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まさかの営業時間帯の配給に

既報の通り、1月31日から翌朝にかけて水切り、オンレール作業が実施されたSFC120-V第一陣となる第一編成12両はパソソ貨物駅での組成後、デポック電車区まで配給される形になりますが、初回ということで、水切り、組成にもだいぶ時間がかかりましたが(31日9時スタートで、終了が2月1日の早朝というのはさすがに時間かかりすぎです…)、配給の出発にもひと悶着ありました…。当初予定では1日朝には1本目(6両ずつ分けて輸送する為)の配給を出すとのことでしたが、動きなく脈無しと判断し、一時撤収。しかし、このときにパソソゲート前には前日に引き続き、鉄ヲタが黒山の人だかりです。が、作業開始後、この地点を1本も配給は通過していません。この時点で「7時間待っても何も来なかった」人がいるわけで、実際には12時間以上待っている人もいなのではないかと思います…。




私も前日の疲れを引きづっているため、一旦撤収し、再度就寝。昼飯を食べるついでに出発し、再度チェック。すると、機関車も緩急車も繋がっているものの、やはり動き無し。しかし、帰宅するとまた寝てしまいそうなので、近くのスタバに引き上げ、仕事。ここまで来ると、もう終電後まで出さないのでは??と疑心暗鬼になりますが、罐が動く気配を感じたので、現場に戻るとまさに踏切が閉まるところでビンゴ。

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軍隊と鉄ヲタが同居しているという
異様な光景…

なんと、事前情報通り、営業時間帯の配給となりました。って、こんな時間に出したら、いくら土曜日といえども帰宅ラッシュ直撃…。ただ、ダイヤを乱す要因となったとしても、その分、注目を集めるだろうというのがCRRCの判断なのでしょう。沿線はものすごい警備で、タンジュンプリオク駅前には数十人の軍が配置され、さらにKCIのPKDたちも総出で線路際に張り付いて、超厳戒モード。しかし、205系やMRTのときと打って変わって、撮影にはお咎めなし。それどころか、どんどん撮れという感じで、日本の企業の陰湿さを改めて感じます…。KCIの人間ですら、今回は新車なので、ブルーシート被ってくるだろうから撮れないね、なんて言っていたのに、蓋を開けてみれば一切養生なし。これにはとにかく驚きました。

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軍隊、PKDに見守られ、日没間際のタンジュンプリオク
を出発する配給列車

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機関車のデッキにも軍隊

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The Indonesiaという風景の中を進むSFC120-V

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中間車は棒連結器です

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電気機器は中国中車時代電気製

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ディスクブレーキが特徴的な台車、軸間距離が日本車より長いです
少しKFWの台車に似ています

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空気ダメとクノール製のコンプレッサー

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T2に設置されている蓄電池


というわけで、台車回りがなんとなくKFWに似ている理由もわかりましたね。ブレーキ関係もクノールが採用されていることがわかります。となると、ドアも、かもしれませんが、こればかりは営業開始後にチェックするしかありません。

というわけで、追っかけスタートです。

初日に配給されたのは1号車から6号車(CLI 125-1001~1006)で、先にオンレールした側方から出発です。1号車がデポック方で、組成はTc1, M1, M2, T1, T2, M3となっています。コンプレッサーはT1に、T2にはその分、蓄電池が設置されていました。M1とM3は同じ機器が乗っているように見えましたが、M3は配給時や車両基地での分割を考慮して、パソソ方連結器が棒連結器ではなく、先頭車と同じ、日本式(シバタ式)となっています。この辺りもKCIの要求仕様がしっかりと反映されています。空制関係がクノールというのも、手堅く固めているなと思います。KFWのような不具合が出なければと思いますが、中車の設計と艤装なので大丈夫でしょう。

