
日車KRD改造、巡察車第4弾は5両編成&流線形
昨年12月上旬にBalaiyasa Yogyakartaの試運転線にその姿を現して以来、インドネシア人鉄界隈を賑わしていた日本車輛製MCW302系改造の巡察車、Kereta Inspeksi4(Rail Four)。第6事業部管内で長らく試運転を行っていましたが、1月20日早朝、Yogyakarta~Kutoarjo~Cirebon~Jatinegara~Kampung Bandan~Tanah Abang間で回送されました。シンカンセンがついにジャカルタ地区へ入線です。後日、Serpong(Banten)線Rangkas Bitung~Serang間の電化着工前の政府視察団の輸送に充当される予定です。
ご承知の通り、近年日車製気動車を改造した事業用車両の導入に無駄に力を入れているKAIですが、ついに巡察車は4本目に・・・。しかも5両編成と、どう考えても過剰な設備投資で、社長の自己満足やろ!!と鉄ヲタ掲示板では野次が飛び交っています。要人輸送など3件も4件も発生するわけがなく、ジャワ管内はRail1とWijaya Kusumaの2両、スマトラはSriwijayaの1両で長らく賄ってきた(実際には政府保有の黄色いやつ+特別客車がさらにありますし)わけで、線路が3エリアに分断されているスマトラのメダン、パダン、パレンバンの各事業部に配置したとしても、というかRail OneとWijaya Kusumaの2両がスマトラ転属したことにより、実際そうなったのですが、ジャワにはジャワでその後Rail Two(Kereta Istimewa)、Rail Threeが配置されたため、もはやRail Fourなんて作らなくても・・・と言ったところです。私的には、まだ使えるMCW302系がこんなにあったのかよ!!というのが最大の驚きではありますが・・・。
2017年以降、事業車改造されたMCW302系を書き出してみると・・・
CSR車(切妻顔)
Rail Clinik1 2両
Rail Clinik2 2両
Rail Clinik3 2両
Rail Clibnik4 4両
巡視車(イモムシ)
Rail Two(Kereta Istimewa) 2両
Rail Three 2両
Rail Four 5両【NEW】
救援車
Kereta Api Penolong(ピカチュウ) 2両
Kereta Api Penolong(黄イモムシ) 2両
と、計23両にも上ります。これだけあったら、スラバヤ地区のCommuter輸送(4連×5+予備3両)で十分使えるじゃんと思うのですが、液体式のメンテナンスを毎日なんてしたくないというのが本音などではと思います。スラバヤのCommuterなど、まさに政府既定の最低運賃保証ですし、かといって政府補助金など雀の涙ほどしか計上されておらず、これではKAIにやる気が出ないのは当然です。とは言え、まだまだ使える車両を廃車するわけにも行かず、事業用車として活路を見出すというのは、納得できる答えでもあるのです。

発電機設置して、重量バランス大丈夫?
(1両目がプラレールの動力車の如く、アタマが上に向いているように見えますが??)
さて、今回登場したのはその事業用車シリーズのうち、巡視車の4例目。これまではイモムシと称される緑色のデザインで、独特の前面形状(何故かその後登場した救援車の2本目にもこのデザインを採用、当方、走行は未撮影)をしていましたが、なんと今回はフルモデルチェンジ。イモムシ時代から採用されていたインドネシア人(東南アジア全般でしょうけど)の大好きな流線形をさらに際立たせ、漫画の世界から飛び出してきた“夢の超特急”さながらです。エディ社長もめっちゃ嬉しいんだろうなぁ!!後日乗車するであろう、ブディカルヤも満面の笑みを浮かべるでしょうねぇ。
ただ、タネ車は70~80年代製の日車KRD。側面、いや足回りとのギャップは悶絶ものです。かつてのフィリピン国鉄のボンネット特急と張り合える変態ぶりと言えましょう。ジョグジャ工場で目撃情が出てからというものの、これは撮りたいぞ!!と悶々とした日々を送っていましたが、意外に早く上京してくれました!!現地鉄の間でも、すでに“シンカンセン”や“スーパーはくと”の愛称が付けられているRail Four、ジャカルタ近郊には例のごとく現地鉄が殺到したことは言うまでもありません。私もお昼休みに抜け出してきましたが午後のBekasi線、この時期ならばバリ順光なのですが、毎度のどんより空だったのがただただ残念・・・。是非リベンジをしたいものです。

1両目、K3 3 87 01の床下とKereta Inspeksi4のロゴ
え、てか今回はK3なんですか!?

