
KCIの回転バー式改札機が設置されたBNICity駅
7月30日より、Railink空港線BNI City(Sudirman Baru)駅にKCI Commuter Lineの停車が始まっています。もともと1週間早く停車する予定で、Railinkから公式SNSでリリースが出たもののすぐに削除されるという毎度ながらのグタグタで、今回も前日にRailinkからのお知らせはあったもののKCI側はダンマリしており(当日昼前になってようやくツイートされていました)、今回も公式ガセに終わるのかと思いきや、30日から停車扱いとなっています。詳細は後で述べますが、Commuter LineのBNI City駅停車は所要時間が延びるだけで乗客に何らメリットもなく、カレット駅のゲリラ廃止も検討されているため、利用者からのKCIへの不信感が高まっています。それもあって、事前告知無く、しかもSNS上で突如お知らせするやり方に、改めて批判が高まっています。
Hi, Travelers, Siap siap nih mulai tanggal 30 Juli 2022 Stasiun BNI City akan melayani penumpang Commuterline dengan tujuan Manggarai, Jatinegara, Bekasi, Cikarang, dan Kampung Bandan. (1/3) pic.twitter.com/lWGHrjQALg
— KAI Bandara (@KAIBandara) July 29, 2022
本来、廃止すべきはカレットではなく、BNI Cityでしょう!!
KAIからしても、Railinkはもはやお荷物という認識ですが、
新駅を潰すことは出来ないようで・・・
BNI City駅は2017年12月のRailinkスカルノハッタ空港線開業時に設置された駅で、スディルマン~カレット間(811m)の中間に位置(厳密には中間と言うよりもかなりカレット寄り)しています。そもそも、かなり短い駅間距離であったところにBNI Cityを設置したことで、その駅間はかなり短いものになりましたが、低所得のCommuter利用客と高所得の空港線利用の客分離政策の為、長らくBNI Cityは空港特急のみ停車となってきました。しかし、2021年2月ダイヤ改正で、環状線・タンゲラン線で空港特急の将来的な各駅停車化を見据えた平行ダイヤが導入されており、ダイヤ改正から数か月間、Commuter LineもBNI Cityで運転停車扱いが取られてきました。しかし、結局、運輸省からPSO含めた諸々の認可が下りず、空港線の各駅停車化は白紙撤回、Commuter Lineも再びBNI Cityを通過となり、この話は無しになったのかと思われていたのですが・・・。

BNI City駅ホームからカレット駅に停車中の
12両編成タナアバン方面行列車を撮影
ホーム先端同士では、わずか80mしか離れていません

BNI City駅の2階デッキからカレット駅を望む
12連の場合、この赤いステップからもはみ出て、最後尾は
このデッキの下に止まります(ホーム無し)
それが、7月上旬頃から、BNI City駅にKCIの自動改札機の設置工事が始まっているのが、現地ヲタの目撃情として上がり、KCIがスディルマン・カレットを廃止してBNI Cityに統合しようとしているという内部情をソースとする噂が出回るようになります。流石にスディルマンは潰せない(BNI Cityの階段は長いスロープ式のものが1か所あるのみで、スディルマンを潰した場合、朝ラッシュ時はマンガライ以上の大パニックが発生する上、線路脇の狭い連絡通路も人が溢れ危険な状態になるでしょう)とは思いますが・・・、カレットはBNI Cityがあるがためにホームの延長が出来ず、12両編成はホームからはみ出して停車しており、さらには改札前が直接大通りで、利用者には便利この上ないのですが、反面、物売り・チンピラが駅入り口を塞いでしまうという、KCIが最も嫌うタイプの駅ですので潰せるものなら、さっさと潰したいというのは事実でしょう。仮にスディルマン・カレットが廃止されれば、両駅利用者はいずれも500m近く歩かなければならず、せっかくMRTの目の鼻の先で乗り換えが出来ていたものが、一気に遠ざかります。LRT Jabodebekのドゥクアタスからスディルマンの間にドブ川を挟む形でMITJが連絡通路を作っていますが、ただでさえ離れているこの乗り換えが、さらに離れることになり、1000m近くになるでしょう。絶対に他社、特に州営各社(LRT JabodebekはKAI傘下ですがMITJは州が筆頭です)とは協調しないという、インドネシア人の縄張り意識そのものと言えそうです。乗客の利便よりも、利権です。公式曰く、#Terintegrasiだそうですが、統合とは全く逆を突き進んでいますよね。だいたい、CommuterとRailinkの乗り換えはマンガライで出来るわけで、同一駅に停車させたところで、誰が利用するのか、と言う・・・。しかも、降りたホームで乗り換えできるのならまだしも、一旦あの長いエスカレーター上って、改札出て、もう一度入り直さないとならないんじゃ、お話になりません。

