
いきなり中間車でトホホ…
1月中旬に中国青島港を出港していた貨物船、XIN DA QIANGが1月30日夕刻、ジャカルタタンジュンプリオク港に着岸。翌朝から2月1日早朝にかけてKCI向け新型車両SFC120-V第1編成12両の水切り作業が実施されました。なお、パソソ駅でのオンレール後、線路有効長及び配給時のブレーキ力規定の制限から6両ずつ2回に分けて、デポック電車区に配給輸送されています。この間、高速鉄道や東風4B、またスマトラからの機関車転属案件はあれど、純粋なKCI向け「電車」のお出迎えは、2020年末以来、約4年ぶりの出来事で、時間の読めない水モノとの、久々の熱き戦い(現地鉄によると、最大7時間待ちの超人気アトラクションになったそうです)となりました。
陸送、配給を追いかけた数百人の悲喜こもごもの中にはこんな秀逸なネットミームまで飛び出し、精神の限界を突破した模様です。初日、港ゲート前には100人近い⁉現地鉄が集結したものの、“プリオク病”発症脱落者多数。2日目まで持ちこたえたものは果たして何人いたのか(笑) 水切りを甘く見てはいけません。情報を取れなければ、死ぬということです。私は3日3晩カレーになってしまい、完全熟成されましたw

続々と中間車
さて、朝9時からの水切りの1~2両目は報道公開され、KAI・KCI幹部、CRRC関係者、報道陣、もしかすると中国大使館職員?、さらには一部の鉄ヲタコミュニティも招待され、盛大に執り行われましたが、積載順序の関係でいずれも中間車、しかも時間帯からして逆光というなかなかな展開でして(笑)、こちらに招待されたとしても、式典以降は追い出されてしまいますので、参加したとて意味はなく、別行動とさせていただきます。

一応、2月3日のコンパス朝刊、トホホなプレス用公式写真
記事は式典でKCI広報のスピーチをそのままコピーしているだけなので
読む価値はゼロです(他社記事も同様)

記念すべき水切り第1号の125‐1006号車を
港の車で追跡

そして続々と中間車…

一応、2月3日のコンパス朝刊、トホホなプレス用公式写真
記事は式典でKCI広報のスピーチをそのままコピーしているだけなので
読む価値はゼロです(他社記事も同様)

記念すべき水切り第1号の125‐1006号車を
港の車で追跡

そして続々と中間車…
というわけで待望の新車の到着です。納期1年という契約通りのリードタイムで本当に導入されました。常識では考えられないですが、これが中国中車の実力です。また、MRT向けを除けば、輸入物の新型電車というと、90年代初頭のHOLEC初期車、いや1997年のHITACHI以来となり、翌日の現地紙では紙面、ネット版共に大々的に報じており、市民からの関心も非常に高いものになっています。
が、我々の注目と言えばやはり、輸送方法でしょう。単に電車を運ぶと言っても、従来の中古車と新車では全く責任範囲というか、調達条件が異なるわけで、気になるところです。中古車到着時との変更点はざっくり言うと以下の通り。
・Djoko Tingkir(NR)は迎えに来ない(KCIの現場職員は配置されない)
・水切り、オンレールは中国中車の監督のもと行う
・配給手配も中国中車が行う(事前に協議済、設計に反映されている)
中古車到着時に車両は輸送会社の所有の「輸送機材」になっている為、オンレールや組成作業をKCIが半ばボランティア的にやらざるを得ず、Djoko Tingkirが職員輸送、現場での入れ替え組成業務に従事していたわけですが、これが完全になくなったのが大きなところでしょう。どうでも良い話ですが、タイのキハ40が港で止まったままになっているのは、SRTが中古車に、この新車の調達原則を当てはめているためです。しかも、破格の入れ値に釣られて、鉄道のことを何も知らない、どこの馬の骨ともわからない極悪輸送会社と契約をしてしまったためで、そんな会社にオンレールノウハウがあるはずがなく(しかもタイの場合、軌間が異なるため台車を外さなければならない)、にっちもさっちも動かなくなっているという状況なわけです。
ですので、某ネトウヨライターに言わせれば、中国人が大挙としてやってきた、現地人に教育しない、使っていない等言って叩くわけですが、このように組成業務をメーカーの責任下で実施するというのは当たり前の話なのです。

