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熱気に包まれたジャカルタコタ駅
IINKA製CLI-225系の入線で最高潮に

公式からも出ている通りで、わざわざこちらでお知らせする必要もないのかもしれませんが、去る4月22日、ジャカルタコタ駅を会場にしてジャカルタ首都圏電化100周年記念式典が実施されました。来賓によるスピーチのみならず、現有する歴代車両からCRRC製、INKA製の新車を順に入線させていくという手の込んだイベント、Bom Bomや復刻版JALITA、そして新車を一目見ようと多くの人々が詰めかけました。ジャカルタ首都圏の電化は1925年4月6日にタンジュンプリオク~ジャティネガラ間を皮切りに進められていきましたので、100周年記念日は4月7日となるわけですが、今回、レバラン真っ只中ということで開催が出来ず、このタイミングになりました。しかし、待望とも言える国産CLI-225系のお披露目に最高の場になったと言えるでしょう。




なお、既報の通り、CLI-225系1001Fの残り6両は4月20日早朝までにデポック電車区に到着していますが、同日中に12連を組成し、構内試走、そして21日夜には式典への送り込みを兼ねてデポック~マンガライ間で回送されています。この他にも当日に展示される各編成が21日夜に続けてマンガライに回送されていきましたので、まずは深夜のパレードから紹介します。

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まず通過したのが8618F復刻JALITA
旧KCJロゴまで再現されました

当日最大の見どころは、4月14日の代走以来、一度も本線上に姿を現わしていない8618F復刻JALITA。ちなみに、式典終了後もデポック電車区に返却されており、しかもその後も運用に入らず、という状態で、ニートっぷりもJALITAを再現しています。もしかして、このまま運用に入らないなんてこともあり得る? 21日の回送では、マンガライ到着後、ブキットドゥリ電車区に入区し、翌朝、タナアバン、カンプンバンダン経由でコタまで回送されました。

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続いてやってきたのはCLI-125系1001F
(2001、3001の登板を期待しましたが…)

8618Fに続けてCRRC製CLI-125系1001Fも通過。こちらは、もう連日の試運転で現地鉄の食指も動かなくなりつつありますね(笑)営業開始すれば話は別でしょうが。なお、運輸省番号が張り出されており、25年製のトップナンバーとなります。

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そしてついにお待ちかねのCLI-225系1001F!!

そして、前夜祭も当日もトリを飾るINKA製のCLI-225系。私にとっては2日ぶりの再会です(笑)ジャカルタ首都圏では初の本線走行です。日系メーカーの皆様も乗車していた模様です。イベントに振り回されて、こんな深夜の行路になってしまいお疲れ様です…。しかし、ついに新車が地元にやってきたかと思うと感無量です。今後はこれが当たり前の光景になるわけですね。

CLI-225系1001Fも配給時にはまだ6両分しか貼っていなかった運輸省番号が全車に附番された他、連結面の転落防止幌、そして女性専用車のステッカーも張り付けられており、営業運転さなががらの状態です。これから4000㎞の走り込み試験ですから、デビューはまだ先になるわけですが。

おおらく下記ような順序になると思われ、運輸省番号は車両管理に全く使えないということがよくわかります。CLI形式が与えられて、本当に良かったのでは…と。

◆新車の運輸省ナンバリング◆
CLI-125 1001F K1 1 25 01~
CLI-125 2001FK1 1 25 13~
CLI-125 3001F K1 1 25 25~
CLI-225 1001F K1 1 25 37~

CLI-125とCLI-225はマンガライ駅5・6番線滞泊となり、これも翌朝、タナアン、カンプンバンダン経由でコタまで回送されています。わざわざカンプンバンダン経由にしているのは、式典会場が中央線から直接入線できない1番線~6番線側になっている為です。長距離列車及びスルポン線、タンゲラン線急行や、環状線経由のブカシ線Ekonomi AC廃止後は、夜間の滞泊がある以外は完全に遊休化していましたので、式典にはもってこいの番線です。

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会場入り口のバナー
オランダ電車のレストアが間に合わなかったのが残念ですね
なお、CRRCがスポンサーの一つに入っています

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廃止された長距離列車待合室を転用した式典会場
当然、CRRC関係者も招待されていました

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こんな感じで車両を眺めることが出来ます

旧1番線を潰して作った長距離列車用待合室(←これも2月1日ダイヤ改正で完全に廃止;;)は当然、ウナギの寝床のような細長いつくりでですが、側面はガラス張りでコタ駅に入線する電車が眺められるという、なかなかにトレインビューな作り。それをうまく使って、今回の式典ではステージの司会者とスクリーンが続々と入線してくる車両形式に対応してうまく喋り、来賓客は実車も冷房の効いた会場から眺められるという趣向です。


