよ。5倍返し、10倍返しで利益となって返ってくるはずです。


さて、真面目な話ばかりしていても、飽きてしまうでしょうから、他の記事も。結局ジャッジが下されるのは来月の決選投票に持ち越されることになってしまったジャカルタ州知事選の陰で、このところ鉄道関連の記事が多かった某じゃか新です。

2月10日

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LRT(KerapaGadin地区)車両、ヒュンダイロテムが落札


が、実際に製造するのは悪名高き宇進・・・。本当に凝りないねぇ。ヒュンダイロテムによると納期が迫っていること(15か月)を受け、同じく韓国の車両メーカーである宇進産電と協力することを決めた上で入札に臨んだ云々・・・、はぁ?初めから韓国ありきのデキレースだろうが。だいたいKerapagadinのLRTは韓国マネーで作ってるんだからさ。そもそもあと1年で開業?まだ柱しか立っていないのに。乗務員とかどうするんだよ。運輸省規定では2年のハンドル訓練が必要なんじゃないですか??たかだか総延長約5㎞、単線並列で1閉塞、信号機なし、保安装置なしの遊園地の遊具扱いですかね?アジア大会終了後はドリーム交通と化して終了って感じ?それならあと1年で出来るか。記者も現地報道鵜呑みにしているだけで、何もわかっちゃないよな。

2月17日

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シールドマシン、スティアブディ駅に到達


南北から4台のシールドマシンで掘り進めた地下区間が、これにて貫通です。が、日本も他国のことを笑っていられない・・・、公式ガセ情によると2019年3月開業とのことで・・・。というか公式ガセ情をよくも、日系紙たるものがあたかも真実のように書けるよな。え?だったら空港連絡線だって、もう開業してなきゃおかしいだろうが。それはさておき、MRTを見ていると、いかにあのLRT計画がお粗末だということが良くわかりますね。これだけの精鋭部隊を結集させて造っても、これだけの時間を要し、汗水たらして開業に向けて努力されているというのに、前述の通り、LRTなど、側だけ作って電気流して、走らせましたなんて、やっぱありゃおもちゃですよ。あちらさんにはプロフェッショナルというものがいませんよ。

2月25日

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バンドン新幹線来月に着工


え?もう着工していたんじゃなかったの?中共乞食とインドネシア乞食の泥沼バトルが早く見たいですねぇ。金を先に出さざるを得なくなるのはどっち??新幹線駅周辺にはAPM導入を示唆(バンドン駅部には先日企業展に出展されていた国産APMの導入が決定)。

2月27日

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空港鉄道駅、来月末に完成


だから、いくら空港側だけ出来たって、都心部側が何も出来ていないのよ。は?7月運行開始??まだそんなガセネタを書くかこの新聞は。3月に開業出来なかった時点で気づきなさいよ。で、また7月になれば12月開業とかほざくのだろうな。BatuCeper駅の接続部が全く工事が始まっていない状況で、未だに家が立ち並んでいるのです。だいたいINKAはいつになったら車両製造を開始するんですか!!まあ、でも空港鉄道はどんなに開業が伸びようとも責任者がいないから、首が飛ぶ心配もなく、気楽でいいですね。PT.Railinkの責任範囲は開業後のオペレーションのみです。現時点では勝手に運輸省が工事を進めているだけという状況。


最後に問題です。この中で一番先に開業するのはどれでしょう?(笑)
これくらい軽い気持ちでいるのが一番ですよね。