オンレール前に中国人作業員が気合注入‼
ウッス、ウッス、ウッス、イェーッス‼

記念すべき1両目、125-1006がインドネシアのレールへ‼
ちなみに中国は輸送にも金をかけているようでクレーンは右も左も新型の日本製‼
中古を運んでいる某社とは大違い(笑)
(何度クレーン故障で痛い目を見たか…ボソっ)

作業員に見守られ、ゆっくりと降ろされていきます

方向→Pasoso
TRAIN NO.3
2端
ここまで大書きすれば、間違えて載線する人もいないはず‼

こんなこともなければ見ることもないであろうジャンパ栓を
完全に中国製ですね
が、我々の注目と言えばやはり、輸送方法でしょう。単に電車を運ぶと言っても、従来の中古車と新車では全く責任範囲というか、調達条件が異なるわけで、気になるところです。中古車到着時との変更点はざっくり言うと以下の通り。
・Djoko Tingkir(NR)は迎えに来ない(KCIの現場職員は配置されない)
・水切り、オンレールは中国中車の監督のもと行う
・配給手配も中国中車が行う(事前に協議済、設計に反映されている)
中古車到着時に車両は輸送会社の所有の「輸送機材」になっている為、オンレールや組成作業をKCIが半ばボランティア的にやらざるを得ず、Djoko Tingkirが職員輸送、現場での入れ替え組成業務に従事していたわけですが、これが完全になくなったのが大きなところでしょう。どうでも良い話ですが、タイのキハ40が港で止まったままになっているのは、SRTが中古車に、この新車の調達原則を当てはめているためです。しかも、破格の入れ値に釣られて、鉄道のことを何も知らない、どこの馬の骨ともわからない極悪輸送会社と契約をしてしまったためで、そんな会社にオンレールノウハウがあるはずがなく(しかもタイの場合、軌間が異なるため台車を外さなければならない)、にっちもさっちも動かなくなっているという状況なわけです。
ですので、某ネトウヨライターに言わせれば、中国人が大挙としてやってきた、現地人に教育しない、使っていない等言って叩くわけですが、このように組成業務をメーカーの責任下で実施するというのは当たり前の話なのです。

オンレール前に中国人作業員が気合注入‼
ウッス、ウッス、ウッス、イェーッス‼

記念すべき1両目、125-1006がインドネシアのレールへ‼
ちなみに中国は輸送にも金をかけているようでクレーンは右も左も新型の日本製‼
中古を運んでいる某社とは大違い(笑)
(何度クレーン故障で痛い目を見たか…ボソっ)

作業員に見守られ、ゆっくりと降ろされていきます

方向→Pasoso
TRAIN NO.3
2端
ここまで大書きすれば、間違えて載線する人もいないはず‼

こんなこともなければ見ることもないであろうジャンパ栓を
完全に中国製ですね
どんどんと中間車が送られてくるため、オンレール待ちの待機列が出来てきました。渡りに船と、貫通路に貼り出されている巨大シッピングマークも撮影。ご丁寧にも車両サイズが書かれており、車体長20250㎜、幅3500㎜、高さ3954㎜、自重36t(M車)とあります。え、幅がさすがに広すぎだろうと思いますが、これは船積みに必要な情報でしょうから、台車付近に設置されている黄色い釣り上げ治具の幅を加えたものと思われ、実際は3000㎜かと思われます(入札時のKCI資料では3000㎜でしたし、治具のサイズからして、それが妥当でしょう)。