従来の中古車配給と大きく変わったのは、NR(Djoko Tingkir)がここでも登板しないということで、ブレーキ力確保は4両の緩急車(客車)で行うという、廃車回送時と同じ手配になっています。つまり、空気管の引き通しを実施しているというわけで、配給出発の遅れは、どうも機関車又は緩急車とSFC120-Vの間のコネクタがうまく繋がらなかったようで(インドネシア側が手配していたものがダメだったんでしょうね)、代替品を運んでくるまで待っていたということらしいです。一方、KAI内規通りの被牽引6両に対してのブレーキ16軸ですので、時速40㎞/hでの走行が認められており、営業時間帯の配給が可能です。そんなわけで、終電を待たずして、出発した配給列車ですが、プリオク~ジャカルタコタ間を1時間弱かけて走っており、初回ということで相当用心深い走りをしていました。特に各駅では、ホームとの接触を恐れて、5㎞~10㎞/hでの超減速をしており、また極端にホームとの隙間の狭い箇所では一旦停車し、計測をしており、その後もジャカルタコタ出発後も遅延がどんどん拡大…。当然、後続の電車は遅れに遅れまくり、これ、どう見ても終電後に出した方が良かったんじゃないの…と。もしかすると、CRRCお得意のプロパガンダ作りの為に、どうしても営業時間帯に走らせたいというたっての希望だったのかもしれません。まあ、注目度は抜群ですからね。特に前日の各メディア1面でプリオク到着記事を出しているので、ニュースでみたあの電車だ‼とホームの一般乗客もしきりにスマホを向けていました。

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タンジュンプリオクを出て約2時間半
ようやくスディルマンを通過
現地鉄もひな壇を形成w

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遅延の原因となった引き通しの空気管
連結器高さはインドネシア規格に揃えてあえるため、
自連、密自連アダプターをかませるのみで連結

タナアバン、カレットとホーム限界が厳しかったようで、各駅停車して計測していたようで、ここでさらに遅延。ブカシ線はこの間、30分も間隔が開いてしまい、乗客からはクレームの嵐。どりあえず、土曜日で良かったです。もし平日だったら阿鼻叫喚の大混雑でした。


そんなこんなでマンガライではボゴール線をかならず待避するだろうということで、先回り。結果論から言えば、パサールミングでももう一度待避があったため、手前で降りていれば、もうワンカット撮れてはいたのですが、疲れていてそこまで頭が回りませんでした(笑)

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同業者多数ながら最後は地元駅で撮影

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新車が来るぞと通達が出ているようで、
駅員もPKDも皆、動画や写真を撮っていました

で、後続がどん詰まりなので、とりあえずデポック見に行ってみるかと思ったのがすべての間違いでした。ここからデポックまで通常、15~20分で着くところを50分以上もかけてチンタラ走りまして…。デポックについたのはもう23時前…。おいおい、タンジュンプリオクから6時間ですよ。プリオク~デポック高速鉄道ですかw(←O塚智彦風)

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問題のホーム隙間ですが

神経を尖らせていた駅ホームの建築限界ですが、幸いホームに擦ることはなかったようで…。というか、運輸省のレギュレーションが最大幅2990㎜なのですから、当然、安全はなずなのですが、問題は日本車の幅に慣れきってしまい、ホーム改修時に日本車規格に勝手に作ってしまったところが複数あることで、低速走行になったわけです。現在、スカブミ線送り込みの為の客車配給が定期的に設定されており、あちらが実際擦っていないので、まあ大丈夫ではあるのですが、SFC120-Vはタネ車由来で運輸省規格より10㎜広い3000㎜になっていることを、念には念を入れてということなのでしょう。ちなみにKAIの客車は厚化粧の繰り返しで、とっくに車体幅は3000㎜に達しているので、別に気にする必要ないのでは?と個人的に思うのですが(スルポン線内の運輸省駅は、運輸省が運輸省レギュレーションを平気で破っているので、たまに化粧の濃い客車がホームに盛大に擦っていますww)。

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いつ置き換えられてもおかしくない⁉6107と並ぶ新車

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側面窓に貼り出されているシッピングマークはフル中国語です

それにしてもデポック駅はこれまでにもない大激パで、現地鉄はもうざっと100人くらいいたのではと思うほどの人いきれ。そこに配給列車からKAI白服軍団やKALOGの職員がぞろぞろと降りてきて記念撮影して大変な盛り上がりよう。さほど通過待ちはせずに、配給列車はCRRCスタッフを乗せてデポック電車区に入っていきました。

残り6両は翌日の午前中にやるとのことですので、2日ぶりに家に帰ってさっさと寝ることとします。


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