
白昼に展開された中国夢
1月20日夜、元中国国鉄東風4(DF4B-1295)がインドネチナ高速鉄道(KCIC)への譲渡の為、疎開先の東ジャカルタからバンドン、ランチャエケック車両基地に向けて陸送されました。1泊2日の行路の為、途中の高速道路サービスエリアで日中留置が行われ、半ば撮影会状態となりました。日本の商事会社が絡むMRTと異なり、どんどん撮ってくれと言わんばかりのノリで、夕方光線に照らされる東風罐を間近から舐めるように撮影できるという、正に「中国夢」を具現化させるようなひと時でした。国家プロジェクトたるもの、やはりこうでないと!!
これに先立ち、数か月前にE103系さんと一緒にランチャエケックまでの陸送ルートチェックをやっていたのですが、予想通りの滞泊ポイントにバッチリ止まっており、最高のコンディションで賞味することが出来ました。この3週間、全く晴れカットを撮れなかった分の貯金を使わせてもらいました(笑)
こちらの記事もご参照下さい
東風4(DF4B-1295)は既報の通り、11月22日にタンジュンプリオク港に着岸していますが、中国側が中古車両の水切りに伴う港湾内手続きのイロハを熟知していないこと、また本来認められていない中古車両の輸入であることから、税関検査に時間を要し、12月下旬にようやく保税エリアからの出発を許可されました。しかし、バンドンまでの陸送経路(車両基地へのアクセス部分)が未整備の為、東ジャカルタの貨物一時保管場所まで陸送したところで打ち止めになり、果たしてバンドンに辿り着くことが出来るのかどうかが注目されていました。

国鉄マーク、漢字表記類をあえてオリジナルのまま
全て残しているのが中国らしいですね

国鉄マーク、漢字表記類をあえてオリジナルのまま
全て残しているのが中国らしいですね
バンドン在住鉄の投稿を見ると22日昼までにはランチャエケック車両基地に無事搬入されたようで、別送されている台車とタンクを原状復帰させた後、工臨その他で運用開始するものと思われます。また、この陸送は今後の高速鉄道車両陸送のデモンストレーションも兼ねていると思われ、これでクリアランス等の問題がなければ、出荷待ち状態のCR400AF本体も中国中車青島四方から近く発送されるのではないでしょうか。そういう意味でDF4B-1295の今回の陸送は非常に意義のあるものと言えるでしょう。

1987年製を示す製造銘板

1987年製を示す製造銘板
なお、中古車両輸入特例が失効しており、本来1987年製の車両は輸入出来ません。しかし、大統領直轄の国家プロジェクトという大義名分で、すったもんだを経つつも、突き通したものと思われます。ま、KCIC側の言い分では、あくまでもこれは新車ですが、さすがにバレるでしょw

ラッシング中かつ、びっしりトラックが詰まっていて
全文を撮影出来なかったのですが・・・

ラッシング中かつ、びっしりトラックが詰まっていて
全文を撮影出来なかったのですが・・・
車体片側側面に掲出された記念フラッグにはこうあります。
MENDUKUNG PROYEK STRATEGIS NASIONAL KERETA CEPAT
JAKARTA - BANDUNG DICANANGKAN OLEH PAK JOKOWI
AGAR BERJALAN DENGAN LANCAR DAN SUKSES
「ジョコウィ大統領閣下の命により計画された国家戦略的プロジェクトの一つであるジャカルタ~バンドン高速鉄道が、遅滞なく成功裏に走り出しますよう。」
こう言われてしまえば、もはや誰だって従わざるを得ず、通関もこれで黙らせたのでしょう。

いつも車両を運んでいる運送会社ではないですね
MENDUKUNG PROYEK STRATEGIS NASIONAL KERETA CEPAT
JAKARTA - BANDUNG DICANANGKAN OLEH PAK JOKOWI
AGAR BERJALAN DENGAN LANCAR DAN SUKSES
「ジョコウィ大統領閣下の命により計画された国家戦略的プロジェクトの一つであるジャカルタ~バンドン高速鉄道が、遅滞なく成功裏に走り出しますよう。」
こう言われてしまえば、もはや誰だって従わざるを得ず、通関もこれで黙らせたのでしょう。