MRT出口付近にあるBNI City駅入り口の看板
左に行けば、50m先にスディルマン駅
右に行けば500m先にBNI City駅という意味不明な状態
(距離が書いていないのがミソなんだろうね)

とりあえず見学しないことにはならないので、延々と連絡通路を歩きます

ここまで約300m
こんな看板撤去して、ここにそのままホームに入れる改札を作ればまだ許せるのですが・・・

バカみたいなエスカレーターに乗せられ・・・

きっぷ売り場へはエスカレーター分を後戻り・・・

スタバの撤退跡に設置されたKCIのきっぷ売り場

問題の改札
KCI利用者は右の自動改札から
Railink利用者は左の通路を通過

そしてラッチ内に現れるもう一つの改札!!
これが従来からのRailink用で、Railink利用者はこの改札機から入場
一方、KCI利用者は通路からそのままスルーで入場

床にこのようにマーキングして誘導に努めていますが、乗客の判別は目視で
行っています。混まないこと前提ですか!!
(理論が崩壊しているような??)
しまいには、複数の大手メディアもカレット駅が廃止になるという見出しの記事を出しており、このようなKAIの姿勢は乗客からも批判が殺到しています。KCIの広報部長が「カレットは廃止しません」と火消しに躍起で、弁明をしていますが、ほとぼりが冷めた頃にシレッと閉鎖して、また総スカンを喰らうのが目に見えています。カレットを閉鎖しないのならば、BNIに停車させる意味ないですからね。

で、またバカみたいなエスカレーターに乗ってやっとホームへ・・・
両端駅廃止したら、この一か所のエスカレータに乗客が殺到してとんでもないことに
なると思いますが!?
それにしても、インドネシアの暗黙の了解である乗客の分離政策(体の良いアパルトヘイト)を見直してまで同じホームに止めることになったのは、相当の事情があるわけですが、これはRailinkの破綻が近いことを意味しています。開業以来、赤字垂れ流しのRailinkですが、コロナが追い打ちとなり、民間会社ならば倒産しているレベルの巨額負債を抱えるに至っています。既に職員も大多数が解雇、又はKCI、KAIに異動となっており、事務方と駅のバイトさんしか残っていない状況です。いずれKAIが救済することになるとは思いますが、完全に不良資産となっているBNI City駅をテコ入れし、3階のテナント部分をなんとかして埋めようという意図があるように思います。ですから、両端駅を廃止して、乗客を歩かせて、BNI City駅利用者を意図的に増加させたいということです。

陰険ライターとして、3階のテナント部分も観察しなければなりません
廃墟ですね

大部分の店舗は撤去されてしまっていますが、KFCだけは残骸が残っていました
生々しいですね

ちなみに、そのまま西側の車寄せ(かつてのタクシー待機場)まで
3階経由で通り抜けてしまうと、スディルマン方面にも戻れず、カレットにも抜けられず
閉じ込められてしまうので注意!!