2両目はK2 3 82 01
1両目は書き間違い??

K2 3 80 01
この3両はエンジン類が撤去されており、キサハ化されています

K2 3 82 08

K3 3 82 12
先頭車だけK3なのは何故??

後追い
ちなみにこの車両、改造後の試運転中、度々前面デザインが変更されており、その都度話題を振りまいています。参考までにクソ修正画像ですが上げておきます。

登場時スタイル
フォグランプが設置されておらず、一番格好良かった
これがスーパーはくとと呼ばれた所以

フォグランプ設置後(初代)
KAIの大好きなツリ目のバス用灯具
やっちまった感が否めませんでしたが、何故かすぐに交換されることに;;
現行スタイルで再出場してきて、ホッとしましたよ

登場時スタイル
フォグランプが設置されておらず、一番格好良かった
これがスーパーはくとと呼ばれた所以

フォグランプ設置後(初代)
KAIの大好きなツリ目のバス用灯具
やっちまった感が否めませんでしたが、何故かすぐに交換されることに;;
現行スタイルで再出場してきて、ホッとしましたよ
気になるのは、今後この車両がRail Two改めKereta Istimewaの如く一般貸し出しにも対応するのかどうかというところですが、5両編成では100人弱の定員となるわけで貸し切りのハードルは高く、乗る機会はなさそうな感じです。そんなわけで、最後に、先日当方の結婚式で証人をしていただいたKAIの重鎮、R氏より内覧会での車内画像を頂きましたので紹介します。

先頭車
流線形のため、客席からの視界は悪めです・・・
その分、運転席は広々。幹部添乗には向いていますね。

お決まりのカラオケゾーン

客席
中間車は機器室がない為、広々としています

今回、初めて登場したラウンジカーとも言える車両

会議室
排気ダクトがないので、これがキサハでしょうか

車内のエンブレム、実車より格好いい!!
上記画像6点の撮影:R様
画像提供ありがとうございます
おまけ
朝のマンガライを上空から6倍速タイムラプスにて観察。
お楽しみ下さい。


先頭車
流線形のため、客席からの視界は悪めです・・・
その分、運転席は広々。幹部添乗には向いていますね。

お決まりのカラオケゾーン

客席
中間車は機器室がない為、広々としています

今回、初めて登場したラウンジカーとも言える車両

会議室
排気ダクトがないので、これがキサハでしょうか

車内のエンブレム、実車より格好いい!!
上記画像6点の撮影:R様
画像提供ありがとうございます
Rail Two(Kereta Istimewa)を実際に貸し切った話はこちらからどうぞ
⇒11月30日結婚式団臨運転報告
⇒11月30日結婚式団臨運転報告
おまけ
朝のマンガライを上空から6倍速タイムラプスにて観察。
お楽しみ下さい。

コメント
コメント一覧
だったら、無料招待くらいしてもらいたいものですねww
この列車は、ジャカルタ~スラバヤ高速新線で使う新型特急気動車の試作でしょうか。
流線型の外装や豪華な内装を見ると、そう思います。
違います。80年代の日車製MCW302ですから、100㎞/hを出すこともままならず、高速もへったくれもありません。おまけに台枠まで曲がってしまっているんですから、分解バラバラになるのも時間の問題ですよ。内装もこれまでの巡視車通りで、あくまでも社長の自己満足のための自家用車と言ったところです。
ご回答有難う御座います
そうでしたか。確かに特急にしては豪華過ぎますね。