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もはや4連の姿が貴重だったとも言える
ジョグロ線の205系M22+M23編成

こんな状況ですので不要不急のネタもなく、ジョグジャ詣では当面の間お預け・・・。ですので、先月の訪問時に回収してきたお話です。おおよその方が不思議に思われているジョグロ線の保守整備についてです。特に線内に車両基地を持たず、クラテン電留線だけでどこまでの整備が出来るのか、私も非常に気になっていましたが、先月の訪問時に、そのクラテン電留線を訪問することが叶いましたので紹介します。





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KFW Ts9+Ts8

6月下旬現在、ジョグジャ地区には4連8本32両が配置されています。もっとも、既に4連運用は存在せず、全て8連運用ですので、8連4本相当が配置されていると考えたほうが単純です。内訳は以下の通りです。

205系:M22,M23
KFW:Ts3,Ts9,Ts8,Ts7,Ts1,Ts2

6月9日にKFW Ts2がINKAマディウン工場から配給され、KFWは計6本となり、8連3本を常に組成できるようになりました。なお、先月中旬に訪問した時点では整備&試運転期間中でまだ運用投入はされていませんでした。おそらく、現在では既に運用入りしているものと思われます。これで、ジョグロ線は3運用1予備となり、余裕を持ったオペレーションが出来るようになったわけですが、実際はそうでもないのです。それは、やはり205系がKCI、KFWが運輸省という異なる保有となっており、KCIは運輸省に車両使用料を払わなければならないということが原因です。よって、205系とKFWをプール運用することは出来ず、検査時を除き1運用は必ず205系を充当せざるを得ません。しかも3運用中1運用は日中クラテン留置となりますが、その運用には基本的にKFWを充当するというのが相場のようです。

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翌日はクラテンで予備車になっていたKFW Ts9

つまり、6月中旬時点で、終日の予備車はKFW4連1本のみ、205系の検査時には1運用を4連で代走という手配が取られていました。果たしてこの検査或いは代走がどの程度のサイクルで実施されているかが焦点でしたが、これは月に1回の月検(MC)時に発生するとのことでした。KFWも同じく月に1回のMCを
INKAのスタッフを中心に実施していますが、これは4連毎で、1日で4連のMCを終わらせるそうです。一方、KCIが単独でメンテナンスを行っている205系は、車両使用料の兼ね合いもあり、代走手配が月に1回しか設定されていないことから、8連を1日で完了させなければならないという、なかなかシビアな対応を余儀なくされています。あと4連を1本ジャカルタから転属されることが出来れば、余裕を持ったオペレーションが組めるわけですが、ジャカルタ側に余裕があるわけでもなく、今のところ追加転属はないとのことでした。

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ピット線で整備中の新入り、Ts2(TSC06)

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床下に潜り込めるようになっています

そして、この炎天下の電留線で果たしてどこまでの整備が出来るのか、非常に気がかりでしたが、今回、こちらにお邪魔することが出来ました。クラテン駅構内の端に線路回りがコンクリートで囲われた一角があるのが車内から見えていたのですが、実はここがピット線になっており、床下に潜り込めるようになっており、MCはこの線路を使って行っているそうです。電化開業に合わせて、運輸省もこれだけは流石に建設したんですね。それにしても、炎天下であることは変わらず、作業員スタッフたちの苦労が思いやられます。冷房清掃時などは梯子をかけて屋根に登るそうです・・・。ちなみに、架線も流石に考慮されており、この線路の区画のみ通電を停止することが出来るそうです。Tidak apa apaの精神ととは言えど、流石に通電止めて作業しているんですね。安心しました。

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Ts2の車内ではINKAスタッフが調整を続けていました

なお、KFWの新規編成は配給後、運用開始まで2~3週間程度(試運転は夜間の設定のみ)とのことで、今頃は既存の編成と組んで8連で活躍していることでしょう。しかしながら、205系の走行距離ばかりが異様に伸びるのには変わらず、劣化が進行します。早晩、P24等の重検査を受けなければならないことになりますが、現状の施設ではそれが叶いません。ただ、もし緊急を要する事態が発生した場合は、ソロバラパン客車区の一部を間借りして、整備することになります。通電用の電源は確保されており、見学時にはAU75クーラーの予備品が1台鎮座していました。また、ソロバラパン電留線の完成に合わせ、KCIのスタッフ詰め所が客車区内に設置される予定です。ただし、ソロバラパン電留線完成時にクラテンの検査機能は無くならない(というか、ピット線脇に詰め所などを建設中。いずれ屋根もかけられることになりそうな感じ)とのことで、クラテンはKFW=INKAスタッフ、ソロバラパンが205系=KCIスタッフという棲み分けになるのかもしれません。ただ、いずれにせよ、重検査機能を持つ工場の設置は、今後の路線延長を考えると不可欠です。当面の間は205系のP24orP48実施時には、わざわざBalaiyasa Manggaraiまで配給することになります。これはこれでネタではあるのですが・・・。

ちなみに、ソロジェブレスに建設中の電車区は、整備機能は備えるものの、ボゴール電車区クラスのものになるようで、Balaiyasa機能を併設した電車区は、計画ではクトアルジョに設置予定とのことでした。ただ、クトアルジョまでの電化がいつになるかもわからず、まして工場の設置など、夢物語で終わるような気もします。ソロバラパン、ソロジェブレスの車両基地の状況については、またおいおい紹介します。

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