DSC_0620_R
待望の国産INKA製新型電車が本線上に姿を現わす

先々週末には中国CRRCからのSFC-120V第2・第3編成がタンジュンプリオク港から陸揚げされたばかりですが、東ジャワからもINKA製新型電車第1編成落成し、3月17日にマディウン~ソロジェブレス間で6両ずつ配給輸送が実施されています(日本→インドネシア移動日だったため未撮影)。それがなんと翌18日終電後にはさっそく本線試運転が設定されるという衝撃。急遽、ソロまでスクランブル発進してきましたので、速報版としてお知らせします。





DSC_0590_R
先輩格のKFWに見送られ、いよいよ本線上に姿を現わした国産新車

ご承知の通り、これは2023年3月にINKAとKCIの間で結ばれた国産新車12連16本の第1号ということになり、日本仕様、主要部品を日本製品で固めて生産されています。車両鋼体自体は昨年中頃くらいからINKA工場内でお目見えしており、ときおり公式からのお漏らし投稿などからも、その姿を確認できましたが、主要機器は年末を目指して納品が続いており、当初の予定では早くてもレバラン明けくらいと言われていたものですが、これだけ中国製の新車が入っている手前、政府の面目を守ると言うことでしょうか、レバラン前、つまり中国中車が営業投入される前にお披露目せよというお上の一声がかかったようで…。本来ならば断食中、ましてもうレバラン臨がぼちぼち走り出し、社員たちはPOSKOに駆り出されるというこの時期にこんな重いネタを投下するなど普段ならありえない訳で、相当な力が働いていることが伺えます。年明けくらいには、既にINKA工場内の試運転線を行き来する姿が目撃されて始めており、不眠不休で作業が進められていたものと思われます。

17日に6両ずつ配給、同日中に組成、18日に指導運転士講習(基本は電車区の倉の中ですが、一時的にソロジェブレス駅構内の本線上に姿を現わしていたようです)、そしてそのまま本線試運転と、これまたなかなかに切羽詰まったスケジュールで、試運転に合わせ出張中の日本の各関係者もヒヤヒヤだったことでしょう。

WhatsApp Image 2025-02-19 at 12.13.58
INKAインスタより
2月17日の国営企業省巡察の様子

KCIの公式バナーにも中国中車と並んで、INKA新車のイラストも登場し、新車のデザインとデビューは公然のものとなっており、逆に今回の姿で登場したことで、驚いている読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、3月15日、INKA出場線にスタンバイした姿に現地鉄は吃驚仰天。なぜなら、事前に告知、というか、工場内で目撃されていたデザインと全く違う、というか良い意味で変更が入っていたからです。いやいや、ただでさえ押しているスケジュールで、帯まで一度剥いでやり直しって、よくもまぁやりますわ。もともと、ジャカルタの伝統文様のギザギザ(Gigi)をモチーフにしていたわけですが、近代的なデザインとのアンマッチは否めず、特に前面の行先表示器上のギザギザはどう見ても要らないだろうとう声が圧倒的でしたが、これには国営企業省からもダメ出しが入ったそうで、全面的に修正されることになりました(笑)上記画像を見ればお分かりの通り、国営企業省視察までは旧デザインだったんですよね。初めてヲタと国営企業省の見解が一致したかもしれません。

DSC_0625_R
前面のE235系風の斑点は残しつつ、
側面はSFC-120Vと、前面の縁取り及び側面ドアは
高速鉄道(ジョグジャ空港線KRDE Holec)と共通デザインとなりました

これはインドネシアにしては珍しい良い方向への修正です。側面をSFC-120Vに揃えるのはわかるのですが、前面の縁取りに微妙なグラデーションを加え、ドアの中央より2か所も同様のグラデーション(高速鉄道のドアと同じ)、結果的にジョグジャ空港線のKRDE Holecと同一のデザインになっています。SSNG客車のドアもこのグラデーションなので、KAI幹部が相当これを気に入っている模様です。

DSC_0642_R
注目はこの附番でしょうか
(床下機器のToyo Denkiロゴも当然注目ですが;;)

さて、INKAからの出場時に既報となってはいますが、こちらでは初めてなので一応解説しておきます。中国中車のSFC-120Vの形式系が謎過ぎるということは、第1編成着岸時の記事で書いていますが、その謎が今回解けました。SFC-120VにつけられたCLIー125.1001という数字はCRRCが運輸省番号を曲解したのではなく、運輸省番号から派生させてKCIが独自に形式名を与えたというのが正解でした。特に今回、2025年製の新車にCRRC、INKAがごちゃ混ぜになることから、運輸省番号だけでの管理は困難であり、そこで百の位を与えることで125系と225系で区別しているということのようです。INKA製は来年以降も増備されるため、その際、226系になるのか225系の続番になるのかは引き続き注目です。形式名後ろの4桁番号も編成番号および号車を識別するのにわかりやすいようにということなんでしょう。しかし、トップナンバーを0101とせずに1001にしてしまい、第2編成が1101となることもなく、2001にしたというのは悪手でしかないような気がしますが…。というわけで、本記事以降、CRRC新車はCLI-125、INKA新車はCLIー225と称し、編成番号は1号車の番号を用いるという方式に統一してまります。

DSC_0646_R
車内の様子
CLI125に比べて、どうも垢抜けないですよねぇ

DSC_0649_R
何故か設定がマンガライ駅になっています;;

当面、CLI225-1001Fは性能試験、走り込み試験としてソロ~ジョグジャ間の終電後に試運転を継続する(ジャカルタ都圏では120㎞/hの高速試運転が出来ないため)見込みです。この日は同区間を2往復していました。これらが終わった後、運輸省試験の段階でジャカルタに再度配給されるものと思われます。にもかかわらず、どうして運輸省番号が既に貼り付け済なの?と疑問に思ったのですが、記入されているのは年までで、個体番号は空欄になっており、運輸省試験を通過した時点で附番していくようです。

DSC_0643_R
このように25以下は空欄になっています
01を名乗るのは当然CLIー125の方なんでしょうし

なお、終電後の駅構内へは、駅員さんのご厚意で立ち入らせてもらっています。予めご承知おきの上、よろしくお願いします。

◆収支がかなりマズイ棒◆
1日1回のTETSUDO.COMバナークリックにご協力下さい
banner_468_60_1

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット