DSC_0441_R
プリオク駅に漂うスマトラの香り

12月7日早朝、南スマトラDIVRE IIIクルタパティ(KPT)機関区所属CC 201 89 16,CC 201 89 15, CC 201 83 40, CC 201 89 12, CC 201 83 46, CC 201 89 17の6両がジャカルタ、タンジュンプリオク港に到着しました。昼過ぎまでにかけて港湾内でオンレール作業が実施され、40年以上の時を経て(元番は78年・85年製のBB203の為)、初めてジャワ島のレール上に降り立ちました。今回、これら6両は南スマトラ、ランプンから、陸送にて輸送され、スンダ海峡区間はバカフニ~ボジョネガラ間の貨物専用フェリーでトレーラーごとの航送となりました。かつてのジャワ~スマトラ間の車両輸送は艀を借り切ってランプ~プリオクを航送するのが通例でしたが、近年はINKAからの新車輸送を見ても、定期フェリーを利用した陸送が主流になっています。道路事情が良くなって、この方がコストがかからないということなのでしょう。





それにしても久々のタンジュンプリオクです。タンジュンプリオク駅自体、全く用がない(05‐108F、110Fも正直、十分撮りましたし…)為、おそらく高速鉄道車両をお出迎えした2022年9月2日以来のプリオク入りでしょうか…。

あいにく、この日は朝から大雨で、さすがに港でずぶ濡れになるのも…と考えあぐねた結果、ジュアンダスタバでの待機を決行‼コタのスタバが閉店してしまったので、時間調整できる場所が無くなってしまい、どうしようかと思いましたが、最近、TJがジュアンダからプリオクまで無駄に直通しており、案外本数があるので、これをやってみることにしました。港湾作業なんて待ちぼうけがデフォルトなので、いかに短時間で決めるかが勝負です。まあ、2年もブランクが空くと、なかなか感覚も鈍ってしまっていて大丈夫かな、と思いましたが、タイミングを見計らってTJに乗り込み、プリオクに付くと、ちょうどバスが踏切待ちに引っかかったと思えば、最初の2両が港からプリオク駅に回送されてきました。おお‼これは幸先の良いスタートです。

GeLtx4GakAAjE_A
小雨の中、白罐に牽かれてやって来たスマトラ罐

GeLtx61agAASpuZ
CC 201 89 16,CC 201 89 15の2両が通過していきました

ターミナルでの撮影はいつも生きた心地がしないので、バスの大きな窓からの撮影で大正解。どうせ雨もまた降っていますし。見たまま情によれば、すでに3両がオンレールしているとのことでしたが、回送は2両ずつなんですね。3両が死重でも牽引力に問題はないはずですが、電車が6両までとあるように、何か内規があるんでしょう。

ターミナルでアンコタに乗り換え、港湾エリアへ。プリオクのアンコタなんて、絶対に乗りたくない類ですが、ここもJaklingko化されて、少し治安が良くなりましたね。車載端末もCCTVもぶっ壊れていて完全にタダ乗りでしたけどw アンコタの発車待ちしている間に雨もやんできて、明るくなってきたので今日も期待できそうです。

DSC_0093_R
到着すると4両目(CC 201 89 12)がオンレールしたところでした

DSC_0122_R
と思ったらエンジン始動

電車の場合、軽いので手押しで所定位置まで移動して、そこで組成しますが、さすがに罐は人力で押せないので、入れ替え罐もなしでどうするのかと思えば、自走ですか。火入れはBalaiyasa Yogyakartaに配給、整備後が基本ですが、構内限定で自走はOKなのですね。

DSC_0127_R
そして、間髪入れずお迎え罐が到着
電車のときもこれくらいテキパキやってくれれば苦労しないのにねぇ

DSC_0157_R
5分もしないで赤罐を引っ張って出てきました

DSC_0177_R
プリオク駅へ向かうCC 201 83 40, CC 201 89 12
フォグランプが埋められ、投石防護網が設置、総括制御用ジャンパ栓
と厳つい装いのスマトラ貨物罐