KCI改札をあんな位置に設置したので2階経由での東西通り抜けが不可に・・・
しかも、3階に上がるエスカレーターは一方通行、さらに階段が西側にしかない
という致命的欠陥で、西から東への移動が不可に・・・

西の端にあるインドマレット前は事実上誰も通過しない・・・というわけで
こちらも閉店(商品は並んだままでした)

戻るには駐車場のスロープを利用して、駅舎の外に出るしかなく・・・
すぐそこがカレットなのに、カレット駅に出れないと言う構造的欠陥・・・

こんな物騒な業務用通路をまた500mも歩かされて、先ほどのアホエスカレーター前
のBNI看板のところまで戻らなければならず・・・
スディルマン駅まで戻るには丸々800mですわ・・・
BNI City利用者が誰もいないなんて将来(マンガライでの客扱いを始めた時点で利用価値が無い)は誰しもが予測していたわけで、Railinkの発足はそもそも論として間違っていたと言わざるを得ません。BNI Cityなど作らずに、既存のスディルマンを改良して、ここに空港線も止めれば良かった話なんですから。とりあえず、Railinkがさっさと倒産してくれれば、この二重改札とアホな動線も解消しますので、いずれ来るであろうそのときを待つしかないですね。あとは、カレット側に改札を作って、階段の増設も早く進めろよ、と。そうしない限り、カレットの代替なんて出来ませんよ・・・。まさにインドネシアの醜態が全て凝縮されたBNI City駅でした・・・。

BNI City駅ホームからカレット駅に停車中の
12両編成タナアバン方面行列車を撮影
ホーム先端同士では、わずか80mしか離れていません

BNI City駅の2階デッキからカレット駅を望む
12連の場合、この赤いステップからもはみ出て、最後尾は
このデッキの下に止まります(ホーム無し)
それが、7月上旬頃から、BNI City駅にKCIの自動改札機の設置工事が始まっているのが、現地ヲタの目撃情として上がり、KCIがスディルマン・カレットを廃止してBNI Cityに統合しようとしているという内部情をソースとする噂が出回るようになります。流石にスディルマンは潰せない(BNI Cityの階段は長いスロープ式のものが1か所あるのみで、スディルマンを潰した場合、朝ラッシュ時はマンガライ以上の大パニックが発生する上、線路脇の狭い連絡通路も人が溢れ危険な状態になるでしょう)とは思いますが・・・、カレットはBNI Cityがあるがためにホームの延長が出来ず、12両編成はホームからはみ出して停車しており、さらには改札前が直接大通りで、利用者には便利この上ないのですが、反面、物売り・チンピラが駅入り口を塞いでしまうという、KCIが最も嫌うタイプの駅ですので潰せるものなら、さっさと潰したいというのは事実でしょう。仮にスディルマン・カレットが廃止されれば、両駅利用者はいずれも500m近く歩かなければならず、せっかくMRTの目の鼻の先で乗り換えが出来ていたものが、一気に遠ざかります。LRT Jabodebekのドゥクアタスからスディルマンの間にドブ川を挟む形でMITJが連絡通路を作っていますが、ただでさえ離れているこの乗り換えが、さらに離れることになり、1000m近くになるでしょう。絶対に他社、特に州営各社(LRT JabodebekはKAI傘下ですがMITJは州が筆頭です)とは協調しないという、インドネシア人の縄張り意識そのものと言えそうです。乗客の利便よりも、利権です。公式曰く、#Terintegrasiだそうですが、統合とは全く逆を突き進んでいますよね。だいたい、CommuterとRailinkの乗り換えはマンガライで出来るわけで、同一駅に停車させたところで、誰が利用するのか、と言う・・・。しかも、降りたホームで乗り換えできるのならまだしも、一旦あの長いエスカレーター上って、改札出て、もう一度入り直さないとならないんじゃ、お話になりません。

MRT出口付近にあるBNI City駅入り口の看板
左に行けば、50m先にスディルマン駅
右に行けば500m先にBNI City駅という意味不明な状態
(距離が書いていないのがミソなんだろうね)

とりあえず見学しないことにはならないので、延々と連絡通路を歩きます

ここまで約300m
こんな看板撤去して、ここにそのままホームに入れる改札を作ればまだ許せるのですが・・・

バカみたいなエスカレーターに乗せられ・・・

きっぷ売り場へはエスカレーター分を後戻り・・・

スタバの撤退跡に設置されたKCIのきっぷ売り場

問題の改札
KCI利用者は右の自動改札から
Railink利用者は左の通路を通過

そしてラッチ内に現れるもう一つの改札!!
これが従来からのRailink用で、Railink利用者はこの改札機から入場
一方、KCI利用者は通路からそのままスルーで入場

床にこのようにマーキングして誘導に努めていますが、乗客の判別は目視で
行っています。混まないこと前提ですか!!
(理論が崩壊しているような??)