その下にあった中国語のシッピングマーク

その下にあった中国語のシッピングマーク
まず、車体幅は解決したのですが、車両番号がM138-01-3-M2って何??この車両は3号車、側面表記が125-1003の車両ですので、01-3-M2は何ら疑問はないのですが、138って何??公式な呼称はご存じの通り、SFC120-Vであり、天津地下鉄向けのSFM120(軌間以外は日本の通勤車に近いモデル)をプロトタイプとしていることは容易に想像がついたのですが、中国側の正式呼称はSMF138になるのですか??
それから、車体側面表記が運輸省番号でもSFC120でもない、CLI 125 10XXとなっているのも不思議で、これまた正式な形式は一体どれなの状態です。おそらく、ですが、運輸省番号はK1 1 25 XXになるのは確実ですので、これと親和性を持たせるため、KをCLに置き換え、数字の1をIndonesiaの「I」に、1 25をSFC120になぞらえスペースを外して125という見立てが有力な気がします。120系125型となるのでしょうか??仮に来年以降に新規増備車が出るとすると、120系126型とかになるんですかね??当然、中国の技術革新からしてマイナーチェンジは必ず発生するでしょうから、合理的と言えば合理的なのか…。
そんなしょうもない思考を巡らせて、先頭車を今か今かと待っていたのですが、結局、夜の部まで持ち越されることになったため、一度、撤収。怪社に戻り、仕事を片付けてから、スプレッターバーが上がったとの連絡を受け、再出撃することにしました。

ついに御開帳‼
CLI 125 1001
トップナンバー先頭車
それから、車体側面表記が運輸省番号でもSFC120でもない、CLI 125 10XXとなっているのも不思議で、これまた正式な形式は一体どれなの状態です。おそらく、ですが、運輸省番号はK1 1 25 XXになるのは確実ですので、これと親和性を持たせるため、KをCLに置き換え、数字の1をIndonesiaの「I」に、1 25をSFC120になぞらえスペースを外して125という見立てが有力な気がします。120系125型となるのでしょうか??仮に来年以降に新規増備車が出るとすると、120系126型とかになるんですかね??当然、中国の技術革新からしてマイナーチェンジは必ず発生するでしょうから、合理的と言えば合理的なのか…。
そんなしょうもない思考を巡らせて、先頭車を今か今かと待っていたのですが、結局、夜の部まで持ち越されることになったため、一度、撤収。怪社に戻り、仕事を片付けてから、スプレッターバーが上がったとの連絡を受け、再出撃することにしました。

ついに御開帳‼
CLI 125 1001
トップナンバー先頭車
で、待ちに待ったご尊顔を。手慣れてきたのは、思いのほか早く出てきてしまったため、水切りシーンは拝めなかったのですが、陸送に間に合いました。てっきり、養生でもして陰険に隠してくるのかとも思いましたが、ここは中国中車。どんどん撮ってくれということでしょう。にしても、KCIの拘りを感じる格好良いデザインだと思います。日本の中古車と互角に張り合うことが出来るでしょう。