式典の様子はYoutube配信されていましたので
ノーカットでご覧いただけます
入線のタイミングと形式紹介には司会のお姉さんも
なかなか苦労しているようです(笑)

そんなわけで、現地鉄にとっては、灼熱のホームでの熱き戦いが火蓋を落とされました。まず入線するのは前日夜に送り込まれていたタンジュンプリオクからの、毎度恒例、Bom Bom+Djoko Kendil編成。いつも撮っているので、正直パスで良いのですが、どうも調子があまり良くないのか、後部に補助としてNR Djoko Tingkirが連結されていました。なお、Djoko Tingkirは入線後、すぐに切り離され出発信号機付近での留置となりました。

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毎度恒例の列車ですが、ものすごい混雑です

Djoko Tingkirは8番線に入り、これから順にプリオク線定期列車の05系及び6000系が7番線に、8618FJALITAが6番線、7000系が5番線、CLI-125系が4番線、CLI-225系が3番線という順に、会場から見えるように奥から順に入線していきます。

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プリオク線がいない間にとりあえず単体撮影
どうせ逆光、曇りなので記録程度に

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05-110Fが入線
新旧プリオク並びはもう今後、見れないかもしれません

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そしてお待ちかねのJALITA‼
あまりの混雑で編成撮りは諦めました
いずれ定期運用に入ってから撮りなおします

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そして7000系7123F
別にネタでもなんでもないので並びを撮っておきます


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わざわざ記念ロゴまで貼りだされています
イベントのみの展示ではもったいない気が…

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行先表示器部分には1925-2025のステッカーが

そして、列車パレードは中古車から新車へ。来賓スピーチからも、新車導入に関する祝辞が聞こえてきます。司会でも中古車から、新車、そして国産車の導入が実現したインドネシアが猛烈にアピールされています。

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まずはCRRC製のCLI-125系が入線

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私が撮りたかったのはこれ

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というわけで

事前の取材では聞いていましたが、銘板を撮ってしまえば問題なしということで、現地鉄の間でも議論が巻き起こっていたCLI-125系のパンタですが、前評判通り、信頼と実績の東洋電機の現地合弁会社、永貴東洋製ということが判明しました。どうりで、東洋のパンタそっくりなわけですね。KCIは東洋のバネ上昇式パンタに高い信頼を置いていることがよくわかります。

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まあ、これも今後いくらでも撮れるのでスナップだけで
(コタの若番ホームに日中入るのは珍しいかもしれませんが)

会場のライブ動画は駅コンコースでも配信されており、CLI-225の到着を前に、紹介がスタートすると一般見学者からも歓声が上がります。JALITAですら、こんな盛り上がりは見せませんでしたので、国産新車にかける期待がいかに大きいかがわかります。

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ブタウィの伝統音楽が演奏される中、
ついに現車の入線です

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現地鉄たちはINKA‼ J-TREC‼ INKA!! J-TREC!!の大合唱

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これは本当に100年に1度のお祭り騒ぎ
人多すぎでBom Bomまでの並びを撮るのは諦めました…

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でも、この並びは外せない
ジャカルタの新たな日常を先取りです

撮るもんは撮ったのでこの先は、低床ホームなのを生かして床下ウォッチング。まずは、CRRC CLI-125系のコンプレッサーを改めて。電機品はほぼ全て株洲中車時代電機製に抑えられていますが、コンプレッサーはやはりドイツ、クノールクノールブレムゼ製。おそらくブレーキもでしょう。INKAにも食い込んでいますし、手強いですなぁ。

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クノール製のCLI-125系コンプレッサー

で、ここからはCLI-225系。ナブテスコのプレスリリースには、ブレーキ制御機とドア開閉システムとしか記載がなく、ではコンプレッサーは?という疑問がありましたので接写してみました。

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なんだ結局こっちもクノールではないか

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日本国内でも同型が多数採用されているようですね

中国が取ろうが、日本が取ろうが、インドネシアが取ろうが、お構いなし。真に強い会社というのはこういう会社なんでしょうね。

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お馴染みVVVFインバーター

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合格証が付いたままですね
形式はRG6061-A-Mとあります

そうこうしているうちに、まずはJALITAが撤収、デポックに回送というので、こちらも撤収。11番線からのボゴール行きと同時に出れば、車内からこの位置で3並びが撮れるかなとも思いましたが、わずかにボゴール行きの方が発車が遅く、撮れませんでした。

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一応、2本並びだけ
いずれ、いくらでも撮れるようになると思いますが…
(車内から撮影)

私も撤収とさせていただきます。

国産新車CLI-225系、ソロからジャカルタまでの軌跡は
動画でもご確認ください




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