いつも車両を運んでいる運送会社ではないですね
さて、ジャカルタ~バンドン高速鉄道の進捗状況ですが、以前本社でもらった資料の通り(単にアップデートされていないのかと思いました;;)、やはり2つのトンネルが未着工というのが、最近メディアを賑わしています。流石のジョコウィもこれに対しては、2023年の開業を目指すと前言撤回していますが、今年10月のG20時に習近平招待の意向は変わっていないようです。但し、表現を試運転列車への招待に表現を改めている当たり、私の予想通り、ランチャエケック~テガルルアル・パダララン間を東風牽引の高速鉄道車両を設定する公算がかなり高そうです。電力関係が現時点で手つかずでは、高速鉄道車両の自走は絶望的です。

1295機は中国時代、
どんな使われ方をしていたのでしょうか?
新車と偽る為に状態の良い車両を選び、さらにお召し牽引機の如くピカピカに磨き上げて(というか、このトワイライトカラーって特別塗装??)いるわけで、工臨だけに使うのはもったいなく、初めから習近平歓迎号に充当する気すらあるのではとも邪推してしまいます。ラオス鉄道にも複数機の東風4型が複数譲渡されているようですが、いずれも一般色です。
とはいえ、そのラオス鉄道はそこそこ順調に開業に至っている一方で、インドネシアとは言えば、当初契約をインドネシアが守らない、そして中国にカネを出せ文句を言うばかり。そして、中国人が絶句するほど、現場作業員の技術レベルが「まるでおよびでない」状況で、もはや一帯一路に泥を塗られていると思われてもおかしくはないでしょう。そんな中、やっと試運転列車に招待されたと思いきや、東風罐が牽引してきたとしたら・・・、習近平がどんな顔をするのか!? ジョコウィの認識では、自走だろうが、牽引だろうが車両が高速鉄道ならば高速鉄道ですから、両者お互い譲らない狐と狸の騙し合い勃発でしょうか??
結局、こんなバカげた計画をあたかも実現できるかの如く吹聴したJICAとぶら下がり自称コンサルタントの化けの皮がこれで全て剥がされた格好ですが、まあ結果的に日本が梯子を外されたことで、損害は最小限に抑えられました(まあ、こっちで負けた分をインドで取り返そうと同じことをして、向こうは先方が本気になってしまったので、結果大損害が出たことには変わりないのかもしれませんがw)。日本のF/Sをパクれば全て上手くいくと思ったら全くダメダメだったという点では、一番の被害者は中国なのかもしれませんw
ともかくもDF4B-1295が本線上を走りだすのが楽しみです。今年はバンドンがアツい。

1295機は中国時代、
どんな使われ方をしていたのでしょうか?
とはいえ、そのラオス鉄道はそこそこ順調に開業に至っている一方で、インドネシアとは言えば、当初契約をインドネシアが守らない、そして中国にカネを出せ文句を言うばかり。そして、中国人が絶句するほど、現場作業員の技術レベルが「まるでおよびでない」状況で、もはや一帯一路に泥を塗られていると思われてもおかしくはないでしょう。そんな中、やっと試運転列車に招待されたと思いきや、東風罐が牽引してきたとしたら・・・、習近平がどんな顔をするのか!? ジョコウィの認識では、自走だろうが、牽引だろうが車両が高速鉄道ならば高速鉄道ですから、両者お互い譲らない狐と狸の騙し合い勃発でしょうか??
結局、こんなバカげた計画をあたかも実現できるかの如く吹聴したJICAとぶら下がり自称コンサルタントの化けの皮がこれで全て剥がされた格好ですが、まあ結果的に日本が梯子を外されたことで、損害は最小限に抑えられました(まあ、こっちで負けた分をインドで取り返そうと同じことをして、向こうは先方が本気になってしまったので、結果大損害が出たことには変わりないのかもしれませんがw)。日本のF/Sをパクれば全て上手くいくと思ったら全くダメダメだったという点では、一番の被害者は中国なのかもしれませんw
ともかくもDF4B-1295が本線上を走りだすのが楽しみです。今年はバンドンがアツい。
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