私が見たかったのはこれ
先頭車20.989㎜
21m級‼長い‼

私が見たかったのはこれ
先頭車20.989㎜
21m級‼長い‼
せっかくなので、さらに粘って12号車を。

雨の中、パソソ駅へ向かう1012
運転台が巨大というか、運転台をモジュールでくっつけた
ようなデザインが印象的

んん?
12号車は20250㎜で中間車と同じ?
そんな馬鹿な
重さは33tで同じ

雨の中、パソソ駅へ向かう1012
運転台が巨大というか、運転台をモジュールでくっつけた
ようなデザインが印象的

んん?
12号車は20250㎜で中間車と同じ?
そんな馬鹿な
重さは33tで同じ
ここで、新たな疑問が。1001が21m近くあったのに対し、1012のシッピングマーク上の長さは20250㎜ということで、これは印刷ミスなのか何なのか。で、一つ考えられるのは、12号車側は貫通幌がウケ側で幌そのものがない為、車体長表記が異なっているのではないかということ。というか、たぶんそうなんでしょう。幌無しで20250㎜なので、中間車より、ちょっと長いのには変わりないと思いますが、ここから計算すると、車体長は以下の通りと推測されます。
幌:739㎜
先頭車:20,250㎜
中間車:19,511㎜
M車:36t
T車:31t
Tc車:33t
高さの3954㎜は冷房込みの高さで、実際の屋根は配給時のCC206の車高とほぼ同じであることから3600㎜程度と推測され、一応、運輸省レギュレーションには合わせてあるようです(ただし冷房込みでは日本車同様にオーバーしている為、ジャカルタ首都圏外に配給する際は冷房撤去が必要)。いや、もともと欧州地下鉄規格なので、元のSFM120もそんなに屋根は高くないのではと思います。SFM120の現地報道記事を読むと3.8米とあるので、中央部分の張り上げを少し抑えたのではないかと推測します。いずれにしても中国中車のカタログから、日本の通勤車、というかKCIの要求仕様に最も近いタイプを選んだということになります。中国全土の膨大な数の都市鉄道に納入実績に裏打ちされた豊富なラインナップこそが、1年という短納期での調達を実現したと言えるでしょう(あえて全国共通規格を作らず、都市ごと、路線ごとに規格を変えているというのは、端から輸出を想定してのことなのでしょう)。
先頭車は長さを抑えるために、連結面寄りの座席を廃し、ほぼ戸袋しかないわけですが、これも中国の地下鉄によくみられるタイプ(ハノイ2A号線もこれですね)で、先頭車寄りのドア間を短くする日本とは逆転の発想です。当然、KCIは日本と同じドア位置を要求しているわけですが、残念ながらその仕様は中国中車のカタログにはなく、ゼロからの設計となってしまい、価格も納期も収まらないわけで、KCI側が妥協したということでしょう。先頭車の連結部よりの優先座席をどうしても設置したければ、先頭21mモデルを採用しなければならないはずですが、そうするとKCIの建築限界に抵触してしまう(カーブ駅でホームに擦る)為、却下ということで。
床下機器や注目のパンタ、編成組成については、次回、配給編でお知らせします。
幌:739㎜
先頭車:20,250㎜
中間車:19,511㎜
M車:36t
T車:31t
Tc車:33t
高さの3954㎜は冷房込みの高さで、実際の屋根は配給時のCC206の車高とほぼ同じであることから3600㎜程度と推測され、一応、運輸省レギュレーションには合わせてあるようです(ただし冷房込みでは日本車同様にオーバーしている為、ジャカルタ首都圏外に配給する際は冷房撤去が必要)。いや、もともと欧州地下鉄規格なので、元のSFM120もそんなに屋根は高くないのではと思います。SFM120の現地報道記事を読むと3.8米とあるので、中央部分の張り上げを少し抑えたのではないかと推測します。いずれにしても中国中車のカタログから、日本の通勤車、というかKCIの要求仕様に最も近いタイプを選んだということになります。中国全土の膨大な数の都市鉄道に納入実績に裏打ちされた豊富なラインナップこそが、1年という短納期での調達を実現したと言えるでしょう(あえて全国共通規格を作らず、都市ごと、路線ごとに規格を変えているというのは、端から輸出を想定してのことなのでしょう)。
先頭車は長さを抑えるために、連結面寄りの座席を廃し、ほぼ戸袋しかないわけですが、これも中国の地下鉄によくみられるタイプ(ハノイ2A号線もこれですね)で、先頭車寄りのドア間を短くする日本とは逆転の発想です。当然、KCIは日本と同じドア位置を要求しているわけですが、残念ながらその仕様は中国中車のカタログにはなく、ゼロからの設計となってしまい、価格も納期も収まらないわけで、KCI側が妥協したということでしょう。先頭車の連結部よりの優先座席をどうしても設置したければ、先頭21mモデルを採用しなければならないはずですが、そうするとKCIの建築限界に抵触してしまう(カーブ駅でホームに擦る)為、却下ということで。
床下機器や注目のパンタ、編成組成については、次回、配給編でお知らせします。
新たな歴史の1ページ、現場映像は下記よりお楽しみください。
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