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インドネシアの鉄路を制すのはどっちだ!?

既報の通り、7月15日にKAI保線車両・機材の総合車両基地であるBalaiyasa Mekanik(チルボンプルジャカン駅構内)からデポック電車区に自力回送されていた新型高速検測車ですが、架線検測関係の調整が完了し、7月21日、再び本線に姿を現し、デポック~ナンボ~デポック間で架線検測試運転を実施しています。また、これを察知してのことなのか、運輸省がスカブミ線内での軌道検測を実施するにあたり、同日、運輸省所有の保線車両・機材の総合車両基地Balai Perawatan Perkeretaapian(ングロンボ駅併設)からスカブミまでINKA製の黄色い軌道検測車"Ciremai"が回送(ングロンボ~カンプンバンダン~スカブミ)されています。





前回の記事はこちらをご参照下さい

仮にKAI新型検測車で初の架線検測お披露目を察知しての日取りだとすれば、どうして国産品を買わないのかと言わんばかりに当てつけてくる運輸省の中二病加減に笑いが止まりません。まあ、3億総中学生社会インドネシア(超爆)ならふつうにあり得る話です。マンガライで線路を挟んで抗争しているプレマンと根っこは同じなので。まあ、もっともこの争いの発端は、運輸省の車両が使い物にならない(しかもレンタル費用が高額)からKAIが自費で検測車購入して保線しているわけで、 そもそも、地上側の面倒を見るのは、運輸省なんですから。ケンカ吹っかけてくる前に、真面目に働けよ運輸省!! まさにインドネシアの鉄道の二重行政が具現化したというかたちです。保線車同士のガチンコバトル!?の様子をどうぞ。

運輸省検測車"Ciremai”は早朝5時だかにングロンボで出るスジで、ジャカルタにやって来るのはお昼前。まずは公約通り、デポック電車区橋の上からKAI新型検測車の出区を俯瞰します。

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定刻通り洗浄線から出てきたKAI新型検測車
従来タイプはデポック電車区に入線していないので新鮮です

単線区間のナンボ行きのため、下手に遅延させれば定期列車に影響を及ぼしますので、定時での出発です。チタヤムで上り列車と交換するスジのように見えます。デポック電車区の蔵の中で、屋根上から青いライトが光る画像が上がっていましたが、このときは特に確認出来ず。西のDEC741のようにカメラがたくさん載っているのかなと思いましたが、案外簡素な印象でした・・・。架線検測を名乗ってはいますが、どの程度まで測定できるのか気になりますね。

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1エンド側

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2エンド側
こちら側が検測機器でしょうか

ネタがあるときには、黒山の人だかりになる橋の上ですが、撮影者は私のみ。大した人気は無いようです。さすがに駅に戻ったら、撮影者がワラワラとしていましたが。朝ラッシュを終え、入区する列車が多い為、入線待ちでしばらく止まっており、駅まで歩いていたら、出区に間に合ってしまいました。

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1エンド側からの正統な?姿
窓が少ない右側(台車表記による)、こちら側は機器室なんですね
ロゴが大きく、格好良いです

そんなわけで、まずは一つ目のネタ回収。運輸省検測車の通過までも、そんなに時間があるわけでもないので、ブカシ方面に移動します。見たまま情によると、遅延常習犯の運輸省検測車(途中でMogokするのが常なので;;)ですが、流石に今回は順調、20分ほど早通の模様。ならば、マンガライスタバもパスして、現地へ。この前KAIの新型検測車撮ったところと同じところにしました。通過時間もだいたい同じですので、光線状況も問題ありません。

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こちらも順調に通過

それにしても、ダッサいよなぁ・・・。運転台からの視界も超絶悪そうですし。長距離走行をトラブルなく走り抜いてきたことをまずは評価しましょうか。

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検測機材?のついた台車

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錦の御旗、運輸省ロゴと運輸省鉄道総局の文字
(この長ったらしいインドネシア語表記がもはや中二病)
黄色い推進軸がよく見えます

このCiremai、以前にも撮影したことはありますが、とにかく仕事してない車両ですから、何年ぶりの再会でしょうか。チピナン常駐の同型の巡視車"Kelud”や、架線検測車"Galunggung"の方がまだ見かける機会はあります。前にクラテンにいたのはKeludっだったっけかな。ちなみに、現地鉄からミニオンと名付けられている一連のINKA製黄色い事業用の気動車ですが、検測機材は運輸省とズブズブのドイツ製と言われています。ま、その時点で賄賂が運輸省職員に流れているのは、大いに予想がつくわけで、結局搭載されている機器は買いたたかれた安もんなんじゃないでしょうか。しかも、寄せ集めをINKAで組み立てただけで、そんなもんが正常に動くわけが無いのです。スカブミ検測の結果は果たして??

なお、KAI新型検測車はナンボ往復後、お昼前にはデポック電車区に入区してしまったようで、残念ながら両者の直接対決は見られませんでした。とは言え、KAIの新型検測車の運用開始に触発されて、今後運輸省保有車の稼働率が俄かに上がったとき、それこそがバトルの始まりと言えるのではないでしょうか。

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