F/S最終報告書でも日本側の某コンサルはMRT東西線の西側区間は既存のKCIタンゲラン線を完全にトレースする意味のないルートを推奨していた(当然、タンゲラン線沿いですから、当然需要が大きいのは明らか何ですが、流石に手抜き過ぎ、タンゲラン線と客取り合ってどうするの??MRT圧勝なのはわかりきっていますが)わけです。ただ、流石にインドネシア側もそれでは意味が無さ過ぎるという理解はあったのでしょう、幸い、インドネシア側はAltanative案となる南側、ムラク高速道路沿いルートを選択しました。明らかな鉄道空白地帯、高速道路沿いにバンバン宅地開発されているんですから、誰が見てもこちらが最適なのは明らかでした。それで、どうしてこんなルートを日本側は提案していたのかという質問も投げかけていたのですが、答えはこうでした。

F/Sが実施されていたのは2015年のE/S借款の始まるさらに前。つまり、その当時のタンゲラン線はまだ単線であり、複線化用に確保してあった運輸省用地をそのまま転用するという計画になっていた模様。しかし、タンゲラン線をそのまま複線化、空港アクセス線としての活用ということになった為、この案はそもそも使えないということになった、というのが実際のところのようです。

もし、MRT東西線がタンゲラン線ルートだった場合、運輸省としてはタンゲラン線を廃止する腹づもりだったのでしょう。確かにMRTから空港連絡線を伸ばした方が、現状の空港線に比べたら、相当利便性が向上していたというメリットはあったかもしれません。とは言え、費用対効果を考えれば、タンゲラン線沿いに二重投資するよりも、今後のTODやら、都市開発もセットでやるなら、明らかにムラク高速沿いに建設するのが妥当であり、これまた丸く収まって良かったなと思います。