それにしても手際が良いこと。ちょうど、これが昼休み空けの作業開始のタイミングだったようで、どんどん作業が続きます。

DSC_0210_R
続いて5両目のCC 201 83 46

DSC_0218_R
そこを6両目のCC 201 89 17が横切ります

DSC_0257_R
6軸もあるので載線はさすがに時間かかりますね

DSC_0312_R
そして、最後のCC 201 89 17
日も出てきてバグース

DSC_0325_R
これを撮りたかったんですよ

DSC_0357_R
載線には時間がかかりそうなので、
ここで撤収し、プリオク駅へ先回り

DSC_0379_R
駅は完全に撮影会場状態で大変なことになっています
映っている人だかりはほぼ全員ヲタというw

オンレールと同時に今回のもう一つの目玉はスマトラ罐6両が一堂にプリオク駅に終結するということ。もっともこの時点では6両を繋いで留置、配給するのか、それともオンレール順にどんどんチピナン機関区へ配給するのか、全くわからず、それで先に出られてしまっても嫌なので、急いでプリオク駅に移動してきたのですが、1番線に4両が繋ぎ置かれています。

DSC_0405_R
4両でもなかなかの迫力です
スマトラではいつでも見られる光景ですが、ジャワでは早々にお目にかかれません
というか、プリオク駅に赤罐がこれだけ並ぶというのはレア貴重‼

あとは、残りの2両がどうなるかですが、さすがに息切れしてきたので、酸素と水の補給の為、一旦コタへ待避。11番線脇に紅茶バーがオープンしたんですよね、コタ。で、茶を飲み涼んでいると、もう最後の2両も入線したとの報を受け、結局、次のプリオク線で戻る羽目に。

DSC_0494_R
これは長い
一気にチピナンまで配給してくれたらネタなんですが

DSC_0481_R
改札側から

DSC_0447_R
この日、2運用とも05系だったのはラッキーでした


上記記事もご参照ください

なお、今回、6両の南スマトラ配置罐がジャワ島に転属したわけですが、これは2022年12月に2両が転属したものに次ぐものです。前回の2両はSriwijaya用の旅客専用罐で、当該列車の廃止により、余剰となったものをジャワに戻したわけですが、この2両の状態は非常に悪く、その後、一度も営業列車に充当されておらず、1両はルンプヤンガン駅構内の入れ替え専用機、もう1両に至ってはBalaiyasa Yogyakartaで、部品取りのごとく休車になっています。スマトラのGE罐は総じて状態が悪いと言われており、特に今回は重量貨物専用機の為、果たして転属したところで営業列車として活躍できるかは現状不明。ただ、このタイミングで転属を行ったということは、年末年始の臨時運用増に備えているものと思われます。これら6両は、同日夜に2両ずつに分けてチピナン機関区まで回送(当初、牽引予定だったのが、自力回送に‼)、1両を方転し、2両を抱き合わせ向きにした後、3日間に分けて、ジャティネガラ~ルンプヤンガン間で自力回送を行い、全車Balaiyasa Yogyakartaに入場しました。出場時のカラーや仕様が気になりますね。

また、今回、一気に6両ものCC201が転属出来たのは、来年早々からEMD(旧GM)製の貨物専用の大型機CC205増備車54両の導入がスタートすることにちなみ、余剰となるCC201の予備車を早期に転属させたことによるものです。スマトラ島の貨物需要は巨大で、KAIの収入の6~7割をスマトラが稼いでいる現状、KAIは新車をスマトラに投入し、ジャワの輸送力増強はスマトラからの余剰転配で賄うことにしています。スマトラの貨物の主力、石炭貨物は重連運用のEMD・GMのCC202,CC205ですが、一部は三重連のCC206も充当されています。ただ、CC206の三重連は非効率な為、今後、CC205に置き換えが進みますので、ジャワから転出していった個体を含み、来年以降はCC206の玉突きジャワ再転属も始まります。ジャワはジャワで、客車ばかり増備されて機関車が足りないという状況ですので、来年の半ば以降にはこのあたりの是正も進み、抜本的輸送力増強が始まることと思われます。2025年は電車、機関車ともに新車導入ラッシュとなり、インドネシアの鉄道は激変の1年となりそうです。

◆いつもご覧いただきありがとうございます◆
1日1回のTETSUDO.COMバナークリックにご協力下さい
鉄道コム
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット