
日車KRDにはローカル風景が良く似合う
先日のINKA製新車、CLI-225出場試運転では、せっかくソロまで足を延ばしていますので、行きがけの駄賃として当然こちらも回収してきました。既報の通り、2025年2月1日ダイヤ改正では、新型客車増投入に伴う、全国規模での長距離列車増発、速度向上が図られていますが、もはやお荷物とされている普通列車については現状据え置き、ほぼ変化はありませんでした。が、ウォノギリ線のみは例外で、ここ数年来実施されていた重軌条化、PC枕木化が完了したことで、従来最高速度が45㎞/hに抑えられていたものが、70㎞/hへの引き上げが実現。これにより、プルウォサリ~ウォノギリ間の最高速度は従来の1時間45分から1時間へ大幅に短縮しています。なお、これに伴う増発はなく(補助金は同額のままの為)、その分、折り返し時間が拡大しています。
よって、INKA製の1黒歴史とも言える、なんちゃって連接台車のレールバスは高速走行に対応していないため、お役御免。2月1日からウォノギリ線は、待望とも言える一般鉄道車両に置き換えが果たされています。レールバスは前大統領の肝いり事業でしたので、ジョコウィがいる限りレールバス置き換えはもっての他でしたが、もう過去の人になりましたので、無問題ということでしょう。
軸重制限も撤廃されたため、機関車+客車編成に置き換えられてもおかしくはなかったのですが、これがなんとサプライズ。ダイヤ改正前までスマランポンチョル~ングロンボ間の普通列車Kedung Seppur用として運用されていた日車KRDこと、MCW302の6両全車がSLOに転属し、2月1日からウォノギリ線に抜擢されています。これに伴い、Kedung Sepurは機関車+客車編成に置き換えられており、これはこれで、わずか客車3両というジャワ最短編成というネタを提供しています。大幹線たる北本線、120km/h
の特急がじゃんじゃん行き交う中、ボロボロのMCW302を走らせるというのは、さすがにリスクが高いと判断されたものと思われます。

朝日を浴びてウォノギリを目指すMCW302
Kedung Sepur時代には早朝と夕方にそれぞれ1往復ずつ、しかもスマラン近郊区間のみにか走行しないとうことで、全区間でほぼ逆光、撮影地もほぼ無いと言う状況で、最後の旅客用MCW302でありながら、物理的に撮影出来ないという、マニア泣かせの列車でしたが、それが一転。ウォノギリ線転属と言うことで、運行本数は2往復ながら、午前中に集中しているため、何枚も撮れる、さらにロケーション抜群という好条件路線下での運用になったのです。というわけで、全インドネシア鉄がウォノギリ線に殺到しており、ブームに遅れまいと、旧Railink塗装の青色時代のまま走る姿を激写しました。次の検査入場あたりでウォノギリ線専用カラーになるような気がしますので…。どうせ色を変えるなら、クリーム&緑の登場時カラーリバイバルを熱望します‼(笑)
しかし、このカラー息が長いですよね
走行線区が度々変わっているにも関わらず、全く色が変わらないというのは
インドネシアではなかりレアな部類です

併用軌道区間を大型車両が堂々と走行

サボと所属表記
まだSMCのままですね
MCW302によるウォノギリ線の運行は、レールバスが故障又は検査時の代走として、PRAMEKS用の予備車を用いて2018年半ばまでは実施されていましたが、PRAMEKS用のMCW302は同年末までに全車がKereta Inspeksiの類に改造されてしまい、旅客用車両はゼロになりました。よって、2018年半ば以降のレールバス代走は、KRDIにより実施されており、今回のMCW302による運行は約6年ぶりのことになります。

レールを軋ませながら急カーブを抜け路面区間へ
ご承知の通り、この青い冷房MCW302は、元スカブミ線の快速Bumi Gerius用気動車で、スカブミ線重軌条化による運休に伴い、2012年夏を最後に運用離脱。クアラナム空港線への転用に伴う冷房、アコモ改造を経て、2012年末に現在の青色、固定窓の姿で出場しました。しかし、クアラナム空港線には、結局、Holec改造のKRDE ACがピンチヒッターとして抜擢されたため、Railinkロゴを設置したものの、一度も空港線運用には入らず、というかスマトラ島に輸送されることもなく、2013年8月からソロ~ジョグジャ間の臨時冷房PRAMEKS(運行開始当初の列車名はSriwedari)としてデビュー、その後も波動用車両として中部ジャワ地区を転々としていましたが、2015年2月からはスマラン~ングロンボ間の普通Kedung Sepurが安住の地となりました。それから10年、まさかスカブミ線を走っていた車両が、再び山の中、ウォノギリ線に充当されるとは、びっくりです。Kedung Sepur時代には4両編成を組んでいました(2両が予備)が、Batara Keresnaでは3両編成となり、冷房用電源付き1両、一般車2両の組成を組み、3両1本が予備車となる余裕のある運用体制となります。とはいえ、いい加減、車齢も車齢です。いくら余生を過ごすのにぴったりの路線とは言え、この先はそう長くないと見え、乗車、撮影はお早めに。乗車の際はKAI公式アプリ、Accsess by KAIから事前予約してご乗車下さい。

レールを軋ませながら急カーブを抜け路面区間へ
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