で、またバカみたいなエスカレーターに乗ってやっとホームへ・・・
両端駅廃止したら、この一か所のエスカレータに乗客が殺到してとんでもないことに
なると思いますが!?

陰険ライターとして、3階のテナント部分も観察しなければなりません
廃墟ですね

大部分の店舗は撤去されてしまっていますが、KFCだけは残骸が残っていました
生々しいですね

ちなみに、そのまま西側の車寄せ(かつてのタクシー待機場)まで
3階経由で通り抜けてしまうと、スディルマン方面にも戻れず、カレットにも抜けられず
閉じ込められてしまうので注意!!

KCI改札をあんな位置に設置したので2階経由での東西通り抜けが不可に・・・
しかも、3階に上がるエスカレーターは一方通行、さらに階段が西側にしかない
という致命的欠陥で、西から東への移動が不可に・・・

西の端にあるインドマレット前は事実上誰も通過しない・・・というわけで
こちらも閉店(商品は並んだままでした)

戻るには駐車場のスロープを利用して、駅舎の外に出るしかなく・・・
すぐそこがカレットなのに、カレット駅に出れないと言う構造的欠陥・・・

こんな物騒な業務用通路をまた500mも歩かされて、先ほどのアホエスカレーター前
のBNI看板のところまで戻らなければならず・・・
スディルマン駅まで戻るには丸々800mですわ・・・
◆いつもご覧いただきありがとうございます◆

コメント
コメント一覧
夢と希望を述べるなら、ここにはマレーシアのKL Sentralを手本とした総合駅を作って欲しいのです。
あのドブ川の上に構造物を作り、スディルマン通りを跨ぐようにして、
・空港特急用に1面2線
・KAIの長距離特急用に1面2線
それに
・既存のスディルマン駅を改造して1面2線
・直交してMRTの駅
これらを一つの駅にまとめ上げれば、実に便利になると思うのですが。
インドネシアじゃ夢のまた夢か。
全く仰る通りです。カネをケチって利権関係で揉めず、さらに短期間での完工を目指したボロが全て出たのがBNI Cityですね。超セクト主義で、全体最適というのが考えられない人たちですので、スディルマンをKLセントラル並みの統合駅にするというのはまさに夢のまた夢、ですね。これさせ出来れば、大手を振って東南アジア一の鉄道大国と言えるのですが・・・。
Sudirman baruとホームを接続してしまえばKAIの長距離列車も対応できる巨大駅(ただし出口は2箇所のみ)に化けそうなポテンシャルはありそうな気もしますし、そうしたら現状のgambil渋滞も分散され環状線経由でグルっとブカシ方面へ長距離列車を流すこともできるのでは??
………なんて思いましたが
今回のコミューター停車(別駅扱い)の非合理性は不思議でしょうがないです
今後の経過が楽しみです
ガンビル然り、BNI City然り・・・KAI,Railink,KCIの確執と言いますか、権益争いと言いますか、インドネシア人的セクト主義がここに全て詰まってますよね。ポテンシャルは高いのに、このインドネシア人的思考が全てを台無しにしています。それが、今の国営企業大臣になって、脱セクト主義を掲げ、#integrasi, #koraborasiを叫ぶようになり、Railink/KCIの駅が統合されたわけですが、今度は州営MRTとTJ他が置き去りと言う・・・。KCIとしてはSudirmanも潰す気満々なようですが、流石にそれは無理としても、Karetも駅前でそのままTJやアンコタに乗り換えが出来るわけで。Thamrin CityやCity Walkにも至近で便利この上ないのですが、これを潰してTODを叫ぶ精神を問いただしたいですよ。BNI Cityの駅上にテナントを入れることこそがTODだと本気で考えている連中です。